旬の食材は食べて美味しいだけではなく、栄養もたっぷり。本コーナーでは魚や野菜、果物など旬食材の魅力をご紹介します。さて、今回のテーマとなる食材は? 文/おと週Web編集部、画像/写真AC 【今月の旬食材は?】いま1年で最…
画像ギャラリー旬の食材は食べて美味しいだけではなく、栄養もたっぷり。本コーナーでは魚や野菜、果物など旬食材の魅力をご紹介します。
さて、今回のテーマとなる食材は?
文/おと週Web編集部、画像/写真AC
■真っ黒です
正解:海苔
難易度:★★★★☆
江戸の特産品でした
寿司やおにぎりに欠かせない食材である海苔。赤藻類の一種ですが、さまざまな品種があり、海苔というのは総称です。
通年出回っていますが、旬は11月から2月頃まで。11月に摘み取りが始まりますが、摘み取ったばかりの海苔は「新海苔」と呼ばれ、やわらかく、香り高い風味があることから、珍重されています。
新海苔にはパッケージに「一番摘み」「早摘み」「若摘み」などと記載されています。
海苔は縄文時代から食用されていたと考えられています。また、飛鳥時代に編纂された「常陸風土記」のなかには浜辺一面に海苔が干してある風景が記載されています。当時は海苔は高級品で、朝廷への年貢の対象物とされていたようです。
現在のような板状にした海苔が一般的になったのは江戸時代初期で、その起源は「浅草海苔」といわれています。
浅草海苔は海苔の品種のひとつで、江戸時代初期に養殖されるようになり、さらに紙漉きの技術を応用して板状にされるようになりました。しかしこの品種は養殖が難しく、近年では絶滅危惧種に指定されるほどの希少品種となっています。
同時期には、品川・大森を中心とする東京湾で養殖される品川海苔や、葛西周辺で養殖される葛西海苔なども登場し、海苔は江戸の特産品となりました。
現在、私たちが口にしてる海苔のほとんどは「スサビノリ」という品種となっています。
私たちがスーパーなどで購入できる海苔には、乾海苔、焼海苔、青海苔、岩海苔の4種類があります。
乾海苔は、養殖された海苔を板状に加工して乾燥させたもので、磯の香りが強いことが特徴です。
焼海苔は、乾海苔をさらに焼き上げたもので、水分が少なく乾海苔よりもパリパリとした食感となります。
いずれも火であぶると香ばしい風味が増し、旨味を引き出すことができます。
青海苔は、材料となる海藻の品種が異なり、アオサ科アオノリ属の海藻がおもに使われます。鮮やかな緑色で、風味が強いことが特徴です。
岩海苔は、岩場に自生している天然ものの海苔、またはそれを加工したものです。
美味しい海苔の見分け方
焼き海苔は深い緑色、乾海苔はできるだけ黒いものを。いずれも表面に光沢があるものが高級で美味しい海苔の証とされています。
小さな穴や、破れ、欠けがあっても上記のような条件を満たしていれば、味や風味は変わりません。
逆に、贈答品などに使用するわけではないなら「キズ海苔」「はねだし・寿司はね」として安価に販売していることもあるので、おすすめです。
海苔の注目栄養素
少し意外かもしれませんが、海苔にはビタミンCが豊富に含まれています。ビタミンCには強い抗酸化力があるため、生活習慣病の予防には欠かせない栄養素です。
ほかに、海苔の約3分の1は食物繊維といわれるほど食物繊維が豊富な食品です。海苔の食物繊維は水溶性に分類されるため、お腹にやさしいといわれています。食物繊維が多い食品を食べるとお腹がゆるくなりやすいといった人でも安心して食べられる食品です。
ただし、食べすぎればお腹がゆるくなってしまうので、適量(1日あたり全形の焼き海苔で2枚程度/約6g)を食べましょう。
ちなみに、日本人以外は海苔が消化できないという話を耳にしたことがありませんか? 生海苔の成分を分解できる腸内細菌が日本人の腸内にしか存在しないことがその理由とか。
ただしそれは生海苔に限った話。一度火を通した海苔であれば消化することができるそうです。
↑上記にそのほかの「旬食材」をまとめていますので、ぜひご覧ください。