50歳を過ぎると、コッテリ系のラーメンを受け付けなくなる。町中華で食べるような、アッサリ系のラーメンを探すも、なかなか美味しい店に巡り合うことがない。 そんななか、愛知県三河地方に出張へ行ったある日、見つけてしまったのである。50歳過ぎのおっさんが心の底から求めていた、究極のアッサリ系ラーメンを……!
画像ギャラリー町中華界のレジェンドによる渾身の一杯! 愛知県知立市『知立らーめん』
50歳を過ぎると、コッテリ系のラーメンを受け付けなくなる。
町中華で食べるような、アッサリ系のラーメンを探すも、なかなか美味しい店に巡り合うことがない。
そんななか、愛知県三河地方に出張へ行ったある日、見つけてしまったのである。
50歳過ぎのおっさんが心の底から求めていた、究極のアッサリ系ラーメンを。
それが、愛知県知立市にある『知立ラーメン』。
店の場所は知立市役所の南東。
7年ほど前にオープンし、当時は知立駅前で営んでいたが、駅前の再開発で4年前に現在地へ移転してきたという。
店主の内藤秀詩さんは、1983(昭和58)年に豊明市で中華料理店『たけのこ飯店』を開業。
その人気は凄まじく、オープンして5年後には刈谷市にも支店を出した。
「そのころ、ホカ弁が流行っていたこともあって、テイクアウトやデリバリーもやっていました。
メニューは100種類くらいあったと思いますよ。人気だったのは、やはりラーメンと餃子でしたね」(内藤さん)
ラーメンのスープは、鶏ガラと豚骨がベース。
濁らないように弱火でじっくりと煮込んで旨味を抽出していく。
タレに和風だしを加えて、奥行きのある味に仕上げている。
「ひと口目のインパクトではなく、最後まで飽きることなく食べられるラーメンをめざしました」(内藤さん)とか。
これがいちばん人気の「知立らーめん2枚入り」(880円)。
2枚というのは、見てわかるとおり、分厚いチャーシューのこと。
ほかにもワカメとネギが入る。
シンプル・イズ・ベストとは、このことを言うのだろう。
国産小麦を使った麺は細麺でやや縮れがある。
これが素朴でやさしい味わいのスープとよく合うのだ。
ひと口目はどこか物足りなさを感じるのだが、食べていくうちにだんだんと美味しくなってくるのである。
食べ終わる直前が美味しさのピークを迎える。
食べ終わるころには大満足となる。
特筆すべきは、やはりチャーシューだろう。
豚バラ肉のブロックをラーメンのスープで煮込んだ後、醤油と砂糖、ニンニク、ネギ、生姜で作った自家製のタレに漬け込む。
さらに、タレが入った寸胴ごと2時間煮込み、その後2日間漬け込む。
「チャーシューのタレは『たけのこ飯店』の創業当時から使っているものを、注ぎ足しています。
約40年分の旨みが凝縮されています。
新型コロナの影響もあって、最近では真空パックにしたチャーシューのテイクアウト(100g/500円)をはじめました。
チャーハンやチャーシュー丼にすると美味しいですよ」(内藤さん)
ここでしか味わえない、オリジナルのラーメンを完成させるのは難しい。
しかし、どこにでもある昔ながらの中華そばを極めるのは、他店と比較されるため、もっと難しい。
町中華のレジェンドによる渾身の一杯を多くの人に味わってもらいたい。
知立らーめん
[住所]愛知県知立市広見3-58
[TEL]0566-83-1060
[営業時間]11:00〜14:00
[定休日]月曜
[交通]名鉄三河線三河知立駅から徒歩10分
永谷正樹(ながや・まさき)
1969年生まれのアラフィフライター兼カメラマン。名古屋めしをこよなく愛し、『おとなの週末』をはじめとする全国誌に発信。名古屋めしの専門家としてテレビ出演や講演会もこなす。
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