「さいち」のおはぎ(仙台)「福田パン」のコッペパン(盛岡) 地方のレアグルメが「新幹線」で東京に!

コロナ禍の影響で旅行の予定は立てるのが難しい日々が続いています。せめて旅行気分だけでも…と、アンテナショップやお取り寄せで全国各地のグルメを探している方も多いはず。そんな時、普段は手に入りにくい地方のレアな名物に出合えると、より現地に行った気分になりますよね。今回はそんな旅行気分をも満たしてくれる物産展イベントのご紹介です。

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地域銘菓やご当地パンなどなかなか出合えない名物の数々

東日本各地の食をそろえた「のもの POP‐UP STORE」が9 月 26 日(日)まで、東京・銀座のGINZA SIXに出店中です。今回は毎日、東北・上越・北陸新幹線を活用し、首都圏での流通がほとんどない地域銘菓やご当地パン、鮮度が高い産地直送の旬のフルーツなど“のもの”イチオシの特産品が並びます

店内の様子

「のもの」は地域の魅力を発信し、首都圏とつなげる

「のもの」は、JR東日本がグループ会社とともに手掛ける、地産品ショップの運営、地産品の卸売、産直市やマルシェの運営等の事業です。「旬のもの」「地のもの」「縁のもの」の「のもの」から名前を取りました

常設店は2012年に上野店がオープンし、次いで、秋葉原店(2014年)、東京駅グランスタ丸の内店(2017年)、シンガポールJewel Changi Airport JW360°店(2019年)が開業。国内3店舗、海外1店舗が展開されています。いずれも東日本各地の食を中心に地域の魅力を紹介するショップです。今回の「のもの POP‐UP STORE」は「のもの」初の期間限定店です。

東日本の特産品を集めた「のもの」

おススメは「さいち」のおはぎと「福田パン」のコッペパン

ラインアップを見ていると目移りしてしまいますが、甘党の私の注目の商品は仙台の奥座敷・秋保温泉にあるスーパー「さいち」の秋保おはぎと、盛岡市民のソウルフード「福田パン」のコッペパンです

いずれも未体験なのですが、大手スーパー「ヤオコー」の手握りおはぎ(大ファンです)の味が「さいち」にルーツがある(担当者の方がその美味しさから、味を学びに研修に行っている)という話を聞き、ぜひ一度、食べてみたいと思っていました。

「福田パン」は、東北に住んでいた親戚からコッペパンの美味しさについて長時間力説されたことからずっと気になっていました。いずれもなかなか東京では手に入りにくいものです。催事概要を紹介する公式Facebookによると、おはぎは限定200点とのこと。さあ、手に入るのでしょうか?

新幹線風の時刻表に高まるワクワク感

催事会場に着くと、入り口で新幹線の電光掲示板を模した印象的なディスプレイが目に飛び込んできました。商品の到着時間と、新幹線の列車番号が表記されています。

駅の電光掲示板を思わせるディスプレイ

なかなか出かけられないご時世ですが、旅のワクワク感が蘇ってきました。店内をぐるりを見回すと、水産加工品に甘味、お酒と、東日本各地の商品が取り揃えられています。約400種類の魅力的な商品を用意しているそうです

各地のビールや日本酒はパッケージを眺めるだけでも楽しい

水産加工品の品ぞろえも充実


生産者のメッセージ

ちなみに目当てのおはぎは「やまびこ136号」で14時に、福田パンは「やまびこ52号」で14時30分に催事会場に到着するとのことでした。なんだか地方から来る友人を迎えにきたような気分です。

通常、東京で催される物産展は、地方からの輸送時間がかかります。「さいち」のおはぎは、賞味期限が製造当日。このような賞味期限が短い生菓子や生鮮食品などは、出荷できないことも多いですが、今回の催事では、JR東日本グループ各社が力を合わせ、新幹線や物流トラックを活用しスピーディーな商品輸送を実現しました

「のもの」店舗グループリーダーを務めるJR東日本商事の山本成則さん

「地域と首都圏を結び、多くの人々に各地の魅力を知ってもらいたいという思いから、銀座という発信力のある場所を選びました」

こう話すのは「のもの」店舗グループリーダーを務めるJR東日本商事の山本成則さん。「賞味期限などの時間的な制約があり、知られる機会が少ない商品もまだまだ多いですが、JR東日本グループの力を合わせて地域の思いをつないでいきたいです」と力を込めます。

無事おはぎと福田パンを購入

「さいち」のおはぎと「福田パン」のコッペパンの到着を待ち、無事購入!早速、持ち帰って自宅で実食しました。この二品は当日朝に作られた“できたて”です。運んできてくれた新幹線や物流の恩恵に感謝しながらいただきます!

「さいち」のおはぎは、一般的なおはぎの2倍近くはあろうかというビッグサイズです。あんこがずっしりとして、食べ応え抜群!一口ほおばると、口の中にあんの甘さが広がって、まさに「口福」という感じです。このおはぎを普段から食べることができる仙台市民の方々がうらやましい限りです。

「さいち」のおはぎ

個人的に感動が大きかったのは、福田パンのコッペパン。大人気商品の「あん・バター入りサンド」と「クッキー&バニラ」の2種類を購入したのですが、どちらも絶品。パンのもちもちふんわり感がたまらず、あっという間に二本とも完食してしまいました。その柔らかさはぜひ一度お試しいただきたいです。

「福田パン」のあん・バター入りサンドと、クッキー&バニラ

「あん・バター入りサンド」「クッキー&クリーム」はいずれもパンと中の具の割合がちょうど良い塩梅です。先ほどのおはぎとは対照的に具沢山という印象はありませんが、実際に食べてみるとパンの美味しさを引き立てるためにこの具の量になったのだな、と感じさせられる納得のバランスです

現地のお店では、具の種類がさらに豊富ということで、気兼ねなく旅行ができるようになったら、ぜひ新幹線で福田パンにも訪れてみたいなあと思った次第でした。

新幹線を使った荷物輸送サービスが増えている

そういえば最近、物産展イベントで商品の輸送に新幹線を使っているという話を耳にしませんか?一体、どういった理由があるのでしょうか。 

2017年以降、JR東日本では各方面の新幹線を活用した荷物輸送の試みに取り組んできました。最近ではコロナ禍の影響で、旅客利用が減少したため、その動きも加速しています。車両の空きスペースを活用した「貨客混載」を行い、新たな収入源として期待されています

「のもの」イベント以外でも8月31日からJR東日本のエキナカ「NewDays」「NewDays KIOSK」で始まった「北海道フェア2021」では、北海道・東北新幹線が北海道伊達産のとうもろこしを東京に届けます。

催事だけではありません。JR東日本の物流子会社のジェイアール東日本物流は今年4月、これまでエキナカ販売に限定してきた新幹線による荷物輸送を、一般店舗にまで拡大すると発表。5月にはJR西日本も加わり、北陸新幹線による荷物輸送サービスの拡大も発表しました。北陸の鮮魚類を、金沢駅で北陸新幹線に積み込んで東京駅へ輸送し、街中の店舗に向けて配送。「イトーヨーカドー」各店や、鮮魚類小売店「魚力」の首都圏店舗へ配送を行うなど、グループ会社と力を合わせてその領域を広げています

のもの事業と合わせて、列車荷物輸送プロジェクトを担当する山本さんは「コロナ禍で地域に足を運ぶことが難しい現在、新幹線輸送を積極的に活用し、地域の魅力ある地域産品をスピーディーに運ぶことでお客さまへより付加価値の高いサービスをご提供していきたいです。現地でしか味わえなかった美味しさを首都圏の多くのお客様に体感していただけたら」と話します。

今後、地方のグルメを色々なところで食べることができる機会が増えそうです。あなたの普段通っているスーパーにもいつの間にか届けられているかもしれません。

※「さいち」のおはぎの販売は9月2、3、9、10日(販売予定時間は14時、場合によっては整理券の配布も)で、各日限定200個。福田パンは9月1、6、8、13、15、20、22日(販売予定時間は14時半)です。
いずれも天候や交通状況などで販売予定時間が異なる場合がありますのでご了承ください。

■のもの POP‐UP STORE
[出店場所]GINZA SIX B2Fフーズフロア 東京都中央区銀座6-10-1
[営業時間]10時半~20時(緊急事態宣言などにより変更の可能性があります)

撮影・文/山本孟毅

※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。

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