映画の冒頭に流れる荒波から浮かぶ「東映」のロゴ。あの“三角マーク”の焼き印が押されたマドレーヌがあるのをご存知でしょうか。東映社員のお遣い物だった焼菓子が一般の方でも買えるようになっているのです。ロゴの歴史とともに、その味に迫ります!
画像ギャラリー映画館で一度は見たであろう荒波から浮かぶ「東映」のロゴ。
これを見て思い浮かぶのは『仁義なき戦い』か『トラック野郎』か。はたまた『ドラゴンボール』か『ワンピース』か。そのイメージによって、世代の違いがわかるというもの。
そもそもこのロゴマークがどのようにして生まれたのか、東映さんに聞いてみました。
あの東映“三角マーク”に歴史あり
1951年4月1日、東京映画配給、東横映画、太泉映画の3社が合併して誕生したのが、東映株式会社。その中心となった東京映画配給が、これより前からすでに三角マークを使用していたことから、それを踏襲したと言われています。
会社のロゴなので、さまざまなところに三角マークが使用されています。新潟、湯沢、福岡にある東映ホテルでは、2014年まで客室に三角マークが散りばめられた浴衣が備えられていました。
現在その浴衣は、東映社員の福利厚生施設である「軽井沢東映山荘」にて使用されています。
2000年台には、学生時代に車夫サークルに所属していた社員が、三角マークの法被を制作。キャンペーンで来阪する俳優を出迎える際、社員が三角マークの法被を着るのを定石としていた時代がありました。
今は、新幹線ホームで目立ち過ぎる場合があることから、作品や俳優によって着たり着なかったりになっています。
2022年2月3日に行われた東映ラインナップ会見で、法被を着用して作品のPRに臨むプロデューサーもいました。また、退任する役員への御礼品として、特注で三角マークの法被を差し上げた例もあります。
と、ここまで話を聞いた情報だけでもあらゆるところで使用されている“三角マーク”。なんと、スイーツにも使用されています。
約10年、東映社員のお遣い物として愛される焼き印マドレーヌ
ときは2012年の秋。当時の東映東京撮影所の所長が「東映らしい手土産を作れないか」と考え相談をしたのが、東映東京撮影所のお膝元・大泉学園駅にある洋菓子店『西洋菓子おだふじ』。
お店の人気商品「和みのマドレーヌ」をベースに作った“東映マドレーヌ”は、取引先となるテレビ局や制作会社へのお中元、お歳暮、忘年会への手土産、コンサートや舞台観劇での差し入れとして重宝。
2022年2月3日に行われた東映ラインナップ発表会では、取材に来たマスコミへ配布されたほか、グループ会社会長のお別れの会の返礼品としても配られました。
企画部署では、主に撮影現場への差し入れに持っていくことが多く、最近では2022年6月17日に公開される映画『妖怪シェアハウス』の現場にも差し入れたそう。
約10年に渡り、東映社員のお遣い物として愛され、映画業界では知られた商品だったのが、2021年3月20日にテレビ東京の『出没!アド街ック天国』で取り上げられたことから「お店で売ってほしい!」の声が殺到。
その声に応えて2022年の元日から『おだふじ』の店頭で発売開始。半年で15000個を売り上げるヒット商品になっています。
それは気になるということで購入して実食! 「東映焼き印入り 和みのマドレーヌ」は、6個入り(1400円)と12個入り(2900円)があり、12個入りは風呂敷がかかり高級感が漂います。
食べてみたら、しっとりとした生地からバターがふわり。そして、中に入っている大粒の丹波黒豆がいいアクセント。素朴な味でペロリとたいらげてしまいました。
この「東映焼き印入り 和みのマドレーヌ」、2022年7月8日から映画館の「丸の内TOEI」、「渋谷TOEI」でも期間限定で販売が決定! 『おだふじ』では6個入り、12個入りの販売ですが、映画館では1個300円の個売りのみで展開。映画鑑賞のお供にどうぞ。
取材・撮影/編集部えびす
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