食で偲ぶアントニオ猪木さん、出身地・横浜の居酒屋『プロレス道場』で“猪木イズム”を語る

タバスコ、マテ茶…猪木さんが持ち込んだとされる2大食品 実業家としても活動していた猪木さん。1970年代に設立した「アントントレーディング」では、10代のとき約4年過ごしたブラジルの食料品や調味料を輸入した。有名なのがタ…

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巨星墜つー。10月1日、アントニオ猪木さんが79歳でこの世を去った。闘魂、勇気、元気……猪木さんは多くのものを与えてくれた。食に対してもそうだ。諸説あるが、タバスコやマテ茶を日本に持ち込んだことでも有名だ。そこで、猪木ど真ん中世代の「おとなの週末」ライター・カーツさとうと、編集部イチのプロレス好き編集・戎が、猪木さんの出身地・横浜にある『プロレス酒場』へ。食を絡めて猪木さんを偲んだ。

店内に流れる『炎のファイター』倍賞美津子歌唱バージョン!

戎「猪木さんを偲んで、献杯」

カーツ(以下、カ)「献杯……。本当に今回の訃報はショックでした。それにしてもよくおと週で猪木さんの企画が通ったね」

戎「はい。僕が悲しんでいたところに、編集の武内から『猪木さんの企画をやらないのか!』と言われたので、編集長のもとへ行き、ハサミで前髪を切りながら『記事を作らせてください!』と叫んだら、『やれんのか!』と闘魂注入されまして今に至ります」

カ「飛龍革命ならぬ戎革命が起きたわけですな。店内に流れているのって『炎のファイター』倍賞美津子さん歌唱バージョンじゃん!」

戎「へぇ、『いつも一緒に』。『炎のファイター』のB面なんですね。カーツさんは世代的に全盛期の猪木さんをリアルで見てるんですよね」

カ「そう!一番印象的な試合はやはりモハメド・アリ戦。翌日キオスクで全スポーツ紙買ったよ。戎さんの世代だと引退寸前では?」

戎「はい。僕が見始めたときはファイナル・カウントダウンでした。ちなみに生まれた年に、アントンハイセルで一悶着ありました(汗)」

カ「あぁ懐かしいなぁ。おや、メニューに『アントンハイセル』がありますよ。サトウキビのお酒だって。飲んでみよ」

猪木さんの壁画は著名な美大教授によるもの

注文すると、横井店長が「これを見ながら飲んでもらってるんです」と置いたのが『誰も未だ見ぬ猪木』というDVD。その中からTV で「アントンハイセルの全貌を公開」というのを流す。

カ「これを”つまみ”に飲むわけですか。ほぉ、なかなか牧歌的ですね」

戎「サトウキビを原料にしたバイオ燃料ですもんね。その映像を見せるとはシャレがきいてる。にしても、今でこそバイオ燃料の話題が上がることがありますけど、当時は早すぎたんですよね……」

カ「先見の明があるんだよなぁ。猪木さんって政治活動もそうですが、プロレスを超越した人でしたよね。それがまたロマンがあってかっこよかったんだよ〜。イノキーーー!!!(泣)」

戎「うぅ、最後はアレいきますか!いくぞー、1・2・3……」

ふたり「ダーッ!猪木さん、ありがとーっ!!」

タバスコ、マテ茶…猪木さんが持ち込んだとされる2大食品

実業家としても活動していた猪木さん。1970年代に設立した「アントントレーディング」では、10代のとき約4年過ごしたブラジルの食料品や調味料を輸入した。有名なのがタバスコ、マテ茶にスペアリブ。先見の明あり!

猪木さん が輸入したブラジルの食料品や調味料(写真はマテ茶)
猪木さん が輸入したブラジルの食料品や調味料(写真はタバスコ、スペアリブ)

猪木さんゆかりの食と酒たち

『アントンキューリ』

タバスコが延髄斬り的な刺激!

『プロレス道場』にある猪木さん絡みの料理のひとつ。自身の貿易会社が日本総代理店として売り出したタバスコを絡めたキュウリだ。

アントンキューリ

「あぁ、六本木にスペアリブの『アントンリブ』って店があったなぁ」(カーツ)

『アントン・ハイセル』

思い出のサトウキビをお酒で

’80年にブラジルで立ち上げた、サトウキビの搾りカスを使った環境プロジェクト「アントンハイセル」からインスパイアしたアルコールメニュー。

アントン・ハイセル

ブラジルの蒸留酒「カシャーサ」をロックで提供。「INOKI ISM STORE」グラスで飲む

『ENOKI BOM-BA-YE』

元気があればダジャレもできる

猪木さんの必殺技は延髄斬りや卍固めだけではない。ダジャレもなかなかの破壊力であった。

ENOKI BOM-BA-YE

訪朝時に「包丁一本〜♪」といった具合である。そんな猪木ゲノムを受け継ぐのがこちら。えのきバターのレモン添えダーッ!

ここで語った!『プロレス道場』

プロレス居酒屋&Dar(Bar)として21年。元々レンタルビデオ店を営んでいたことから、貴重な映像を多数揃える。

プロレス道場

店長の横井利男さんは猪木信者。訃報を受け失意のどん底にいたところ、連日全国からファンが集結。元気をもらっている。

プロレス道場

[住所]神奈川県横浜市南区六ッ川1-341 ベイシティムツカワ1階
[電話]045-713-9674
[営業時間]19時〜未定 ※要電話確認
[休日]不定休
[交通]京急線弘明寺駅2番出口から徒歩10分

アントニオ猪木
1943年2月20日、神奈川県生まれ。ブラジルで力道山にスカウトされ、60年日本プロレスに入門。同年9月にデビュー。72年に新日本プロレスを旗揚げし、プロレス黄金時代を築く。98年現役引退。89年には参院選に当選。国会議員としても活動した。2022年10月1日、死去。享年79。

取材・撮影/編集部

『おとなの週末』2022年12月号

※2022年12月号発売時点の情報です。

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