もうやんカレービーフ/もうやんカレー@西新宿ほか パーソナルトレーナー時代、究極の健康食を研究したら、スパイスや野菜がたっぷりのカレーだった、と語る「もうやんカレー」の辻智太郎社長。お店と同様、野菜や果実、にんにくやしょ…
画像ギャラリーおせちもいいけどカレーもね♪とつい懐かしいCMを口ずさんでしまう私は昭和のおんな。この度、とうとう目覚めちゃいましたよ。そうそうたる名店が本気を出しているというグルメレトルトカレーの世界に。コロナ禍をきっかけに「おうち需要」が高まり、自宅でも外食クオリティを約束する高級レトルト製品が好調だとか。なかでも行列ができるような、人気店のカレーはスパイス好きの間でも話題に。今や、レトルトカレーは安いから、簡単だから、という選択ではなく、とっておきの日のためのごちそうに。もう、おせちよりなによりカレーをね♪と歌いだしたくなるレベルなのだ。
えび出汁スープチキンカリー/奥芝商店@札幌ほか
令和のグルメレトルトカレーはすごい、と実感したのが、スープカレーの名店「奥芝商店」のカレー。先日、札幌出張の際、スープカレーを食べようとはりきったものの、あまりの行列に断念。ランチのピークを過ぎても、列が絶えない人気店が札幌の街には点在しており、えび出汁のカレーで有名な奥芝商店もそのひとつだ。北海道に行くと恋しくなる。今では東京にも出店しているとはいえ、気軽には食べられない。毎朝2000匹の甘海老からとるあの濃厚な出汁がどれほど再現されるのだろう、と期待を胸に手に取った。それにしても1食分で800円以上とはレトルト食品にしてはたじろぐ価格だ。
健康面と節約を考え、大きな土鍋でまとめて炊いた玄米と小豆を食べている。玄米とカレーとの相性はいい。今回も解凍した玄米にカレーをかけてみた。奥芝商店のレトルトカレーがえらいのは好みの辛さに味を調える辛味の素がついていること。半分入れるとお店の中辛に、全部で大辛の味になるという。海老の旨味もすごいが、ふりきった辛さにできるところがうれしい。あまりの刺激に万人にはすすめられないが、大辛はクセになる。チキンのかたまり肉はもちろん、ごろりとした人参、皮ごとのじゃがいもはレトルトの域を越えた迫力が。自宅でこれだけ再現できるのなら、この価格には納得だ。
ビーフルンダン/馬来風光美食@荻窪
逆にこんなに近くにありながらなかなか通えない名店が我が街、東京・荻窪にある「馬来風光美食(まらいふうこうびしょく)」。オーナーシェフであるエレンさんのマレーシア料理を目指してスパイス好きが全国から集まるが、席はたったの13席。それゆえ予約もとりづらい。ココナッツミルクやさまざまなスパイスで煮込んだビーフルンダンがレトルトになった時は地元でも話題になった。同じく、小豆玄米といっしょに食べてみた。これ…つまみです!ビールがとにかくすすむ。カルダモンなどのホールスパイスがざくざく。子供のげんこつサイズのかたまり肉には驚いた。化学調味料や小麦粉を使用していないので、実はヘルシー。スパイス効果か食べてすぐ、お腹がポカポカしてきた。
味の再現度は驚くほど高い。エレンさん、妥協しなかったんだろうな。彩りを考えてブロッコリーなんて添えてみたけれど、そんなの必要のないくらいのパンチのある一皿だった。名店のグルメレトルトカレーの世界…深い…!!
もうやんカレービーフ/もうやんカレー@西新宿ほか
パーソナルトレーナー時代、究極の健康食を研究したら、スパイスや野菜がたっぷりのカレーだった、と語る「もうやんカレー」の辻智太郎社長。お店と同様、野菜や果実、にんにくやしょうがなどが溶け込んでいるカレーを販売することに。小麦粉不使用のグルテンフリー、化学調味料不使用、増粘剤なども使わないヘルシーカレー。実はたびたびメーカーからレトルトにしようという話があったのだが、多くの野菜や果実を使っているためコストが見合わず、何度も見送られたそう。自社で手掛け、高級志向が定着した今だから実現できたレトルトカレーかもしれない。
早速、一番人気のビーフを試してみた。せっかくの健康食なので合わせるご飯も小豆玄米で。むむ。あの辛くて甘くてなんだか酸っぱくて、というなんとも独特な味は見事に再現。スパイスたっぷりなので食べているうちに胃が熱くなってくるようなあの感覚もお店と一緒。もともと野菜や果実は歯ごたえも感じないほど溶け込んでいるので、具はごろりとしたかたまり肉のみ。このビーフもほろほろ崩れるほど柔らかく、よく煮込まれている。
ただもうやんカレーの場合、じゃがいもやらうどんやらキャロットラべやら、ランチビュッフェの常識を超えたトッピングが名物だから、ピクルスを添えるくらいではさみしい印象。やはりお店でがっつり食べたほうがお得感、あり!と思いつつ、非常食として常備するには最適だ。育ち盛りの受験生への差し入れなんかにもいいかもしれない。
グリーンカレー/マンゴツリー@東京・丸の内など全国各地
2022年の冬に発売したばかりの「マンゴツリー」のグリーンカレーにも度肝を抜かれた。濃厚なカレーソースにも感動するが、筍やなす、チキンなどの具の量と質感がすごいのだ。筍はちょうどいい歯ごたえで、本当にこれ、レトルトなの? と二度見してしまう。そして本格的なタイ料理店ならではの、ひりつく辛さ。これは…!
最近、仲間と集まる家のみでの締めは缶詰めタイカレーに素麺が定番となりつつあるのだが、マンゴツリーではこのグリーンカレーと米麺クイッティオとのセット販売も企画。いつもの締めが名店の味にヴァージョンアップするではないか! これはうれしい。
ジャスミンライスなどを炊くのは大変だが、さっとゆがくだけの米麺ならば手軽で簡単。一人前100gは多くない? 残ったらサラダにでもするか、と思って一口サイズにくるくる巻いて少しずつ食べたのだが、つるんとしたのど越しに食が進み、完食。このままでも美味しいが、パクチーなどで彩りを添えるともっと華やかになるかも。それにしてもグリーンカレーとつるん麺、やっぱり合う! 新年会ホームパーティのご褒美締めはこのコンビにしよう。
文・写真/間庭典子
画像ギャラリー