「そうだ、温泉へ行こう」。予定を立てて行くのもいいけど、思い立ったらすぐに行きたいときもあるでしょう。今回、5つの県へおと週スタッフが思い思いのエリアへおでかけ。東京から1時間〜2時間で行ける「日帰り温泉旅」を満喫しまし…
画像ギャラリー「そうだ、温泉へ行こう」。予定を立てて行くのもいいけど、思い立ったらすぐに行きたいときもあるでしょう。今回、5つの県へおと週スタッフが思い思いのエリアへおでかけ。東京から1時間〜2時間で行ける「日帰り温泉旅」を満喫しました。長野に住む『おとなの週末』ライター松井が、善光寺参りと戸倉上山田温泉を楽しむルートを、埼玉在住の編集・戎にアテンド。戎も感動した、至極の湯とは?
『戸倉国民温泉』
昭和33年から続くディープな公衆浴場で極上の湯浴みを堪能
懐かしい番台式の受付やレトロな脱衣場、エモい浴室は、さながら昭和の銭湯のよう。こう見えて実は、浴槽はもちろん、カランやシャワーも完全放流式かけ流しという超贅沢な仕様で、温泉成分にまみれることができる。pH9.2を誇るアルカリ性単純温泉は驚くほど柔らかな肌ざわり。41~42℃とややぬるめなのでじっくり湯浴みでき、体の芯から温まる。地元の常連客がほとんどながら、「ゆっくりしていって」とアウェイ感は皆無。人の温もりもまた沁みる。
[住所]長野県千曲市戸倉2228-2
[電話]026-275-0457
[営業時間]8時半~22時(21時半最終受付)
[休日]不定休(第1火が多い ※詳細はHP参照)
[交通]しなの鉄道戸倉駅から徒歩約15分、上信越道更埴ICから車で約20分
『さらしなの月うさぎ』
名湯をひとり占め!全室完全個室型の日帰り温泉
上山田温泉の温泉宿『圓まるさんそう山荘』が手掛ける貸切の日帰り温泉。脱衣場も浴室も完全個室なので、名湯を独占できる。ほのかに硫黄が香る源泉かけ流し100%の湯は、日によって透明になったり、グリーンがかったり、白濁したりと七変化。肌がツルツルになると評判で、美肌効果をもたらしてくれる。さらにうれしいのが、そのお値段。1部屋単位での支払いなので、2000円台の部屋を4人で使えば、1人あたり1時間500円台で貸し切ることも。本当にいいの!?
[住所]長野県千曲市上山田温泉2-9-6
[電話]026-275-6777
[営業時間]8時~21時(20時最終受付)
[休日]月10時~火15時(月が祝の場合は翌休)
[交通]しなの鉄道戸倉駅から車で約10分、上信越道更埴ICから車で約20分 ※隣接の『圓山荘』で受付
【湯の前はココへ】
『小川の庄 おやき村 大門店』
囲炉裏火で丁寧に焼き上げる昔ながらのおやきは、カリッとした食感とピザ生地にも似た香ばしさが魅力。定番はシャキシャキとした歯ざわりの「野沢菜」と塩気を効かせた甘さ控えめの「あずき」の2種類で、さらに季節の味がひとつ加わる。
焼きおやき(あずき、うの花(季節限定)、野沢菜) 各250円
[住所]長野県長野市大門町53
[電話]026-232-5786
[営業時間]9時~17時(いろりは10時~14時)
[休日]水
[交通]JR北陸新幹線ほか長野駅善光寺口からバス花の小路停留所下車、徒歩1分、上信越道長野ICから車で約30分
『北野家本店』
石臼で丁寧に碾いた地粉を上品な細切り蕎麦に。特に、戸隠・信濃町産のそば粉を使った限定10食の「十割そば」は風味が良く、岩塩で食べると蕎麦の甘みが一層際立つ。ツユは2種類の熟成カツオ節の旨みを効かせたやさしい味わい。
十割そば 1500円
[住所]長野県長野市東之門町393
[電話]026-232-2492
[営業時間]11時~15時、17時半〜20時半LO
[休日]火
[交通]JR北陸新幹線ほか長野駅善光寺口からバス善光寺大門停留所下車、徒歩6分、上信越道長野ICから車で約30分
『善光寺』
「遠くとも一度は詣れ善光寺」と謳われ、古くから多くの信仰を集めてきた名刹。約1400年前の開山当初はまだ宗派が生まれる前だったため、実はどこの宗派にも属しておらず、誰でもお参りができる寺として広く門戸を開いてきた。数え年で7年に一度行われる「御開帳」が有名で、本堂は国宝に指定されている。今にも脈打ちそうな血管や隆々とした筋肉が素晴らしい仁王像は、高村光雲と弟子の米原雲海の合作。素通りするなんてもったいない!
[住所]長野県長野市長野元善町491-イ
[電話]026-234-3591
[営業時間]終日開放 ※本堂の拝観時間は時期により異なる
[休日]無休
[交通]JR北陸新幹線ほか長野駅善光寺口からバス善光寺大門停留所下車、徒歩約5分、上信越道長野ICから車で約30分
50本以上の源泉が湧く湯量豊富な温泉街を往く
『善光寺』参詣の前に紹介したいのが、門前にある『小川の庄 おやき村 大門店』の囲炉裏火で焼くおやき。特徴はパリッと香ばしい薄皮生地で、“もちもち”や“ふっくら”といった、蒸すタイプのそれとは一線を画す。私の推しは定番の「あずき」。粒の立った小豆は、ほんのり塩気が効いた上品な味で、普段はあんこに食指が動かないという人でも、きっと夢中になって食べてしまうはずだ。
戎「生地だけでなく、どの具もめちゃくちゃ旨いですね。いやあ、これは食べる価値あり。土産に買って帰ります!」
小腹も満たされたところで、その足で善光寺へ。躍動感あふれる仁王像や、かつて本堂があった場所に安置されている仲見世通りの延命地蔵、5羽のハトと牛の顔が隠されている山号額、登楼することもできる高さ約20mの山門、「御開帳」で使われた歴代の回向柱などなど、境内の見どころをぐるりと見て回った。
松「毎日早朝に行われている法要『お朝事』も、いつか参拝してみるといいですよ。荘厳な雰囲気に圧倒されます」
食事は、明治33(1900)年創業の老舗そば店『北野家本店』で、お目当ての「十割そば」を注文。老舗ならではの洗練された極細の蕎麦で、蕎麦の甘みとやさしい香りを楽しめる。
戎「ダシ感を押し出したツユが、華やかな蕎麦の風味を引き立てています」
さて、長野市から戸倉上山田温泉(千曲市)に場所を移し、いよいよ湯めぐりを開始。ここはもともと善光寺参りの精進落としの湯としてにぎわった場所で、千曲川左岸の戸倉上山田温泉、右岸の新戸倉温泉から成る信州きっての温泉郷だ。狭いエリアに50本以上もの源泉が湧き、界隈には温泉宿や日帰り温泉が点在するが、温度や泉質は絶妙に異なるので、お湯の違いを楽しんでみるのも面白い。
『戸倉国民温泉』は、知る人ぞ知る公衆浴場で、レトロな雰囲気に誘われてふらりと立ち寄って以来、私はすっかりこの素晴らしいお湯の虜になっている。聞けば、敢えて湯船を小さめにすることでじゃんじゃんお湯を入れ替え、温泉の質をキープしているのだとか。「騙されたと思って!」と、半ば強引に入浴を促した戎も、出てきた頃にはえびす顔。
戎「入ってよかった!熱すぎないのでずっと浸かっていられるし、お湯も柔らかくて最高。ぽかぽかになりました」
対する『さらしなの月うさぎ』は、界隈初となる貸切型の日帰り温泉。温泉宿さながらの優雅な空間を独占できるとは、なんたる幸せ。隣の『圓山荘』にも宿泊できるので、いっそ泊まってしまうのもありかも。はあ、極楽。極楽也!
撮影/西崎進也、取材/松井さおり
※2023年6月号発売時点の情報です。
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