抜き打ちチェック!チェーン店6軒の“冷やし麺”の実力は?

担々麺『大阪王将』 味覚中枢を刺激するどろっと濃厚ゴマ 知らない人はまずいない餃子の大阪王将チェーンが期間限定メニューで提供する「胡麻どろ冷し担担麺」。「胡麻」ときて「どろ」というネーミングの時点で、この手のタイプが好き…

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『冷やし中華はじめました』の季節到来。しかし冷やし中華がはじまると同時に冷やし中華以外の冷やし麺たちも全国一斉で『はじまってました』!チェーン飲食店も季節限定ではじめてました、そんなチェーンの個性あふれる冷やし麺がコレだ!!

うどん『なか卯』

すだちの香りに鶏天の旨み羽ばたく

京風うどんのこのチェーン。店頭看板でも告知されてる「すだちおろしうどん」に鶏天が加わった品があると知り、そちらをオーダー。すだちをみずから搾ってうどんにかけてズルッとたぐれば、柑橘類独特の香りと酸味がスッキリしたタレに合わさり、シンプルに味わえる清涼感。

鶏天すだちおろしうどん 630円(並)

『なか卯』鶏天すだちおろしうどん 630円(並)

店内で揚げた鶏天は別添えなので、こちらも軽くすだちをかけ、箸休めのつもりで頬張ったところ、箸安めどころか、むしろ「箸進め」!! うどんのサッパリと鶏天のコッテリのハーモニーに胃袋狂喜乱舞。

『なか卯』飯田橋東口店で実食

蕎麦『いろり庵きらく』

タコの渋み際立たせる万願寺の甘みに感涙

JR構内などでよく見かけるこのチェーンの限定は、なんとかき揚げの具が真ダコと万願寺とうがらし!これはセルフ店としては、破格といっていい高級感、かつグッとくる組み合わせ。揚げ置きなのにサクッと感残るかき揚げの中の真ダコは、噛めばしっかり真ダコ。

蛸と万願寺とうがらしのかき揚げ冷しそば 620円

『いろり庵きらく』蛸と万願寺とうがらしのかき揚げ冷しそば 620円

旬の万願寺とうがらしのイイ意味での青さを感じる甘み。最後の方は、少し下品なんだけど、それが実はたまらない崩れたかき揚げ、冷えた蕎麦と汁が三位一体にグズグズになったヤツをすする快感!(7月31日まで)

『いろり庵きらく』目黒店で実食

冷麺『熱烈中華食堂 日高屋』

専門店警戒レベル 中華屋の韓国冷麺

日高屋といえば、お手頃中華チェーンの筆頭。その中華チェーンが韓国料理の冷麺を期間限定で提供中。もしや冷麺といいつつ中華料理風では?と邪推していたが、これが見事に冷麺。

冷麺 640円

『熱烈中華食堂 日高屋』冷麺 640円

半島の冷麺よりも、盛岡冷麺を彷彿とさせる太めの麺は、月並みな表現ながら抜群のツルツルシコシコ。牛ダシ効いたスープもグイグイいけ、そこに好みで卓上の酢を足せば、さらに飲み干したくなる。単品メニューでも提供しているトッピングされた白菜キムチがまた旨いんだよなァ〜。

『熱烈中華食堂 日高屋』新丸子東口店で実食

担々麺『大阪王将』

味覚中枢を刺激するどろっと濃厚ゴマ

知らない人はまずいない餃子の大阪王将チェーンが期間限定メニューで提供する「胡麻どろ冷し担担麺」。「胡麻」ときて「どろ」というネーミングの時点で、この手のタイプが好きな人は、早くもヨダレ垂れそうな事態である。

胡麻どろ冷し担担麺 870円

『大阪王将』胡麻どろ冷し担担麺 870円

その期待のヨダレを裏切らないゴマが大量含有され「どろっ」としたスープ。そのスープを肉味噌、キュウリ、もやしナムル、それに砕かれたピーナッツもろとも冷えた麺と混ぜてズルズルッとすする。そんなの旨いに決まってるじゃん(8月31日まで)。

『大阪王将』菊名店で実食

ちゃんぽん『リンガーハット』

長崎ちゃんぽんを全国に知らしめたといっていい『リンガーハット』。ここ数年定番の夏の限定メニューが「冷やしちゃんぽん麻婆茄子」。ちゃんぽんならではの極太麺が冷やされた時のパンチあるのど越し。

冷やしちゃんぽん麻婆茄子 890円(東京23区・沖縄・北海道は940円)

『リンガーハット』冷やしちゃんぽん麻婆茄子 890円(東京23区・沖縄・北海道は940円)

それだけで、スープや具は何を組み合わせても旨そうなもんだが、具に麻婆茄子という無敵感。別添えの「ファージャオオイル」……漢字で書けば「花椒油」を好みでかければ、独特の香り(極度のビリビリ感はないので安心を)で、さらに食欲増進!(9月下旬終了予定)

『リンガーハット』グランツリー武蔵小杉店で実食

パスタ『ジョリーパスタ』

豪華魚介ド〜ン!もはや龍宮城超え!

夏ともなれば、多くのファミレスが季節限定の冷製パスタを提供中と思いきや、取材時の6月後半でも、やっているのはこの『ジョリーパスタ』だけ。手間が掛かるのかな〜。そんな手間を惜しまないジョリーパスタに敬礼。そして実際テーブルに届いた皿に、おもわず再敬礼!

“冷製カッペリーニ”贅沢うにと海の幸のクリームソース 1749円

『ジョリーパスタ』“冷製カッペリーニ”贅沢うにと海の幸のクリームソース 1749円

ウニ、カニ、ホタテ、小エビ、大エビ、イカにムール貝。もうパスタの上に載った魚介だけで白ワインいける。実際いった、もう最高。そしてウニ溶けるクリームスープが絡むカッペリーニ。極限に最高でした。

『ジョリーパスタ』武蔵小杉店で実食

【百花繚乱冷やし麺に日本の食の凄み知る】

チェーン系の季節限定冷やし麺。敢えて冷やし中華を外しました。だって、チェーン系といえば、全メニューがブレのない安定の味。そこが提供する夏の大定番・冷やし中華ともなれは、わざわざ食べにいかなくとも、間違いのないスタンダードな味は約束されたようなもの。

どうせならそれよりも、ちょっと冒険したような、チャレンジャー魂あふれる冷やし麺を食べてみたい。そしてその夏にピッタリな旨さをお伝えしたいというのが我が『おとなの週末』じゃないですか。

まずは日本の麺といえば、うどんと蕎麦、その冷やし!「うどんと蕎麦は、夏じゃなくとも『冷やし』がありじゃん」というご意見もごもっとも。ではありますが、夏でこそ、その良さが引き立つ清涼感あふれる食材、旬の食材を使った冷やし麺を提供してくれているのだ。

それが『なか卯』のすだち。そして『いろり庵きらく』の万願寺とうがらし。これらの冷やし麺を食べることで、旬を感じられる。いや〜廉価が売りのこういったチェーン系のお店で「旬」や「季節」を肌で感じられるというのはスゴい。日本の飲食業界の、しいては食文化のすそ野の広さを再認識した。

そして『日高屋』の冷麺にもやられた。大きなお世話だけど、大定番の冷やし中華だけでもいいじゃないって思うもん。それにあきたらず韓国料理の冷麺……ザ・チャレンジャー!『大阪王将』『リンガーハット』は、得意な分野の麺類を夏の暑さをブッ飛ばすような食欲増進型冷やし麺としてさらに進化させたスタイルといえばいいでしょうか。

そして最後に控えし『ジョリーパスタ』の冷製カッペリーニ!この豪華レベルは1年中やっていただきたい。あまりの感動に、食べた直後、『おとなの週末』編集の戎さんに「ジョリーパスタの冷やし麺、最高でした」ってライン送ったもん。旬に冒険、そして進化に感動の豪華。チェーン系の季節限定冷やし麺は、種類も多彩なら、心に響く要素も多種多彩。日本の冷やし麺、バンザイ!!

※販売終了時期は、HPに記載されているものです。最新の情報については店頭やHP、SNS等でご確認ください。

取材・撮影/カーツさとう

2023年8月号

※2023年8月号発売時点の情報です。

※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。

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