ティモンディ前田裕太の“おとな”入門

「独善的な考え方」が原因?ティモンディ前田裕太が考える”蛙化現象”

ティモンディ前田裕太

「目指せ、理想の大人」をメインテーマに掲げて始まった、「ティモンディ前田裕太の“おとな”入門」。自身の経験や見聞きしたエピソードから思考を広げてきた「コラム形式」から、次のステップへと進みます!その内容は、「お悩み相談」…

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「目指せ、理想の大人」をメインテーマに掲げて始まった、「ティモンディ前田裕太の“おとな”入門」。自身の経験や見聞きしたエピソードから思考を広げてきた「コラム形式」から、次のステップへと進みます!
その内容は、「お悩み相談」です。これまで約1年半のコラム連載を通して、食・あそび・勉強・旅…と、様々なテーマで「(理想の)大人とは?」について考え、目指してきた (そしてこれからも目指していく)前田さん。その経験を生かした視点で、皆さんから寄せられたお悩み相談に答えていきますよ◎
第8回の今回は、いわゆる「蛙化現象」についてのお悩みです。

[今回のお悩み]

「自分も気になっていたのに、相手の好意を感じると冷めてしまいます」

気になる人ができて、連絡をとりあうようになるのですが、せっかく少しずつ仲良くなっていい感じになっても、相手の好意を感じると急に冷めてしまう自分がいます。

信頼できるパートナーがいたらなぁと思うのですが、わたし自身に問題を感じてしまい、どうしたらいいのかなということを相談したいです。

よろしくお願い致します。

(北海道 40代女性 会社員)

恋心が冷めてしまう理由は十人十色

巷で噂の蛙化現象といわれるやつですかね。

相談者の方は、自分が相手に好意を持っている状態で、相手から好意を寄せられた途端に気持ちが離れてしまうと言っていますが、一体それの何が問題だというのでしょうか。話を聞いている限り、何も悪いとは思いません。心が離れてしまったのであれば、それでも尚その人との関係を模索して無理に付き合う必要もない。

もし、相談者の方が自分の気持ちが冷めてしまう原因に思い当たる節があるのであれば、別にそのままの自分でもいいと開き直ってもいいのではないでしょうか。もう自身の問題を抱えたまま、生きていくことだって出来る訳です。

相手に冷めてしまう理由は十人十色で、単に、相手の些細な言動や行動から、相手に幻滅してしまうから心が離れてしまうこともあるでしょう。

人の心が離れてしまう原因で「その理由で心が離れてしまってはダメだ」だなんて他人から断罪されるようなものなんてない。

気になったら一緒にいたらいいし、好きなら付き合ったらいいし、気持ちが離れたなら別れたらいいと思う。

もし相談者の方が、自分に好意を持たれると冷めてしまうのであれば、ずっと振り向いてくれない追い続ける恋愛をしていれば、楽しく過ごせるんじゃないでしょうかね。

それか、その自分の感性を上回る、好意を持たれても冷めない例外的な存在との出会いに賭けるのも手でしょう。

つまり、自分に問題があるのだとしたら、自分を変えるよりも、その問題のある自分に合う人間を探すのはどうでしょうか。

自分の心の問題を直視して、それを変えていくことは大変なことで、だったらその問題が問題にならない相手を探す方が時間はかかるかもしれないけれど楽だと思うんです。

何百人と出会っていれば、どんな人間だって合うと思う人に出会えるはずですから。

自分にとって「幸せな恋愛」とは?

なんだか投げやりな回答だと思われてしまいそうなので、いくつか加筆したいと思う。

結局、恋愛に関する悩みって、相談者が幸せを何と捉えているかによって答えって変わると思うんですよね。

まず、どんな相手とどんな恋愛をしたい、するのが自分の幸せだ、と思うのか。今の自分の求めている相手はどんな人なのか、今一度自分の理想と現実のすり合わせをしないといけない。

自分のことを一番理解しようと努めるべきなのは自分ですからね。

例えば、恋愛は“相手からの好意をもらうまでのゲーム”と捉えているから冷めてしまうタイプの人もいる。

相手から好意が向いた時点でゲームクリアな訳で、そんな人は、振り向いてもらった後に冷めてしまうのも必然。追いかけて振り向いてもらえて、それでもう幸せだと思うんです。

自分の幸せがそこにあるのだ、と思うのであれば、何も悩むことはない。そういう人なのであれば、気が済むまでそういう恋愛を繰り返して楽しんでいればいいと思う。

こればっかりは、原因は十人十色だから、貴方はこれが原因だ!と言い切れないのも申し訳なけれど、まずは幸せの答えは自分で見つけなければならないのだ。

そのうえで、望む幸せに対して自身の問題を解消しなければならない、と思うのであれば、自分自身でその原因を見つけなければならない。

そして、その原因を解消していかなければならない。

その気があるならば、ですが。

相手は自分のどこを好きになってくれたのかを知ろう

では、どういう部分が原因になりえるだろうか。

蛙化現象の理由はいくつもパターンがあるので、相談者がどれに該当して、どうすれば解決するのか正直、判断しかねます。

ただ、蛙化現象というものに対して思うのは、厳しい言い方になるかもしれませんが、相手のことを決めつけてしまう独善的な面があるのでは、ということです。その独善的な心の動きをどうにかしなければ、変わることは難しい。

恋愛なんて相手がいて、その二人の間で関係を築いていくものだというのに、独りよがりが過ぎる結果、蛙化現象になると思うんです。

例えば、自己評価の低い人間なのであれば「私に対して好意を持つ人間だということは、この人はつまらない人間だ」とガッカリして冷めてしまうパターンがある。

他にも、些細なことで幻滅してしまう人も、何故その人がその言葉を口にしたのか、行動をしたのか、理解をしようとしないまま、勝手に自分の思う相手の理想像を裏切ってきたから冷める、というようなパターンもある。

加えて、他人が好意を寄せてくれたのに、自分が相手の好意を理解できないから冷めてしまう人もいる。

でも、だいたいの場合、その相手からの好意の内訳や内容をきちんと聞いて相手を理解しようともせずに見切りをつけてしまっているのですよ。

独善的に。相手の意見も聞かずに。

自分ではたいした価値もないと思う自身の部分に対して価値を見出して好意を持ってくれている人もいるというのに。

そんな人間はどうしたらいいのか。

具体的な方法を言わせてもらうと、まずは、好意を寄せてくれた人の、好意を持ってくれているポイントを直接聞いてみるのがいいかもしれません。

そして、その意見をまずは、理解できなくとも、相手の好意とその理由を尊重する気持ちを持って、許容してみるところからやってみたらいい。十人十色、カレーライスが嫌いな人間がいれば、臭豆腐が大好きな人間がいるのだ。

相手の好意を理解しようとする。そして、理解できなくとも、相手の意見を、感性を認める。

もしも、好意を持たれて貴方が冷めてしまい、その人との関係が終わってしまったとしても、貴方の人生は続く訳ですから。

自身の変化のために、相手に協力してもらって話を聞きましょう。

どういうことかというと、蛙化現象の理由の1つとして自己肯定感の低さが挙げられるんですよ。だから、自己肯定感を上げる必要があるんです。

自分自身が自分のことを肯定してあげられないのであれば、好意を寄せてくれる人の、好意を持ってくれている部分を、間接的にでも認めてあげることができるようになれば、好意を持たれても、それだけで冷めてしまうことは少なくなる。

だから、好きだと思ってくれている部分を聞いて、その意見を認めて、間接的に自分を肯定してあげましょう。それを繰り返していけば、蛙からようやく健全な恋愛ができるようになるかもしれません。

大人になってから自分の性格を、心の動きを修正していくのは難しい。

それでも、自分の幸せを願い、それに変化が必要なのであれば、他者に協力を仰ぎながら自身の心と向き合っていかねばならない。

担当編集者からのひとこと

今回のお悩みを読んで、私も中学生の頃、似た状況で悩んでいたことを思い出しました。昨日まで仲良しだったのに、好きだと言われた瞬間に、その男の子が気持ち悪くなってしまうなんて悲しすぎる…と悩んだ当時の私は、母に相談しました。

私の話を聞いた母は、左右の手の人差し指を私と相手に見立てながら、こんな話をしてくれました。

「あなたはその男の子とこれくらいの距離で仲良くしたいと思っているのに、向こうがぐっと近づいてきたら、本来望んでいる距離まで遠ざかろうとするでしょ、その“遠ざかろうと引いた距離”が、“嫌悪感”と言えるんじゃない?」

これが心理学的に正しいのかはさておき、中学生の私は、目から鱗。それ以降同じような経験をしても、「残念だけど、相手と自分では、望む距離感が違ったんだな」と納得できるようになりました。

ちなみに、前田さんの回答にも出てくる「蛙化現象」。改めて調べたところ、本来は「片思いから両思いになった瞬間、相手に嫌悪感を抱いてしまうこと」を意味していましたが、最近の若い世代の間では、「些細なことがきっかけで好意が冷めてしまうこと」を指すそうです。

また、今年5月にZ総研が行った「Z総研2023年上半期トレンドランキング」の調査では「流行った言葉」部門で「蛙化現象」が1位となっており(※)、若い世代の間では一般的に使われているようです。
※出典:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000081.000020799.html

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前田裕太(まえだ ゆうた)
1992年8月25日生まれ、神奈川県出身。愛媛県の名門、済美高校野球部の同期である高岸宏行とのお笑いコンビ「ティモンディ」のツッコミ担当。趣味はサッカー観戦、読書。テレビ番組で画力を披露したり、複数メディアでコラムを執筆するなど、マルチな活動で注目を浴びている。

ティモンディ
高岸宏行・前田裕太によるお笑いコンビ。コンビ結成は2015年、グレープカンパニー所属。高岸のポジティブなキャラクターや、二人の野球経験と身体能力などがバラエティ番組で引っ張りだこに。コンビの野球経験をいかしたYouTubeチャンネル『ティモンディチャンネル』の登録者数は約28万人。

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