美味しい食用ぎくの選び方 色が鮮やかなものを選ぶことが大前提です。花托が変色しておらず、花びらにはハリがあってしおれがなく、先端までシャキッとしているものを選びましょう。また、「もってのほか」のような花びらが筒状に丸まっ…
画像ギャラリー旬の食材は食べて美味しいだけではなく、栄養もたっぷり。本コーナーでは魚や野菜、果物など旬食材の魅力をご紹介します。
さて、今回のテーマとなる食材は?
文/おと週Web編集部、画像/写真AC
■クイズの答えは……
正解:食用ぎく
難易度:★★★☆☆
花食文化の象徴的な花
1980年代、食べられる花=「エディブルフラワー」がブームになったことがありました。花が主役のレシピが珍しいと感じた人も多かったようですが、実は、花を食べる「花食文化」は古くから日本に定着していたものでした。たとえば、桜の花、ふきのとう、菜の花など、日本人は古くからさまざまな花を食してきました。
その花食文化の代表ともいえるのが、食用ぎくです。
スーパーでもよく見かける食用ぎく。年間を通して流通していますが、収穫量がもっとも多くなるのは10月頃~11月頃です。ただし、近年では品種改良が進みさまざまな品種があることから、旬の時期もさまざまとなっています。
食用ぎくとひとくくりにされていますが、厳密には、刺身のつまにする品種は「つまぎく」、おひたしなどにして食べる品種は「食用ぎく」と呼ばれています。
「つまぎく」は小輪で黄色の花で、苦味が強めというイメージを持つ人が多いかもしれませんが、苦味が強いのは花托という緑色の部分で、花弁(花びら)は苦味が少なく食べることができます。
「食用ぎく」は、つまぎくよりも苦味が少なく、花びらも大きく、まとまった量を食べるのに適しています。 また、黄色だけではなく、紫色や黄金色のものなどの品種もあります。
食用ぎくの生産量のトップは山形県で、県内では旬の時期にはスーパーなどでも花の部分だけを摘んだものが袋詰めにされて販売されているのも珍しいことではありません。農林水産省の「うちの郷土料理」でも、「食用ぎくのおひたし」は山形県の郷土料理として認定されています。
また、山形県の伝統野菜とされている食用ぎくの品種である「もってのほか」は、花びらの色が淡紫色、紫紅色、黄色で、形状は筒状で、シャキシャキした食感が楽しめ、さらに甘さとほろ苦さのバランスが絶妙な品種です。
おひたしのほかに甘酢漬け、くるみ和え、炊き込みご飯、天ぷらなど、さまざまな料理に活用できます。
また、花びらを日干して乾燥させた菊花茶には高い薬効があるといわれています。
美味しい食用ぎくの選び方
色が鮮やかなものを選ぶことが大前提です。花托が変色しておらず、花びらにはハリがあってしおれがなく、先端までシャキッとしているものを選びましょう。また、「もってのほか」のような花びらが筒状に丸まっている品種のもののほうがシャキシャキとした食感が強くなります。
ただし、筒状にならない品種もあります。筒状になっていないものの場合は、花びらが肉厚のものを選びましょう。
食用ぎくの注目栄養素
日本では古くから生薬としても利用されてきました。注目したいのは、抗酸化力の強い成分の宝庫であることです。
まずあげられるのは、ビタミンC、ビタミンEの豊富さです。さらにアントシアニン、フラボノイド、クロロゲン酸などのポリフェノール類も多く含まれています。
こういったことから、食用ぎくはアンチエイジングに非常に有用な食品といえます。
ほかにも、菊の花から発見された菊花ポリフェノールは尿酸バランスを整え、痛風予防が期待できる成分といわれています。