うな重の松・竹・梅の違い、分かりますか?

「入谷鬼子母神門前のだや」の「幻の鰻 共水(きょうすい)」

2024年の夏は「土用の丑の日」が2回あります。一の丑が7月24日(水)、ニの丑が8月5日(月)。このため、例年以上にうなぎへの関心が高まりそうです。分かっていそうで意外に知られていないうなぎの知識を、うなぎガイドの決定版『読めばもっとおいしくなる うなぎ大全』(高城久著、講談社刊)から、ご紹介します。うな重の松(まつ)・竹(たけ)・梅(うめ)の違いとは?

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2024年の夏は「土用の丑の日」が2回あります。一の丑が7月24日(水)、ニの丑が8月5日(月)。このため、例年以上にうなぎへの関心が高まりそうです。分かっていそうで意外に知られていないうなぎの知識を、うなぎガイドの決定版『読めばもっとおいしくなる うなぎ大全』(高城久著、講談社刊)から、ご紹介します。うな重の松(まつ)・竹(たけ)・梅(うめ)の違いとは?

うな重の値段の違いは…

うなぎ屋でメニューを見て、松・竹・梅とか特上・上・並とかどれを頼もうかと迷ったことはありませんか。悩んだ挙句「今日は特別だから奮発して一番高いのを頼もう」という人もいれば、「真ん中が無難だから竹にしよう」という人、ちょっぴり見栄を張って「並じゃ恥ずかしいから上にしよう」なんて決めている人もいることでしょう。

ではそのお悩み、一言で解決しましょう。どれだけうなぎを食べたいか、で決めてください。何故ならば、ほとんどのうなぎ屋ではうな重の値段の違いは蒲焼の量の違いだからです。

どのくらいの量かわかないですって!?

そうですね。写真がないこともありますからね。その時は店の方に聞きましょう。丁寧に教えてくれるはずです。

もし想像以上に量が多かった場合は、余った分はお持ち帰りにできるか相談しましょう。

お持ち帰りにしたうな重は、うなぎのエキスやたれがご飯にしみて、できたてとはまた違った味わいが楽しめます。

「鰻 北白川」の鰻重「梅」

通常、価格の高いものから松・竹・梅の順番で表されますが、「鰻 北白川」(東京都千代田区永田町)の「鰻重」は、価格が高いものを「梅」、価格がお手頃のものを「松」と記載しています。「誰かにごちそうするときに格好がつくように」というお店のちょっとした計らいです。

「鰻 北白川」のお持ち帰り「鰻重」。たれの染みたご飯は実に美味!

量だけでなく、質の違ううなぎを提供「ブランドうなぎ」

中には、量の違いだけでなく、質の違ううなぎを使っている店もあります。質の違ううなぎとは、天然うなぎやブランドうなぎです。そういう場合はお値段も通常のうな重より高めですからメニューを見れば一目瞭然です。

ブランドうなぎとは、飼育環境や餌を研究して育てられた特別なうなぎです。東京都内でブランドうなぎが食べられる店といえば、「入谷鬼子母神門前のだや」(東京都台東区下谷)。その日の入荷次第ではあるものの、「幻の鰻 共水(きょうすい)」「匠の鰻 兼光(かねみつ)」「日向鰻 和匠(わしょう)」「葵(あおい)うなぎ」など常時何種類か用意されています。

歴史ある有名ブランドうなぎの一つ、静岡県焼津市にある養鰻場共水の「共水」。1年半から2年かけて育てるため、うま味とパワーが感じられる=「入谷鬼子母神門前のだや」

ブランドうなぎという概念は15~16年前からあり、背景には、資源の問題が大きく関わっています。良質なうなぎを年間通して安定して供給するため、また、大きく育てて1匹から2人前とって大事に使う、といった目的もあります。

愛知県の新しいブランドうなぎ「葵うなぎ」。餌に混ぜた大豆イソフラボンの効果でふっくらやさしい味=「入谷鬼子母神門前のだや」

「鰻 北白川」
[住所]東京都千代田区永田町1-11-28 合人社東京永田町ビル 1F
[電話]03-6206-7476
[営業時間]11時~21時半LO20時[休日]不定休
[交通]地下鉄半蔵門線・有楽町線・南北線永田駅3番出口からすぐ
https://unakita.jp
※2024年7月25日~8月4日の「丑の間」と8月6日~18日の「丑の後」は鰻重、せいろ蒸しのいずれか2点を注文の方に白焼半身を提供

「鰻 北白川」

「入谷鬼子母神門前のだや」
[住所]東京都台東区下谷2‐3‐1
[電話]03-3872-0517
[営業時間]11:00~13:30(L.O.)17:30~19:00(L.O.)(売切れ仕舞いあり)
[休日]月曜、祝日の場合は翌火曜
[交通]地下鉄日比谷線入谷駅2番出口から徒歩1分 JR山手線・京浜東北線鶯谷駅から徒歩5分
http://www.at-ml.jp/67764
※川魚専門の料理人の団体「野田屋東庖会(とうほうかい)」の代表が店主を務める「のだや」。常時数種類のブランドうなぎが食べられる

「入谷鬼子母神門前のだや」
うなぎガイド決定版!あらゆる角度からうなぎを解説した、高城久・著『読めばもっとおいしくなる うなぎ大全』(1650円)は講談社より好評発売中!
著者の高城久さん

高城久(たかしろ・ひさし)
うなぎ愛好家。己書家(おのれしょか)。1962年、東京都生まれ。千葉県柏市で、「柏長生館高城整復院」を営む傍ら、うなぎ好きが高じて2004年から、うなぎ屋さん応援サイト「うなぎ大好きドットコム」を運営。夏のうなぎシーズンには、テレビやラジオの出演や雑誌などの原稿依頼を多数こなす。TBS系人気番組『マツコの知らない世界』に異例の2回出演。名古屋のうなぎ専門店「炭焼きの店 うな豊」で見た「うなぎ昇り」の己書(自分の思うままに筆を走らせて表現する「書」)に魅せられ、師範を取得。うなぎと己書で笑顔を広めるため活動中。
「うなぎ大好きドットコム」https://unagi-daisuki.com/
「都道府県別うなぎ屋さんレポート」https://unagi-daisuki.com/eelshop_prefecture
「うなぎ大好きチャンネル」https://www.youtube.com/@eellove

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