恵比寿「手打 親鶏中華そば 綾川」 店主の故郷、香川県綾川町に根付く“手打ちうどん”と“親鶏”の食文化を融合させ、ラーメンに昇華。「本場の讃岐うどんと同様、打ち立ての麺を提供したい」と店で麺を青竹打ちしている。 それも、…
画像ギャラリーより味わい深く。麺にもこだわりを目一杯練り込んで。そんな進化系がある一方で、昔ながらのしみじみ旨い一杯を提供する店も健在。ラーメン界はさらに多様化しています。今回は余韻よし、後味よしという、毎日でも食べたい一杯を集めました。
浜松町「MENクライ」
かつて、こんな麺があっただろうか。稀少なもち小麦「もち姫」でつくる超極太麺の表面は、雑煮の餅のように“ふわもち、ちゅるん”とした食感。それでいてしっかりコシがあり、もぐもぐ噛みしめる度に、小麦の風味が炸裂する。麺は、店主自らが毎日水回しから切り出しまですべて手作業で仕込む純手打ち麺。あえて不揃いに切り出し、強く手もみすることで、ランダムに仕立てている。
厚みのある部分はむちっと力強く、薄い部分はピロッとしなやか。食べる度に異なる食感と出合えるのも、手打ち麺ならでの醍醐味だ。スープは煮干しのダシや醤油の風味を強めに利かせ、あっさりでありながら、麺の存在感にも負けない力強さを持たせている。
恵比寿「手打 親鶏中華そば 綾川」
店主の故郷、香川県綾川町に根付く“手打ちうどん”と“親鶏”の食文化を融合させ、ラーメンに昇華。「本場の讃岐うどんと同様、打ち立ての麺を提供したい」と店で麺を青竹打ちしている。
それも、昼と夜の営業前に、1日2回! 「打ち立てならではのふわふわ食感と小麦の香りを大切にしているので、その日の朝に打った麺でも、夜の営業には使わないと決めています」。青竹打ちにすることで、生地に気泡が入り、柔らかく、のど越しのよい麺に。大量の親鶏の肉でとる鶏肉100%のスープのインパクトも絶大で、ひと口目から強烈な旨みに引き込まれる。
西永福「西永福の煮干箱」
爆発的な旨みを得意とする『Bonito Soup Noodle RAIK』が、本店の“カツオ”、2号店の“貝”に続いて、“煮干し”に特化した3号店をオープンさせた。2種類のカタクチイワシを軸に、伊吹いりこ、アジとアゴ、ウルメの煮干しで分厚い旨みの層をつくり、動物オフでも満足度高く仕立てている。
ガツンとインパクトのある煮干し油の効果も相まって、煮干しの風味が炸裂。ザクザクとした食感の歯切れのよい低加水麺を啜る度に、惚れ惚れするような煮干しの世界が広がっていく。低温調理のしっとり鶏ムネ肉と香ばしい吊るし焼きチャーシューなど、トッピング類も秀逸。
『おとなの週末』2022年2月号より(本情報は発売当時のものです)
…つづく「東京の本当うまい「町中華のラーメン」ベスト6店…なんと一杯《600円》、スープ絶品《浅草・大森・人形町・大井町・千歳烏山・清澄白河》で覆面調査隊が発見」では、あまたひしめく町中華のなかから、おいしいラーメンの店を紹介します。