大井町「のりや食堂」 かつて東京で巻き起こった和歌山ラーメンブームを牽引し、20年以上経った今もしかと暖簾を守っている。店内に入るとぷぅんと漂う豚骨の香り。厨房をのぞくと、いくつもの巨大な寸胴が並んでいた。こちらのスープ…
画像ギャラリー「どっしり濃厚、うまい「絶品みそラーメン」ベスト5店…客の7割がオーダーする「究極の一杯」を《十条・荻窪・江戸川橋・長野・大久保》で発見」に引き続き、ジャンル別に「これ必食!」と唸らされた店を紹介します。今回は味噌ラーメンの絶品を覆面調査隊がリポートします。
三軒茶屋「SANCHA FUKAMI」
いやはや面食らった。専門店でなく居酒屋でこれほど素晴らしき一杯に出合えるとは。店主の深見さんは徳島出身で、お品書きには特産品の阿波尾鶏や地元っ子のソウルフードのフィッシュカツに大野海苔と故郷の味がずらり。そんなあふれるほどの郷土愛はラーメンにもまっすぐに向かう。豚ゲンコツや豚頭、背脂などをじっくり炊いたスープはトロリと濃厚。さらに何種類もの乾物の旨みを重ねた醤油ダレによってそのコクを何倍にも膨らませている。無化調を貫くのも料理人としてのプライドだ。麺は小麦の香り豊かな細打ちで、酒の後の胃袋にもスルッと入る。
大井町「のりや食堂」
かつて東京で巻き起こった和歌山ラーメンブームを牽引し、20年以上経った今もしかと暖簾を守っている。店内に入るとぷぅんと漂う豚骨の香り。厨房をのぞくと、いくつもの巨大な寸胴が並んでいた。こちらのスープは豚骨と鶏ガラを別々の鍋で炊いてから合わせ、さらに丸一日火にかけて馴染ませる。
ここからさらに熟成の工程を経て、やっとのことで完成だ。ひと口飲めば凝縮した旨みと、燻製のようなスモーキーな香りに引き込まれてしまう。パワフルでありつつも、クドさは微塵もない。それがこれほど長く愛されてきた理由のひとつだろう。
『おとなの週末』2022年2月号より(本情報は発売当時のものです)
…つづく「東京の本当うまい「町中華のラーメン」ベスト6店…なんと一杯《600円》、スープ絶品《浅草・大森・人形町・大井町・千歳烏山・清澄白河》で覆面調査隊が発見」では、あまたひしめく町中華のなかから、おいしいラーメンの店を紹介します。