2024年で、東京駅が開業110周年を迎えることを記念して、建物の歴史がわかる美術館をはじめ、東京駅に残るアレやコレを探し、前編と後編に分けてご紹介いたします。前編では、東京駅の歴史と駅内にある美術館『東京ステーションギャラリー』 を紹介。後編では、東京駅内に点在する歴史を感じられるスポットを一挙公開します!
画像ギャラリー2024年12月20日、東京駅は開業110周年を迎えました。東京駅はいわば、ここを拠点として全国各地に鉄道が伸びる“日本の玄関口”。記念すべき日に、月刊誌『おとなの週末』でかつて紹介した東京駅の魅力を前後編で取り上げます。後編では、東京駅内に点在する歴史スポットを一挙公開!首相2人の“現場”も…。
2012年に“復原”された東京駅丸の内駅舎
2012年に復元ではなく復原された東京駅丸の内駅舎。
復原とはどういう意味か?それは国の重要文化財としての指定も受けた歴史的建造物でもある駅舎の1、2階に残るレンガや鉄鋼は保存したまま、内部の意匠などは創建時とまったく同じ姿に復活させるということを意味する。
そのうえで最新の建築技術である対震設計も施すという複雑で困難な工事を経て、現在の東京駅丸の内駅舎は存在しているのだ。
モダンで現代的な外観が輝く八重洲駅舎。そしてヴィクトリア朝の影響を多分に受けたといわれる、この丸の内駅舎。歴史の流れを象徴するかのように両極端なふたつの建築物で東西から挟まれた東京駅は、その駅自体が日本の大正以降の歴史そのものであり、またその駅の中でも歴史が作られていた。
明治後期からの支柱(工事自体は1908年・明治41年に始まっている)が、運用中のホームに顔をのぞかせていたり、原敬、濱口雄幸という、当時現職だった総理大臣がふたりも、構内で襲撃されているのである。
東京の玄関・東京駅は一つの街
その現場を東京駅は見ているのである。かといって決して歴史の遺物ではない。
今なお現役で東京の玄関、1日の列車発着本数は約4100本を誇る日本の中央停車場であり、『Tokyo Station City』と命名されるほどの、日々進化を続けているひとつの街でもあるのだ。
そして、街だからこそ、駅という交通拠点としてだけの利用ではなく、わざわざ足を運ぶ価値がある。
なにしろ、あちらこちらに面白さが散りばめられ、2時間もあれば、この記事に登場したスポットは全部回れるし、お腹が空いたら、他のページで紹介された店に入ればいい。
すべていたれりつくせり!
ここ東京駅という街は、東京駅から徒歩0分という日本最強に交通至便の街なのだ!
駅を降りれば……いや、駅ではない、電車を降りればそこが即、街なのである。
そんな街、東京駅にたたずめば、日本の歴史、そして明日に通じる未来への息吹、その全てが全身に降り注いでくる。そして自分自身が歴史の一員であることまでもを、ひしひしと感じ取れることは間違いない。
おとなの週末2025年1月号は『本当においしい「東京駅」』
撮影/谷内敬樹、大西尚明(ガシャポンストリート)、取材/カーツさとう
※2019年1月号発売時点の情報です。
※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。