「1月14日」。今日は何の日でしょう?
画像ギャラリー「1月14日」。今日は何の日でしょう?答えは「南極でタロとジロを発見!」
語り継がれる南極観測隊と樺太犬の感動物語
みなさんは、1983(昭和58)年に公開された映画『南極物語』(高倉健主演)を覚えているでしょうか。悪天候に阻まれやむなく南極に置き去りにされた樺太犬タロとジロが、極寒の地で生き抜く姿を描いた奇跡と感動の物語、と言ったら思い出せるはず。
1957(昭和32)年12月、第二次越冬隊を乗せた南極観測船「宗谷」は、南極大陸付近で稀にみる悪天候のため漂流してしまいます。運よくアメリカ海軍氷艦「バートン・アイランド」号の支援を得て、なんとか昭和基地へと到着しますが、1958(昭和33)年2月、例年にない悪天候に阻まれ、結局第二次越冬は中止と決定。昭和基地で待つ第一次越冬隊員をヘリコプターで帰船させ、南極から脱出することに。
しかし、その帰船作業中にもどんどん悪化する天候に、再び「宗谷」が漂流するかもしれない危険もあり、ついにヘリコプターもあと1回の飛行が限界となります。とうとう15頭の樺太犬は救出することができず、やむなく南極に置き去りにせざるを得ない状況になってしまったのです。
タロとジロ、まさかの生存を確認!
それから約1年後の1959(昭和34)年1月14日、再び第三次越冬隊が「宗谷」で南極へと向かいます。偵察のため飛び立ったヘリコプターが、昭和基地近辺で置き去りにされた15頭のうちのタロとジロの2頭を発見しました。この一連の出来事を後世に残そうと映画が製作され、1月14日を「タロとジロの日」とし、生きることへの希望と愛することを忘れないようにと語り継がれています。
なぜタロとジロだけが、極寒の南極で生き残ることができたのでしょうか。その壮絶な命の物語はぜひ映画でご覧いただければ。最近では、映画でも描かれなかったもう1つの物語が書籍となり、話題に。興味のある方はぜひそちらも。
ちなみにタロとジロの犬種である樺太犬は、樺太原産で体型は中〜大型、太い鼻面を持つ。温順でよく人に慣れ、また牽引力の高さもあって、アイヌなど北方民族たちに犬橇や猟犬として古くから使われていました。しかし、純粋な樺太犬は1970年代に絶滅したと言われています。
60年以上続く日本の南極観測、今年も出発!
日本の南極観測は、1957年に第1次南極地域観測隊が昭和基地を開設以降、60年以上に渡って続けられています。気象・天体・地球科学・生物学の観測が目的です。命にかかわる過酷な体験もあると思いますが、大きな成果を私たちにもたらしてくれています。
2024年12月5日、第66次南極観測隊が成田から空路で出発。11月20日に神奈川県横須賀市の海上自衛隊横須賀基地を出港した南極観測船「しらせ」にオーストラリアで乗船し、昭和基地へと向かいました。