世界的に人気の高いSUVだが、国内専用の軽自動車にももちろんSUVモデルが用意されている。そして、その魅力も悪路での走りやすさや充実したユーティリティなど多岐にわたる。今回はそんな中でもおすすめの軽SUV3台をご紹介しよう。
画像ギャラリー世界的に人気の高いSUVだが、国内専用の軽自動車にももちろんSUVモデルが用意されている。そして、その魅力も悪路での走りやすさや充実したユーティリティなど多岐にわたる。今回はそんな中でもおすすめの軽SUV3台をご紹介しよう。
人気の「SUV」は軽自動車にも用意されている
小型/普通乗用車ではSUVが人気を集めている。SUVはもともと悪路を走破するクルマとして生まれ、最低地上高(路面とボディの最も低い部分との間隔)に余裕があり、大径タイヤを装着してフロントマスクに厚みを持たせた。そのために外観の存在感も強い。
またボディの上側はワゴン風の形状だから、室内空間も広い。前後席の居住性や積載性も優れ、ファミリーカーとしても使いやすい。つまりSUVは、外観がカッコ良く、実用性も高いために売れ行きを増やした。
そして軽自動車にもSUVが用意される。今は国内で販売される新車の35~38%が軽自動車だから、売れ筋カテゴリーのSUV風に仕上げた車種も多い。その内容を見ていきたい。
スズキジムニー/推奨グレード:XC(200万2000円/4WD・4速AT)
スズキジムニーは、初代モデルを1970年に発売した軽自動車のSUVとしては先駆的な存在だ。軽自動車だが、耐久性の優れたラダーフレームに、ボディ、エンジン、サスペンションなどを装着している。
駆動方式は、後輪駆動をベースにした4WDのみで、悪路走行で駆動力を増強させる副変速機も搭載する。車両のレイアウトや基本的なメカニズムは、ランドクルーザーのような悪路向けのSUVと同様だ。従って悪路走破力も抜群に高い。
スズキハスラー/推奨グレード:(167万2000円/2WD・CVT)
スズキハスラーは全高が1600~1700mmの間に位置するハイトワゴンで、最低地上高にも180mmの余裕がある。悪路のデコボコも乗り越えやすい。
車内の広さやシートアレンジは、基本的にワゴンRと同じだ。そのために前後席ともに、頭上と足元には十分な空間がある。後席の背もたれを前側に倒すと、座面も連動して下がり、平らなボックス状の荷室に変更できる。
シートアレンジは前後スライド機能を含めて左右独立式だから、全高が1700mmを超えるスペーシアやN-BOXと同様の使い勝手を発揮する。荷室には水洗いの可能な処理も施され、屋外で使ったアウトドア用品も気兼ねなく積める。外観がカッコ良く、実用性も高いために売れ行きも好調だ。
ダイハツタフト/推奨グレード:X(138万6000円/2WD・CVT)
ハスラーのライバル車で、全高もハスラーと同じく1600~1700mmの間に位置する。
ただし車両の性格は異なり、タフトのシートアレンジは単純だ。ハスラーと違って、後席の背もたれを前側に倒した時、座面も下がって床の低い荷室にアレンジする機能はない。後席のスライド機能も採用されず、座り心地は硬めだ。
つまりタフトの後席は、乗員が座らず、背もたれを倒して荷室として使うことを意識している。内装色も異なり、居住空間の前席側はブラック、後席側は荷室がメインだからグレーに塗り分けた。
そして後席の造りを簡素にした代わりに、装備を充実させた。価格が130万円台のXにも、大型ガラスルーフのスカイフィールトップ、フルLEDヘッドランプ、電動パーキングブレーキなどを標準装着する。機能と価格のバランスではとても買い得だ。
文/渡辺陽一郎(わたなべ よういちろう):自動車月刊誌の編集長を約10年間務めた後、フリーランスに転向した。「読者の皆様にケガをさせない、損をさせないこと」を重視して、ユーザーの立場から、問題提起のある執筆を心掛けている。執筆対象は自動車関連の多岐に渡る。
写真/スズキ、ダイハツ