「一般社団法人 海のごちそう推進機構」と、全国の地元の「海の食文化」を発信したい事業者が共済しているイベント「日本さばける塾」。2025年1月11日に、回転寿司チェーン『すし銚子丸』と「日本さばける塾 with すし銚子丸」が開催された。ライター池田が親子で実際に体験した様子をお届けします。前回は座学の様子をお伝えしましたが、ついに1尾のアジを自ら3枚におろし、江戸前の握りに挑戦!
画像ギャラリー「一般社団法人 海のごちそう推進機構」と、全国の地元の「海の食文化」を発信したい事業者が共済しているイベント「日本さばける塾」。2025年1月11日に、回転寿司チェーン『すし銚子丸』と「日本さばける塾 with すし銚子丸」が開催された。ライター池田が親子で実際に体験した様子をお届けします。前回は座学の様子をお伝えしましたが、ついに1尾のアジを自ら3枚におろし、江戸前の握りに挑戦!
ピカピカに三枚におろされたアジ それぞれに達成感あり!
いよいよメインイベントの調理体験&実食へと進む。調理室では2組4名ずつが各シンク付き調理台に分かれ、そこに1名ずつ講師がついてくれる。マンツーマンに近い万全な体制だ。
まずは、白衣と帽子、前掛けをして手洗いを学ぶところから。プロの前掛けの結び方を教わってキュッと締めると俄然気合いが入る。
各人に1尾ずつ、目の前のまな板の上に包丁とともに丸のアジが用意される。三枚おろしに挑戦だ。先生が手順を説明しながら実際に手本を見せてくれるところから。一気に最後まで進むのでなく、プロセスを分けて進んでいく。
「動画でさばくのは見たことがあったが、自分でやる新しい体験になった。難しいところもあったけど、優しく教えていただいたのでなんとか自分でできて、達成感もあり、楽しかったです」(14歳男子)
「難しそうに感じて、今まで一度も魚をさばいたことがなかったのですが楽しかったです」(40代女性)
魚の向きや押さえる場所と包丁の入れ方。見るとやるでは大違いではあるものの、先生が横にいるのは心強い。子どもたちも器用に包丁を使い、それぞれにちゃんと三枚おろしを完成した。
自分でおろしたアジで作るなめろうと握り、こいつは最高だ!
三枚におろしたアジ。だがもちろんここで終わりではない。これを各自、2種類の寿司に、「なめろうの軍艦巻き」と「アジの握り」に仕立てるのだ。
握り2貫分のアジを残して、残りは包丁で細かくたたき、味噌と薬味を加えてさらにたたけば「なめろう」の完成。それをきれいに軍艦に仕立てるには、どのくらいの酢飯を海苔のどこにのせて巻けばいいか、なんてちょっとしたコツも教わりながら進む。
用意された酢飯を手に握りにも挑戦する。シャリの分量や握り方、形の整え方、アジをのせたらさらにこうして、方向も変えてこうしてキュッと……。先生の手つきがさすが。惚れ惚れしながら自分でも握るのが楽しいぞ。
「将来の夢がコックだったけど、お寿司の人になってもいいと思いました」(10歳男子)
最後のお楽しみはやっぱり実食 職人が握った寿司と自作を食べ比べ!
無事自作の寿司が完成したところで、『すし銚子丸』の寿司職人が握った寿司皿が各自に配られる。中には赤身、中トロ、真鯛、エビ、オーロラサーモン、イクラ、中落ち。そこに、なめろうの軍艦巻きとアジの握りを加えれば完成だ。
プロの握った寿司はもちろんさすがで美しいわけだけど、いやいやどうして自分で作ったやつもそれほど負けていませんぞ(と自賛する)。
ほどよくお腹も空いてきたところ。海の幸に感謝する気持ちを忘れずに、ここで揃って「いただきます!」。お楽しみの実食へ。多少形は悪くても、自分でおろした新鮮なアジのお寿司も実にイケるのであった。
食いしん坊のためにその場で寿司職人さんが握ってくれているおかわりの寿司も用意され、さらに笑顔が弾けるのだった。
今後も継続されていく取り組み ぜひ参加をしてみては?
本日の教習を無事修了したことの証明として、最後は全員に「さばけるマスター認定証」を授与、そして記念撮影をしてイベントは終了。
銚子丸が主体となって「さばける塾」を実施したのは、2022年7月が最初。毎年回を重ね、今回が5回目となる。他の開催との大きな違いは、江戸前寿司の職人が講師となり、「寿司の握り」を体験できることだ。
「銚子丸は日本食の代表とも言える寿司を生業とするものとして、日本の食文化、特に魚食文化と、その源となる海洋環境を守り育てることを社会的責任と考えています。海と日本プロジェクトの趣旨に共鳴し、志をともにするものとして、今後もこの取り組みを継続していきたいです」(銚子丸SDGs・広報課・下公祐二さん)
魚をさばき、おいしい寿司を自ら作って食べながら、海の未来を考えるのって悪くない。今後も取り組みは続くので、興味のある向きは次の機会をお見逃しなく。
『すし銚子丸』のお知らせはこちらのHP(https://www.choushimaru.co.jp)から。
取材・撮影/池田一郎
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