旬の食材は食べて美味しいだけではなく、栄養もたっぷり。本コーナーでは魚や野菜、果物など旬食材の魅力をご紹介します。
さて、今回のテーマとなる食材は?
文/おと週Web編集部、画像/写真AC
■クイズの答えは……
正解:ぶり
難易度:★★★☆☆
ぶりの旨さが最高レベルになるのは冬!
ぶりは1年中漁獲がある魚ですが、「寒ぶり」という呼称が定着していることからもわかるように旬は冬です。そろそろ寒ぶりの水揚げが始まり、2月頃まではたっぷりと脂ののった天然ぶりに舌鼓を打つことができます。
11月下旬頃から2月頃までの天然ぶりは日本海側で多く水揚げされます。太平洋側で最盛期を迎えるのは2~3月頃となります。
ぶりは出世魚で、呼び名はサイズによって変わっていきます。また、地域によっても呼び名が異なります。関東では「わかし→いなだ→わらさ→ぶり」、関西では「つばす→はまち→めじろ→ぶり」と名前が変わっていきます。他にも、別の呼び方をする地域もあります。
ぶりは最も大きくなってからの呼び名で、80cm以上のものをぶりと呼ぶのが一般的です。ただし、旬の寒ぶりは大きめで、1.5mほどのビッグサイズのものが水揚げされることもあります。
実は、養殖ぶりのほうが脂ののりは良いのですが、脂の質は天然もののほうが上で、さっぱりして旨味も強いと言われています。ただし、脂ののった養殖ぶりを食べ慣れている人は、天然ぶりの脂ののりに物足りなさを感じるかもしれません。
新鮮な寒ぶりは養殖ものとは違った、とろけるような食感を楽しめる刺身や、ぶりしゃぶがお薦めです。身の旨味が強く柔らかなので、照り焼きやぶり大根にしても身が硬くならず美味です。
美味しいぶりの見分け方
ぶりは切り身で売られていることがほとんどなので、ここでは切り身の見分け方をご紹介します。まずチェックすべきは血合いの色です。鮮やかな赤色のものが新鮮な証拠です。時間が経つと血合いは酸化して茶色っぽく変色していきます。また、身の部分に白いサシが入っているものは脂ののりが良い証拠です。パックの中にドリップが出ていないことも確認しましょう。
脂の旨味を楽しみたいなら腹の部分を、身の旨味を味わいたいなら背の部分を選びましょう。切り身の場合は皮が白っぽいものが腹の部分、皮の色が黒っぽいのが背の部分となります。
ぶりの注目栄養素
ぶりは青魚に分類されますが、そのなかでも栄養の豊富さはトップクラスです。血液をサラサラにするEPAやDHAといった良質な油が豊富なことは言うまでもありませんが、もっと注目したいのはタウリンの豊富さです。
タウリンの疲労回復や肝機能向上効果はよく知られていますが、他にも、悪玉コレステロールの減少効果や血糖値改善、血圧抑制など、生活習慣病の予防・改善もサポートしてくれる栄養素として注目されています。