旬の食材は食べて美味しいだけではなく、栄養もたっぷり。本コーナーでは魚や野菜、果物など旬食材の魅力をご紹介します。
さて、今回のテーマとなる食材は?
文/おと週Web編集部、画像/写真AC
■日本では……
正解:上海ガニ
難易度:★★★☆☆
ミソがたまらなく美味!!
上海ガニは、中国語で「大閘蟹(ダーヂャーシエ)」と呼ばれ、中国の長江(揚子江)流域に生息する淡水性のカニです。学名はチュウゴクモクズガニ。日本のモクズガニと近縁種にあたります。
海で生まれ、孵化したばかりの幼生は海を漂い、成長しながら長江のような大河を何百kmもさかのぼり、淡水である湖や川にたどり着きます。そこで数年間を過ごし、成熟して産卵期を迎えます。そして、生まれ故郷である海を目指して川を下っていきます。
上海ガニの有名な産地である陽澄湖(ようちょうこ)や太湖(たいこ)などは、成熟期を過ごす場所として知られています。
とくに陽澄湖産のものは最高級品とされ、ブランド蟹として高い評価を受けています。
日本では、ごくまれに外来種として見つかることがありますが、生態系に悪影響を及ぼす可能性があるため、「特定外来生物」に指定されており、飼育や野外に放つことは法律で厳しく規制されています。そのため、ほとんどが中国からの輸入品で、中華料理店などでしか食べることができません。
大きなハサミと、そのハサミに生えたフサフサの毛が見た目の特徴です。この毛は、日本でとれるモクズガニにも見られるのですが、上海ガニのほうがより密集して生えています。
メスの旬は産卵を控えた9月下旬から10月頃、オスの旬は10月下旬から11月頃とされています。
上海ガニの味わいの最大の特徴は、何といってもその濃厚な「カニミソ」にあります。
一般的なカニのミソは、ねっとりとした食感のものが多いのですが、上海ガニのミソは、オレンジ色でとろりとしており、卵の黄身のようなコクと甘みがあります。
とくにメスのカニには、「蟹子(シエズ)」と呼ばれるカニの内子があり、このプチプチとした食感と濃厚な旨味は、一度食べたら忘れられないほど。
ミソのインパクトが強すぎて、つい見過ごされがちですが、じつは身も格別。きめ細かな繊維質でしっかりとした歯ごたえがあり、噛むほどに上品な甘みが口いっぱいに広がります。
代表的な食べ方は、何といっても蒸し料理です。蒸籠にカニを並べ、老酒や紹興酒を振りかけて蒸し上げるのが一般的です。シンプルながら、カニ本来の風味を存分に引き出すことができます。
蒸し上がったカニの身とミソを黒酢と生姜のタレにつけて食べるのが本場流です。このタレが、カニの生臭みを抑え、さっぱりとした後味にしてくれます。
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