私事で恐縮だが、2018年9月に台湾・台北へ行った。現地に出店した名古屋の飲食店の取材が目的だったが、その合間に台湾のグルメも楽しんだ。そこでわかったのは、名古屋にある台湾料理店との味の違い……。 そこで、本場の味を名古屋で探したところ、名東区一社で見つけた。
画像ギャラリー台湾人が日常的に食べている料理が楽しめる『台湾飲茶cafe 茶坊』
私事で恐縮だが、2018年9月に台湾・台北へ行った。
現地に出店した名古屋の飲食店を取材するのが目的だったが、その合間には台湾のグルメも楽しんだ。
そこでわかったのは、名古屋にある台湾料理店との味の違い。
台湾料理とは名ばかりで、中華料理と何ら変わらない店が多いのだ。
台北で食べた料理は、どれもあっさりとした味付けが印象的だった。
本音を言えば、物足りなさも感じていたが、帰国してからアノ味が恋しくなるから不思議だ。
……ってことで、本場の味を名古屋で探したところ、名東区一社で見つけた。
それが今回紹介する『台湾飲茶cafe 茶坊』だ。
店は、台北生まれで日本に帰化した髙木明子さんと中国人の鄭立新さん夫妻が2年前に開店させた。
「以前は中国料理店で働いていましたが、味が濃すぎて私自身が食べられなかったんですよ。
それで、台湾らしい素朴な味わいの料理を出したいと思ったんです。
マコモダケや百合の蕾、青龍菜など台湾直送の野菜を使ったメニューなど、台湾人が日常的に食べている料理をお楽しみください」と、髙木さん。
メニューの中に私が台北でハマった「ルーロー飯」(750円)を見つけた。
おや?
台北で食べたのは、つゆが多い、いわゆる“つゆだく”だったが、ここのはつゆが少なく、さらっとしている。
醤油と砂糖がベースの甘辛い味付けは、名古屋人ならずとも万民受けする味だろう。
「味付けは醤油と砂糖、紹興酒、赤ネギ、そして八角です。
八角は好みが分かれますから、台湾のレシピよりも控えめにしています」(髙木さん)
こちらは、「ルーロー飯」と並んで人気の「台湾風焼ビーフン」(850円)。
名古屋ではピリ辛の「台湾ラーメン」があまりにも有名すぎて、「台湾」の名を冠する料理はどうしても辛いイメージを抱いてしまう。
が、ここのは辛くないのでご安心を。
「じっくりと煮込んだ牛肉をのせた台湾の『牛肉麺』に使うタレを使っています。
麺一本一本にしっかりと染み込んだ牛肉の旨みをお楽しみください」(髙木さん)
ここへ来たら絶対にハズせないのが、点心。
大ぶりな肉がゴロゴロ入った店の名物「小籠包」と、日替わり4種の点心が楽しめる「点心5種盛」(650円)がオススメだ。
この日は、海老入りの「ヒスイ点心」とフワフワ食感の「豆腐点心」、定番の「海老餃子」、スープがたっぷりの「マンナン小籠包」。
醤油と辛子が付くが、あえて使わずにそのまま食べて素材そのものの美味しさを楽しむのが台北流だとか。
昼は、この「点心5種盛」をメインにした「日替豪華点心ランチ」(全7品・1480円)も用意している。
夜のコースは1680円(全5品)~。
素朴な味わいの料理を堪能していると、旅の思い出が頭を駆け巡る。
台湾、また行きたいなぁ。
台湾飲茶cafe 茶坊
[住所]愛知県名古屋市名東区一社1-49
[TEL]052-703-6877
[営業時間]11時~22時(21時L.O.)
[定休日]月曜(祝の場合、翌火休)
永谷正樹(ながや・まさき)
1969年生まれのアラフィフライター兼カメラマン。名古屋めしをこよなく愛し、『おとなの週末』をはじめとする全国誌に発信。名古屋めしの専門家としてテレビ出演や講演会もこなす。
※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。
画像ギャラリー