吉祥寺をフラフラしていると、喫茶店やカフェに吸い込まれてしまうおっさん女子である。 都内に好きな店が何軒かあるんだけど、銀座の場合は『K珈琲店』。 ここのカップ&ソーサーは、ウエッジウッドやジノリ、マイセンなどの高級系なのである。さらにお客さんの雰囲気に合わせてカップの柄を選んでくれて、出されるといった具合……。
画像ギャラリー喫茶店のカップ&ソーサー問題を、吉祥寺で考えた件
吉祥寺をフラフラしていると、喫茶店やカフェに吸い込まれてしまうおっさん女子である。
ちなみに他の街に行くと、さらに積極的にお茶&ひと休みをする場所に吸い込まれるタイプ。
都内に好きな店が何軒かあるんだけど、銀座の場合は『K珈琲店』である。
銀座に3店舗あるが、私は並木通り沿いの地下にある店がお気に入りだ。
ここのカップ&ソーサーは、ウエッジウッドやジノリ、マイセンなどの、いわゆる高級系。
さらに、お客さんの雰囲気に合わせてカップの柄を選んでくれて、出されるといった具合。
実は、私、何度行っても、そのたびに「大きな花」がハデにどーんと描かれたカップが出てきてしまうのである。
柄はその時によって違うんだけど……。
ひとりで行ってもそうだし、友達といっしょでも同様なのである。
ちなみに私は、ウエッジウッドの無地の黒×縁が金の渋いカップがいいなぁ、と密かに思っているのだが、あれは男性客に出されているようだった。
さらにメーカーは不明だけど、ミントグリーンのモダンな形のカップが出されていた女性は、着ていた洋服の色に合っており、さらに本人の雰囲気ともバッチリ合っていたのを目撃。
私は「大きな花柄」の女なのであった。
いや「大きな花柄」のおっさん女子なのである。
小花柄でもいいんだけど、小花柄が出てきたことは一度もない(キッパリ)。
イラスト/小豆だるま
その『K珈琲店』で待ち合わせしたおっさん女子仲間のNは「天野さん、背が高いじゃん。だから大きい花柄なんだよ」と結論を出した。
ちなみにおっさん女子Nは、小柄だからか、プチっとした可愛い小花柄のカップが来た。
さらに「天野さんは、小花柄っていう感じが全然しない」とも言われ……。
そう、私はザックリとした雑な女。
わかっていたけど……。
そういうのって、他人に伝わるもんなのね……。
そして追い打ちをかけるよう「カップを逆指名すりゃいいじゃん! あれで飲みたいって言えば?」と言われ、なんかガックリ……。
なんか、そうじゃないのよ……。
で、吉祥寺のカフェや喫茶店で、私に出されるカップ&ソーサーは……!?
そして場所は地元に戻って吉祥寺。
吉祥寺のカフェや喫茶店で、高級系のカップ&ソーサーでお茶が出てくる店は、意外に少ない。
吉祥寺の老舗喫茶店御三家の『M文庫』、『M蔵』、『K草』は、どれもオリジナルのカップで出てくるし、私が愛する『moi』(連載73回参照)は、フィンランドで学んだ日本人プロダクツデザイナーがお店のためにデザインしたものである。
高級系のカップ&ソーサー&お客さんの雰囲気でカップをセレクト、という吉祥寺の喫茶店は『T亭』である(連載61回&55回参照)。
でも、私が行くと、やっぱり大きな花柄で出てくるんだけどね……。
洗い物やお客さん込み具合などで変わりそうなものだと思うんだけど、やっぱり大きな花柄なんだよ。
しかし、ある日の『T亭』で、ものすごく意外なカップ&ソーサーで紅茶が出てきたのである。
薄〜い水色のグラデーションに鱗のような立体模様が描かれたモダンなカップだったのだが、かなり衝撃を受けた。
ちなみに私の当日の服装が、私にしては珍しく明るい水色のトップスだったのである!
マジか。
やっぱ服の色は大事か!
『T亭』に行くときは、キレイな色の服か! と結論が出たのですが、しかしそれ以後、やっぱり大きな花柄のおっさん女子なのである……。
そして吉祥寺でもう1軒、チェーン店ですがダイヤ街にある『カフェLM』も高級系カップ&ソーサーの店。
なぜか、ここでは、銀座の『K珈琲店』よりも、吉祥寺の『T亭』よりも、さらにドハデな大きな花柄で出てくるんです……。
いや、いいんだけど。
慣れてるから、いいんだけどね。
でもなんでこんなにハデなのかなぁ。
態度がデカいのか?
やっぱり背が高いから?
そうして悶々とコーヒー&紅茶を飲むのであるが、たまにはそんな日があってもいいかもしれない。
ぜひ吉祥寺に来た折には『T亭』と『カフェLM』に行き、どんなカップが出てくるかを試してほしい。
とくに、女子!
自分が他人にどう見られているかが、垣間見れます(笑)。
ちなみに、本物のおっさんや、男子のカップはわりと無地の高級系で出てくる傾向があります。
天野七月/あまのななつき
ライター&ときどきエディター。吉祥寺在住、ざっくり30年くらい。基本おっさん女子、たま~に乙女マインド。いつも吉祥寺をふらふらしています。ちなみに無芸大食。
小豆だるま
高校の国語教員を経てイラストレーター・漫画家になる。ギャグとシリアスを行ったり来たりする作風で雑誌・書籍・webなどで活躍中。著書は「日々ズレズレ」(小学館)その他。好物はタイ料理と辛いもの。
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