SNSで最新情報をチェック

icon-gallery

日本屈指のサバホテル!? 「銚子プラザホテル」で 「銚子極上さば料理」を堪能

サバ水揚げ量日本一を誇る、千葉県銚子市。
そのなかでも最も脂がのった秋に水揚げされる、700グラム以上の大型サバ「銚子極上さば」。
漁獲量全体のたった1パーセントという貴重なサバだ。
銚子のサバの多くは、じつは加工品として利用されていた。
サバは地元では獲れすぎてありがたみのない「下魚」扱い。
そんなサバで銚子の町を盛り上げられないかと立ち上がったのが、地元の飲食店やホテルなどの有志で結成する「銚子うめぇもん研究会」だ。

銚子極上さば。
漁獲量のたった1パーセントという
貴重なサバは、会員自らが選別。
「サバが揚がった」と聞いたら、
会員が長靴をはいて漁港へ出動!

銚子に行かなければ食べられないサバ料理を、と目指したのが「サバの生食」。
サバは関東以北では、寄生虫対策のため、必ず冷凍する必要がある。
研究会ではこのステップに際して使用する「熟成塩タレ」を開発した。
このタレに漬けてから冷凍すると、解凍しても生と遜色のない新鮮な食感が味わえる。
そればかりか、なんとむしろ熟成して、生より美味しさに仕上がるのだ

研究会会員である、
渡邉義美さんが開発した
「熟成塩タレ」は、
カキ殻、香味野菜、海藻などを
素焼きの甕に漬け込んで作る。

研究会では、この「魔法のタレ」を極上さばに使用して「極上さば料理」を誕生させた。
「サバ刺し」は、新鮮そのもの。
加えて旨みあふれる熟成サバに変身している。
そんな存在も調理もミラクルな「極上」のサバ料理を通年楽しめるのが、研究会会長の大木乃夫恵さんが専務を務める「銚子プラザホテル」。
レストラン「廣半」では、極上さば料理コースをはじめ、極上さばを使ったさまざまな料理を堪能できる。

銚子プラザホテル「廣半」の極上さば料理。

銚子プラザホテルは1949年創業。
銚子駅前に位置し、観光客だけではなく地域に根差したホテルとして、式典、パーティ、婚礼などでも多く利用され、銚子では欠かせない存在だ。

銚子プラザホテル。
2013年に全館リニューアル。
銚子駅から徒歩2分とアクセスも便利。

「もともとは、『廣半』という名前の料理旅館でした。
結婚式を多くやっていたこともあって地元の方はよくご存じだったから、ホテルになってからもレストランで名前を残したんですよ」(大木さん)
1987年に近代的なホテルにリニューアル。
「当時は、イワシが豊漁で羽振りのいいひとたちがたくさんいて(笑)。
結婚式や宴会が本当に多かったわね」と振り返る大木さん。

銚子プラザホテル専務・大木乃夫恵さん(中)、
ジェンヌ、全さば連鯖TUBEでおなじみの「まーちゃん」。
大木さんはもともとは高校の英語教師。
結婚を機にホテル業へ。
銚子愛、サバ愛を胸に、
日本各地で開催された「鯖サミット」にも参加。

しかし、時代は移り変わる。
年々、銚子を訪れる観光客も減ってきた。
「なにか特色のある試みが必要だ」と大木さんは感じていた。
「廣半は懐石料理を提供する『正統派』の和食レストラン。これといった特色がありませんでした」と大木さん。
「銚子らしいものにも特化していなかったですね。旬のイワシを提供しているお店に行列ができて賑わっているのを見て、いいなあ、うらやましいなあと思っていたわね」
そんな大木さんの前に、いきなり現れたのが「サバ」である。
熟成塩タレを開発した渡邉義美さんとの出会いから、銚子うめぇもん研究会に参加。
「銚子からサバ食文化を発信しよう」という活動に取り組むようになった。
そして、ようやく完成した極上さば料理。
もちろん、我が廣半でも提供! と準備を進めたが、ことはそう簡単ではなかったらしい。
料理人たちは言った。
「なんでサバ!?」
和食の世界で修業をつんだ料理人たちにとって、扱う魚といえばマグロやタイやひらめなど。
大衆魚・サバはもってのほか。
「現場から猛反対されました……」と大木さん。
仕方あるまい。
「美味しい銚子のサバを世に出したい!」という想いのもとに大木さん、いきなりの板前化。
なんと自ら調理して提供をスタートしてしまったのである。
当初、銚子市民からは「なんだサバか」とつれない反応だったが、研究会の猛烈なPR活動もあって、メディアに取り上げられるようになり県外から訪れるお客さんが増えてきた。
次第に地元の人々も訪れ、「美味しい!」と話題をよびお客さんは急増。
リピーターも続出!
ついに廣半には、大木さん念願の「行列」ができるようになった。
サバの実力に開眼したスタッフたちも、一眼となってサバ料理を追求するようになった。

銚子プラザホテル「廣半」。
ランチも「鯖漬け丼」「鯖塩焼き定食」
「鯖の味噌煮定食」なども提供。
毎年7月ごろには脂のりたっぷりの
「入梅イワシ」のコース料理も楽しめる。

2017年には「鯖サミットin 銚子」が開催された。
サバをめがけて押し寄せた人々は3万5000人!
「あれからやはり、銚子のみなさんのサバへの想いが変わってきたように思いますね」と大木さん。
いまでは市内でサバグルメを提供する店も増え、やっとサバは銚子で市民権を得たらしい。
そんな起爆剤となった「極上さば料理」をご紹介しよう。
ジェンヌさん、何度もいただいているけれど、ともかく美味しい!

極上さばの刺身

熟成塩たれで仕上げた刺身は、しっかりした食感、とろける味わいで新鮮そのもの。
そればかりか、タレに漬けることで熟成したサバは生を超える衝撃の味わい!
安心・安全でとろける味わいだ。

銚子醤油の漬けさば

銚子特産の濃口醤油をベースに、カツオブシなどを加えた特製のタレで漬けに。
甘さがなくキリリとした「いさぎよい味わい」で、お酒がすすむ!

秘伝さば味噌煮

だし醤油で煮てから白味噌、田舎味噌で味付けと手間ひまかけた逸品。
サバのバツグンの脂のりのよさをいかした、なめらかな美味しさ。

極上さばのつみれ汁

ふっくらやさしいつみれの味わいと、身体にやさしく染み入るようなサバの旨みが加わった汁がたまらない。

極上さば寿司

ジェンヌさんイチオシの「極上さば寿司」。
身がしまりすぎず、ふんわりした食感で、酢飯と一体となってとろけるような舌触り。
ジェンヌ的に言うと「サバ寿司界のシフォンケーキ」!
プレーンな「鯖寿司」、甘く煮たしいたけとガリがアクセントになった「焼き鯖寿司」、ゆず酢を使ったシャリがさわやかな「鯖寿司 ゆず風味」の3種類。

鯖寿司。ときめくまでの「とろふわ」。
全鯖寿司ファンに食べていただきたい!

銚子駅でも完売となる人気の鯖寿司は、いまや銚子プラザホテルの大ヒット商品だ。
銚子プラザホテルも、今年は新型コロナウィルスの影響で宿泊客は激減、宴会は中止と大打撃をこうむった。
そんな状況を支えてくれたのは「サバ」だと大木さん。
通販などで展開している、鯖寿司をはじめとするサバ商品の売れ行きは、いたって好調だったからだ。
「サバというウリがあったからこそです。秋からは多くのお客様がサバを食べにきてくださってね。あのままなんの特色もないレストランだったとしたら……。ほんとうに『サバ様」です」
そして今年、大木さんは新たなサバ商品を開発した。
「燻製さばのオリーブオイル漬け」だ。

「燻製さばのオリーブオイル漬け」。
ふるさと納税商品としても人気。

「これまで洋風のサバ料理がなかったので、何かできないかと思って」と大木さん。
商品名だけを見ると、たんなる「おしゃれ系洋風サバグルメ」のように思えるかもしれないが、とんでもない!
使っている極上さばは「1キロアップ」!
もちろん「熟成塩タレ」を使用。
タレに漬けてから燻製し、ニンニク、鷹の爪などとともにオリーブオイルに漬け込む。

ひとつひとつの切り身が大きい!! 食べ応え十分。
なのに、あまりに美味しくて止まらなくなり、ひと瓶一気に食べたジェンヌ……。

ひと口食べてみる。
えっ!?
とろふわ!
燻製してあるのに、とろとろ。
そして燻製してあるのに身がふっくら。
「スモーキーで、とろふわ」って。
これも熟成塩たれの成せる技!
かつて体験したことのない、ミラクルなサバの燻製!
ジェンヌ的に今年のサバ商品ミシュラン5つ星!
絶品です!
ハイボールやウイスキーなどのお酒にもぴったり。
この商品の凄いところは、「『オイル』までとんでもなく美味しいことです」と大木さん。
「パスタなんかに使うと、そりゃあもう美味しいのよ」と興奮気味に語る大木さんは、さっそく廣半初の洋風メニューの提供をスタートした。
「燻製サバの和風ペペロンチーノパスタ」である。
厨房スタッフと試作を重ねた自慢のパスタは、燻製さばのオリーブオイル漬けと銚子特産のキャベツを炒めてオイルを絡め、隠し味にめんつゆを少々加えて仕上げる。
うわー!
すさまじいまでのサバのコクが、キャベツにもパスタにもしみわたって、一気食い間違いなしの美味しさ。

「燻製サバの和風ペペロンチーノパスタ」。
めんつゆをちらりと入れるのがポイント。ぜひおうちでもお試しを!

同じくサバのオリーブオイル漬けを使った「燻製サバドリア」も開発。
お米の上に燻製サバのオリーブオイル漬けとネギ、まいたけを具にしてホワイトースをかけてチーズをのせて焼き上げる……と、作り方を字面にするとなんだかとってもこってりしていそうだけれど、こーれーが!
ただただ、すさまじいまでのサバのコクがホワイトソースやチーズと融合して、華やかなふくらみのある味わいに!
しかもスッキリ!
サバのいいところしか出てこない味わいなので、これまた一気食い間違いなし!

「燻製サバドリア」。
こちらもめんつゆが隠し味。クリーミーな燻製サバも最高!

2020年12月5日(土)~2021年1月31日(日)には、「第11回銚子極上さば料理祭」が開催される。
銚子プラザホテルをはじめ、加盟店にて「極上さば料理コース」を堪能することができる。

銚子市をはじめ、旭市、茨城県神栖市の飲食店6店舗にて「極上さば料理コース」
(極上さばの刺身、銚子醤油の漬けさば、秘伝さば味噌煮、極上さばのつみれ汁、
 極上さば寿司、デザート)のセットを提供<3600円 税別>。
コース料理提供店舗と銚子市・ひもの工房「あてんぼう」では「極上さば」の干物も販売。

料理祭の時期は、銚子プラザホテルにも毎年、日本各地からサバを楽しみに訪れるリピーターのお客さんが多いという。
なんと「九州からのお客様もいらっしゃるんですよ」と大木さん。
もはや、全国屈指の「サバホテル」だ。
そうそう。
今年の年末年始の予定を考えているあなた、銚子といえば「犬吠埼」。
サバ料理でカウントダウン、日本一早くのぼる初日の出を見て、「サバはじめ」はいかが?

★銚子プラザホテル
https://www.choshiplaza.com/
※鯖寿司、サバの刺身用フィレ、味噌煮、つみれ汁、燻製さばのオリーブオイル漬けなどのサバ商品はHPから購入可能。
★銚子極上さば料理祭
https://sabalover.jimdofree.com/
■全さば連youtubeチャンネル『鯖TUBE』にて
「いい鯖 夢気分~銚子編~」公開中
https://www.youtube.com/channel/UCmnJoTocAILYsws_Evm_MDg
撮影/木村雅章(全さば連 公式サバフォトグラファー)

※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。

icon-gallery
関連記事
あなたにおすすめ

関連キーワード

この記事のライター

池田 陽子
池田 陽子

池田 陽子

最新刊

全店実食調査でお届けするグルメ情報誌「おとなの週末」。10月15日発売の11月号は「神楽坂」を大特集…