個性派ビール飲み比べ 手軽に買える日本&海外の厳選16本

大手メーカーと違い、各ブルワリーの個性溢れるクラフトビール。飲んでみたいけど、ちょっと高い。では、何を飲めばいいのか? 本誌飲み比べ隊がスーパーやコンビニで買えるビールを薄張りグラスで都度洗浄して試飲しました!

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手軽に入手できる個性派からお宝探し

百貨店はもちろん、ちょっとこだわりのあるスーパーやコンビニのビールコーナー。最近どうなっているか、ご存知ですか? いわゆる大手ビール会社の商品と並び、個性派ビールが百花繚乱状態なのです!

ここでは、比較的入手しやすい、国内外の個性派ビールたちをセレクトし、味わいはもちろん、どんなシーンで飲むといいのか、どんな料理と合うのかなどを飲み比べて検証。

すっきりとした味わいのベルギー系を中心とした「白ビール」からスタートし、私たち日本人が思い浮かべるビールの「ラガー(ピルスナー)系」、ホップの香りと豊かな味わいで人気の「IPA系」、黒ビールの「スタウト」など、様々なスタイルで合計30本を徹底比較しました。

それぞれの好みはあるでしょうが、時にはいつもと違う個性派を飲むのも楽しいもの。料理のペアリングも提案しているので、家飲み時の参考になれば幸いです。選ばれし個性派をご堪能あれ。

読む前にチェック。ビールの基本のキ

ビールは大きく分けて2種類。使用する酵母(イースト菌)が異なる。

低温発酵・長期熟成により、沈んだ酵母を使う下面発酵で作られる。スッキリとした味わいやシャープな飲み口が特徴で、日本で流通するビールの約99%は、ラガーの中の「ピルスナー」というスタイル。CMで見るあのビールもこのビールも、異なるビール会社のピルスナーだ。
[主なスタイル]ピルスナー、シュバルツなど

およそ2000年もの歴史を持つ。エール酵母は20℃程度の環境下で、短期間で発酵・熟成する上面発酵。味や香りに多様性があり、スタイルも豊富なことが特徴。華やかな香りで人気の「IPA」は“インディア・ペール・エール”の略称で「ペールエール」の一種である。
[主なスタイル]IPA、スタウト、ヴァイツェン、ホワイトエールなど

おと週のみ比べ隊

日本の個性派厳選10本

まずは国内の厳選10本をご紹介。試飲した15本の中で得点の高かったものをラインナップしています。飲み比べ隊もクオリティの高さに衝撃。スタイルも多様で、好みの1本が見つかるはずです。

ねこにひき

880円

伊勢角屋麦酒

三重

ホップの香りが多重的で フルーティーかつリッチな味わい

米・ポートランドの「カルミーネーション・ブルーイング」とコラボしたビール。爽やかな飲み口と豊潤な余韻が両立する。

「白濁した色みが美しい」(カーツ)、「多量のホップですごくジューシー! もともと大好きで、私的歴代ベスト3に入る1本」(戎)。

スタウト

434円

箕面ビール

大阪

スタウトらしい濃厚な味。これ1本で満足度があり、ダイエットにピッタリ !?

コーヒーやビターチョコレートを感じさせるフレーバー。滑らかな柔らかさとドライな後味にこだわった黒ビールだ。

「甘みの強い揚げせんやかりんとうなど黒糖系のお菓子と相性良し」(武内)、「これ1本で完結しているが、黒酢の酢豚とかでもいけそう」(池田)。

W-IPA

582円

箕面ビール

大阪

『W-IPA』箕面ビール

香り高さと力強さがあり まさにIPAなガツンとくる旨さ

通常の2.5倍のモルト(麦芽)とホップで仕込まれたパンチのある味わい。アルコール度数が9%と高め。

「完成度が高い。デミグラスソースのハンバーグなどに合わせたい」(池田)、「甘みと酸味のあるジャムをつけて食べるパテなどの肉料理にも良さそう」(武内)。

東京 アイピーエー

547円

Far Yeast Brewing

山梨

バランスが良く完成された味わい つまみがなくても十分楽しめる

ホップ由来の豊かな柑橘の香りとフレッシュな苦みが特長。焙煎モルトのほのかな味もフワリ。

「苦みが強くなく、酸味が爽やかで飲みやすい。IPA 初心者に」(カーツ)、「すり下ろし玉ネギがたっぷり入った醤油ベースのソースをかけたステーキに合わせたい」(市村)。

COEDO 毬花 -Marihana-

294円

コエドブルワリー

埼玉

これぞアロマホップ! 華やかな香りでホップ感強し

日本語でホップの花を意味する「毬花」の名称通り、アロマホップが華やか。

「鼻に抜けるシトラスの香りが心地いい。度数が4.5%と低めで飲みやすいのも魅力です」(戎)。

COEDO 瑠璃 -Ruri-

294円

コエドブルワリー

埼玉

『COEDO 瑠璃 -Ruri-』コエドブルワリー

『COEDO 瑠璃 -Ruri-』コエドブルワリー

ほんのりやさしい甘みで飽きのこない美味しさ

ホップの香りと深みのある味わい、そして苦みのバランスが秀逸。口当たりがよく、どんな食事にも合う。

「酵母感があって、上質なクラフトビールという印象」(カーツ)。

COEDO 白 -Shiro-

388円

コエドブルワリー

埼玉

『COEDO 白 -Shiro-』コエドブルワリー

バナナ香が独特の味わい 泡がものすごくクリーミー!

まろやかなコクと滑らかな舌触りが印象的。

「トロピカルな香りと風味で女性が好きそうな味」(市村)、「イモやバナナ的な甘みがありつつ、ボディがしっかり」(池田)。

東京ホワイト

547円

Far Yeast Brewing

山梨

香りが良くてキレがある グビグビいける飲み口の良さ

心地よい酸味とドライな味が特長。

「柑橘の香りが鋭角的で飲み応えがある。食中というよりは、食前に飲みたい」(武内)、「ケーキなどの甘い物と合わせたら楽しそう」(池田)。

常陸野ネストラガー

418円

木内酒造

茨城

ホップの旨みがしっかり! これぞ”ニッポンのビール“

麦芽の芳醇な旨みとキレの良いフレッシュなのど越しが魅力。

「ホップが利いていて、すごく好き」(カーツ)、「飲んだ後の余韻のなくなり方が、ほどよく美しい」(武内)。

銀河高原ビール 小麦のビール

294円

銀河高原ビール

東京

少し濁った色みに爽やかな香りと味わいで軽く飲める

ドイツスタイルの白ビール。

「味の輪郭はハッキリしているが、小麦の甘みと柑橘の風味が柔らかくとても軽やか」(市村)、「フルーティーな味で、ゴクゴク飲めます」(戎)。

海外の個性派厳選6本

続いては、海外の厳選6本。こちらも15本を試飲。高得点のものをご紹介します。ビールによっては高評価と低評価の差が大きく、飲み比べ隊の好みが反映された結果に!? みなさんの好みはどれ?

デュベル

550円

デュベル・モルトガット

ベルギー

ホワイトエールを彷彿させる ほのかな苦みにハマる

ホップの苦みと深い旨みに加え、レモンなど柑橘系の香りとクローブやコショウといったスパイシーさも持ち合わせる。

「ホップのほろ苦さと爽快感があり、ピルスナー的な飲みやすさが魅力」(武内)、「ベルギーらしい華やかさがある」(池田)。

グースIPA

426円

グースアイランド

アメリカ

軽やかでバランス良し 口中でホップがライトに香る

ホップのフルーティーな香りと味わいを楽しむならこの1本。

「IPAらしさはありつつ、酸味が穏やかでよくできている。初心者に薦めやすいところも魅力。肉じゃがとも合いそう」(武内)、「アメリカらしい苦みと香りのバランスが絶妙!」(カーツ)。

シメイ ブルー

542円

シメイ

ベルギー

苦いけど甘みも強い! 葉巻を吸いつつ、のんびり飲みたい

カラメルのような香ばしさが魅惑的。3種のシメイでも最高峰のランクで、ヴィンテージが入り、年により味わいが異なる。

「ボディが強烈」(市村)、「タイ料理に合わせたい!」(戎)。

ブルームーン

306円

ブルームーン

アメリカ

『ブルームーン』ブルームーン(アメリカ)

コリアンダーと柑橘の香りが鮮烈! されど、酸味は穏やか

オレンジが香り、口当たりは滑らかでクリーミー。

「コリアンダーなどのクセが強いけど、飲み進めるうちにハマる。スパイス料理との相性がいいが、おつまみなしでもOK」(市村)。

ストーンIPA

637円

ストーン

アメリカ

クリーンな苦みと香りから感じる教科書通りのIPA!

3種のホップを段階的に分けて大量投入した贅沢なIPA。

「ほんのり甘い香りとしっかりとした苦みのバランスが秀逸」(戎)、「口当たりが濃厚。アメリカっぽい陽気な甘みも」(池田)。

ロングボードアイランドラガー

438円

コナビール

アメリカ

海でボーッとしつつ、ゴクゴク飲みたい、太陽のビール

ほんのりモルトの甘みと最後にピリッとスパイシーな爽快感がある1本。

「思い出のビール。味も缶のデザインも好き」(カーツ)、「暑い日にキリッと冷やしてぜひ」(戎)。

全30本を飲み終えて……ほろ酔い座談会

スタイルの違いで個性はあれど、熾烈を極めた飲み比べ。結果、それぞれの好みがわかり、飲む側の個性も色濃く出たのでした。

戎「国内外の個性派ビールを飲み比べましたが、国産の評価が総じて高かったですね」

池田(以下、池)「日本のビールって優秀だなと感じました。個人的に気に入ったのは『COEDO瑠璃』や『銀河高原 小麦のビール』。個性派ビールって主張が強いイメージだったから、和食と合わせる印象はなかったんだよね」

市村(以下、市)「日本の水で作られているから、飲んでいて落ち着くんですかね。『銀河高原 小麦のビール』は国産クラフトを初期から牽引した存在という認識でしたが、久しく飲んでなく。すごくクリアな美味しさで驚きました」

カーツ(以下、カ)「僕は価格が高いから、あまり家でビールは飲まないんだけど、飲むならIPAを選んでる。バランスの良さは『東京アイピーエー』や『グース』。完成度では、箕面の『W -IPA』。ボディに苦みがあって、ビーフシチューにも合いそう」

武内(以下、武)「国内のIPAは想像以上に美味しかったんですけど、どれを飲んでも海外産ほど個性が強くないように感じました。でも人気があるし、初心者の方にはいいのかな」

戎「そうですね。今回は比較的飲みやすいものを選びました」

武「個人的にはピルスナーが一番好きですが、僕にとってはここまでホップを利かさなくてもいいかなというのが正直なところ。だから、苦みや酸味が控えめのものに高い評価を付けました」

カ「『常陸野ネストラガー』は日本のラガーの中では、すごく美味しい。『COEDO 瑠璃』は主張を感じるけど、その個性をピルスナーに求めなくてもいいかなという気はしました」

武「ピルスナーを飲むんだったら、穏やかな味のIPAを選んだほうが楽しめるんじゃないかな。どんな料理とも相性がいいのがピルスナー。熱いものや辛いもの、味の濃いものだったら主張の弱いホワイトビール。ゆっくり飲みたいときはIPA。スタウトはかりんとうやマーラーカオがあれば最高です」

池「僕はエールが好きなんだけど、今回は気に入るものがなかった。敢えて言うなら、紹介枠に入らなかったけど『プレミアムレッドエール』(エチゴビール)。ちょっとベリーで繊細な感じや赤みがかった色みは、飲んでて気分が上がった」

市「カーツさんや戎さんはIPA好きだから、どっしりと濃いのが好み? ということは、飲み慣れていない人はふたりの逆を選べばいい?」

武「そうですね。ビールは苦くて敬遠気味な人には、軽い飲み口の白を薦めるのはアリかな。ゴクゴク飲めるから、素麺とか鍋に合うと思う」

戎「国産はIPAが中心かなという一方で、海外産はスタイルがバラけた印象です」

武「『コナビール』の缶は、デザインがかっこいいよね。ハワイのビーチで隣にビキニの女性がいたら完璧!」

カ「コナは初めて行ったブルワリーで思い出深い。今でも栓抜きのキーホルダーを持ち歩いてる」

戎「ラベルのデザインも魅力的ですよね。『ストーン』は、缶のイラストがザ・グレート・カブキみたいって盛り上がりました。実際に僕もやりますが、ラベルで買うのも楽しいですよ」

カ「温度帯で味わいが変化するのも面白かった。最初飲んで、しばらく置いてから飲むと印象が変わります。個性派ならではの楽しみ方だなと思います!」

※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。

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