東京五輪・パラリンピックの開催が目前に迫りました。アスリートたちの活躍を支える選手村の食堂では、大会史上初めて、一般から採用されたメニューが加わり、五輪への関心をますます高めています。それぞれのメニューには、夏バテを予防する、家庭の食卓のヒントも満載です。
画像ギャラリー和食から各国料理まで、100万食以上を提供
7月13日、世界各国の選手や関係者らが宿泊する選手村が、東京都中央区晴海にオープンしました。選手村での食事の提供は、メインダイニングとカジュアルダイニングの2カ所が設けられています。9月5日までの大会期間中、1万人を超える選手と関係者が利用し、100万食以上の食事が提供される予定になっております。
メインダイニングでは、世界各国の料理がふるまわれるほか、選手の宗教上の理由を配慮したメニューも用意されており、国際色豊かな食卓となっています。
一方のカジュアルダイニングでは、東日本大震災で影響を受けた被災地をはじめ東京や地方のさまざまな食材、特産品を扱った品々が並び、日本の食文化を世界に向けて発信する役割も担います。
全国から715件の応募 「みんなのフードプロジェクト」
今回、初めて一般公募によって選ばれた5品は、カジュアルダイニングのメニューの一部として、それぞれ提供されます。
大会初となるこの試みは、五輪・パラリンピック競技大会組織委員会が「みんなのフードプロジェクト」と称し、「アスリートに食べてほしい自慢の料理や家庭の味、リフレッシュメニュー」を個人や団体から、2019年8月から9月にかけて募集。全国から715件の応募があり、2021年4月、その中からカジュアルダイニングで提供される「本賞」5品が選ばれ、話題となりました。
自分の考案したレシピが、一流シェフの手によって食卓を彩り、各国のアスリートたちが味わい、最大限の活躍を支えるパワーになる・・・夢のような企画に見事採用された品々を、組織委員会ホームページで改めて見ると、この夏、一般家庭でも味わえそうなヒントがたくさんあることに気づきます。
夏バテ防止!アスリートそうめん
のど越しのよいそうめんは、夏の食卓の定番です。このメニューでは、枝豆、鶏肉、ブロッコリーや鮭、長芋、オクラと盛りだくさんの具材に、トマトジュースと梅干をからめ、栄養価が高く、疲労回復も期待できるとのこと。めんつゆにネギやミョウガなどの薬味を添える、ありきたりを一新する人気の一品になりそうです。
鮭ザンギの国産はちみつレモンソース
ザンギとは、醬油ベースの調味料にしっかり漬け込んだ鶏のから揚げ。北海道民には、おなじみのメニューです。こちらは、鶏肉の代わりに鮭でアレンジしており、国産レモンとはちみつというテッパンの組み合わせで、さっぱりと仕上げたそうです。子どもたちの夏休みは、ママたちにとって毎食の用意が悩みどころですが、「鮭ザンギ」は、魚嫌いのお子さんにも、ウケがいいかもしれません。
日本の国民食「おでん」夏バージョン!
日本の国民食「おでん」夏バージョン!厳しい暑さを乗り切って笑顔の花をたくさん咲かせてください!©︎Tokyo 2020
トマトやナス、トウモロコシなど旬の夏野菜に彩られた、見た目にも美しい冷やしおでん。どの家庭でもなじみ深いおでんを、夏でも楽しめるよう、具材のうまみがしみ込んだ出汁と隠し味に塩こうじを入れてまろやかな味わいに仕上げ、夏野菜もたっぷり頂けます。お鍋ひとつで、みんなを笑顔にする新しいおでんの魅力が楽しめるとあって、今晩すぐにでも食べたくなる一品です。
ずんだdeパンナコッタ
茹でた枝豆をすりつぶした仙台名物のずんだを、イタリア発祥のデザート「パンナコッタ」に仕上げた斬新さが光ります。一般的なパンナコッタより、生クリームの量を減らしているそうで、甘さ控えめでありながら、ビタミンやミネラル豊富な栄養価の高いデザートになっているとのこと。涼を感じさせるグリーングラデーションは、来客へのおもてなしにも喜ばれることでしょう。
さっぱり桃トースト
芳醇な桃と塩辛い生ハム、ほどよく溶けたクリームチーズの絶妙な組み合わせは、さまざまな栄養素がぎゅっとつまった1枚です。こんなオシャレなトーストに、コーヒーでも添えれば、自宅にいながら、カフェ気分を味わえます。モーニングや軽食として、食卓に上がる機会も増えそうです。
旬のもの、地場産品…猛暑の食卓のヒントに
こうしてみると、どの品々も、身近な食材や旬のもの、地場産品を用いてひと工夫し、日本の猛暑を乗り切って、最高のパフォーマンスをみせてほしいという心を込めた「お・も・て・な・し」が伝わってきます。そんな5品を参考に、ぜひ、食卓に取り入れて、アスリートの活躍を応援してはいかがでしょうか。
※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。
画像ギャラリー