9月20日は秋のお彼岸の入りです。お彼岸といえばお供え物やお土産におはぎを連想する方が多いと思います。粒あん、こしあん、きなこなど、色々なタイプがありますが、皆さんはどのようなおはぎがお好みでしょうか。
画像ギャラリー個人的には大手スーパーマーケット「ヤオコー」の手握りおはぎ「あずき香る粒あんおはぎ」(1個106円税込)が大好物です。
ふっくらとしたもち米に、小豆感の際立った粒あんがたまりません。「ヤオコーのおはぎ」はファンが多く、もはや「老舗和菓子店の味」と言っても過言ではないでしょう。
発売から18年が経つおはぎは、現在175店で、1日計28000個を販売(1店舗平均で約1日160 個販売)、8月のお盆には、1日約6000個販売するお店(群馬県・富岡店)もあったそうです。
ヤオコーの中でも、このおはぎを握ることができるのは「おはぎ検定」に合格した人のみというルールがあります。量販店と侮れるなかれ、ヤオコーのおはぎが愛される秘密に迫ります。
そもそもヤオコーとは?
ヤオコー(本社・埼玉県川越市)は関東1都6県のエリアで展開するスーパーマーケット。
1890年に埼玉県小川町で青果商「八百幸商店」を創業したことに始まります。現在、175店舗を営業中です。
プライベートブランド(PB)商品も多く、おはぎ以外にも中華まん、カステラ、プレミアムハンバーグも絶品です。
余談ですが、社歌「明日への翼」は多くのCMソングを生み出した小林亜星さん(2021年没)の作曲(作詞はさがらよしあきさん)で、毎朝の開店準備時に流し、従業員の気持ちを盛り上げています。
「さいち」に感動、ヤオコーでもおはぎを看板商品に
ヤオコーでおはぎを取り扱い始めたのが2003年。川越南古谷店(埼玉)オープンのことです。
看板商品を作ろうとしたのがきっかけです。おはぎに注目し、商品開発のため当時のバイヤーがおはぎで有名だった仙台・秋保温泉のスーパー「主婦の店さいち」を訪れました。商品は仙台名物として名高い逸品です。
「さいち」のおはぎは賞味期限が当日で、地元以外で販売されることはほとんどありませんが、それでも1日に約5000個を売るという超人気商品です。バイヤーもあんこたっぷりのおはぎのボリュームとおいしさに感動しました。
何よりもおはぎを求めてやってくる熱心なお客さんの姿に「ヤオコーでもぜひそんな商品を作りたい!」と強く心に思ったといいます。
早速、さいちに志願して、おはぎの製造方法を学びました。指導を受け、作った商品はさいちから「関東で食べられるさいちのおはぎ」とのお墨付きをもらうことができました。
余談ですが、先日、東京・銀座で開催中の東日本各地のグルメを集めたイベント「のもの POP-UP STORE」で、さいちのおはぎを初めて味わうことができました(催事でのおはぎの販売は終了しました)。
ボリュームたっぷりのあんこに、ほおばるとしっかりとした甘さが口の中に広がります。ヤオコーのおはぎ同様、1つでかなり満足感があり、ヤオコーのものよりは甘さが強い印象です。ぜひとも食べたくなる味です。
「おはぎ検定」の有資格者が守るヤオコーの味 糖度にもこだわり
その後、ヤオコーは小豆の味を感じられるあんこにするため、商品を改良。店舗展開する関東地方で支持される味を作り上げていったと言います。
現在は埼玉県東松山市にある自社工場で全店に流通するあんこを製造しています。一般的なサイズの鍋と、大きな工場で使う鍋では火加減なども異なるため、工場の設立当初は鍋で煮詰めたあんこと同じ様に、安定した品質を実現する事が大変だったそうです。
ヤオコーがおはぎ作りでこだわっているのがあんこの糖度。通常のおはぎが45度(自社のリサーチによる)に対して、自社工場で38~39度の低糖度に設定しています。低糖度のため、賞味期限が短くなりますが、より小豆の美味しさが引き立ち、何個でも食べられるようになるのだとか。粒あんの美味しさをしっかり味わってもらいたいという思いから、粒あんともち米の割合を2(80g):1(40g)という「黄金比」でおはぎを握っています。
ヤオコーは関東一円でチェーン展開しているので、おはぎを握る各店で同じ味、品質で提供しなければなりません。ヤオコーではおはぎを握るための技術認定試験「おはぎ検定」を設けており、実際の製造作業にならった手順で形、重量(お寿司の職人さんが手でシャリを量るイメージです)、握るスピードなどを審査しています。合格した人のみがおはぎを握ることができ、現在、社内にいる510人の合格者の手で美味しさを守っています。
ヤオコーおはぎ 粒あんとずんだを実食!
ヤオコーのおはぎについて説明をしていたら、久しぶりに食べてみたくなり、自宅近くの店舗へ行ってみました。粒あんとずんだのおはぎを購入しました。いつ見ても感動的な大きさです(自宅で採寸してみたところ幅7センチ、長さ9センチ、高さ4センチ)。粒あんはいつも通りの美味しさで、パクパクと食べられ2個をあっという間に食べてしまいました。
2個では足りないと思い購入した2パック(3個)目にすぐに到達。「甘さを控えめにして何個でも食べられる」というヤオコーさんの狙いにしっかりとはまっているのでした。ずんだは枝豆の風味がとても強く、ほおばるとさわやかな風味が鼻孔を通っていきます。やさしい甘みの粒あんとはまた違った魅力があります。粒あんを1つ食べ、ずんだを1つ食べると、また粒あんの甘みを思い出し、もう1つ。甘味好きの方ならば空腹時に交互に食べていくと、粒あん、ずんだ、粒あん、ずんだ…と、4個くらいぺろりと食べてしまいそうな気がします。
「ヤオコーのどら焼」も美味
おはぎは、粒あん、ずんだのほか、きなこ、一口サイズの「手握りこはぎ」もあります。その他店舗によって限定メニューもあるそうです。あんこが好評だったので、派生商品として「ヤオコーのどら焼」(1個106円税込)も発売しています。
こちらも東松山の自社工場で製造し、各店舗へ届けています。自宅近くの店舗で発見したので、購入して食べてみました。お、美味しい!生地に練りこまれた黒糖の風味と、上品な小豆のあんこの相性が最高です。あんこの美味しさはもちろんのこと、このあんこを包んだ生地がかなりの美味しさです。ヤオコーでは関東の有名店のどらやきを自社で研究し開発しているといい、そのこだわりが味にしっかりと反映されていました。
どら焼きは家庭向けとしてだけではなく、贈答用にも購入してもらいたいとオリジナルボックスも用意しているそうで、味への自信が感じられます。おはぎだけでなくどら焼きもおススメしたくなる味です。
このお彼岸の時期とともに、食欲の秋に食べたくなるおはぎとどら焼き。ヤオコーがお近くにある方はチェックしてみてはいかがでしょうか。
※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。
画像ギャラリー