ティモンディ前田裕太の“おとな”入門

【ティモンディ前田裕太の“おとな”入門】第8回 「趣味」編(2)天文学が教えてくれたこと

お笑いコンビ「ティモンディ」前田裕太さんの、「目指せ、理想の大人」をメインテーマに掲げた連載コラム。30代を目前にした前田さんが「大人」を目指して過ごす日々を、食・趣味・仕事など様々な視点で綴ってくださいます。連載は、第1・3木曜日に更新です。「(理想の)大人ってなんだろう?」を一緒に考えながら、前田さんの成長を見守りましょう! 今回は、「趣味」編の第2回。「一人でできる趣味」として始めた天文学の勉強が、思わぬ形で前田さんの心を救っているようです。

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友達が少ない私の「遊び方」

私には友達がいない。

いや、いないと言うのは流石に誇張しすぎたけれど、友達と言える人は片手で収まるくらい。
少なっ。
自分で言っていてゾッとした。

おそらく、友達と認定するラインが高いからそうなっているのだろう。

あと、自分は友達だと思っていても、相手が違う認識だった場合、なんだか身ぐるみ剥がされて裸を嘲笑われたような羞恥心に赤面してしまうことになるから、そうなることを忌避しているのだろう。

そんな思いを私は私自身にさせたくない。

だから、予防線を張っていると言われたらそうなのかもしれないけれど、自分を守るためだったら予防線だろうがピアノ線だろうが張り巡らせて、籠城しても当然。
来る者拒み、去る者は背中をライフルで狙撃するスタイルでやってきている。そりゃ友人も少なくなるわ。

だから、私は一人でできる遊びを比較的好む。友人と行うような趣味や遊びであれば、その数少ない友人たちを毎回付き合わせてしまうし、断られるのも嫌なので、結局そういう趣味であれば、長くは続かずにやめてしまう。

我ながら我が儘だなあ、と思う。けれど、仕事も何も関係のない趣味なんて、我が儘でいいではないか。

だから、私は一人で好きなタイミングで始められて、好きなタイミングでやめられるものを趣味と呼び、いわゆる一人遊びを今年30歳になるまで続けてしまっている。

天文学、一人のアラサーを救う

最近だと、趣味として天文学を勉強している。読者諸兄姉は、天文学の魅力にお気づきだろうか。

僕のようなお笑い芸人が小さい宇宙の塵の1つだとしたら、お笑いという概念が宇宙そのものであって、宇宙を知ることで塵である自分にも存在価値を見出せるし、塵であってもいいと自覚できる。素晴らしい学問なのだ。

具体的な例を挙げてみよう。

みなさんは、太陽は明るくて、その光が届いている地球の空気中も明るいのに、太陽と地球の間の宇宙はなぜ真っ暗なのか考えたことはあるだろうか。

宇宙空間における太陽の周囲は、実は意外と真っ暗。地球を出れば、いくら太陽に近づいても闇が続いている。

それは、実は光というのは、物質に反射して我々の目に届いていて、日中が明るく見えるのも、太陽の光が地球の空気中にある塵や水分や気体の粒に光が当たって、それが我々の目に届くためである。

宇宙の空間は、細かい塵があるだけで、ほぼ真空である。そのような環境では光は反射せず、周囲を明るく照らすことができないのだ。

だから、宇宙の塵にしかすぎない私であっても、真っ暗な空間にいる人を照らす手助けが少しでもできるのであれば、それでいいじゃないか、とそう思わせてくれるのだ。

私のような塵にも、存在価値を見出させてくれて、ありがとう、天文学。

趣味で手を伸ばしてみた学問の一端が、一人のアラサーを救った瞬間である。

他にも、人工的に太陽は作れるのか、とか
火星に住むにはどうしたらいいのか、とか
人類はあとどれくらいで地球に住めなくなるのか、とか
天文学を勉強し出したらどうなってしまうのか答えが気になる謎が山積みで、興味が止まらなくなってしまい、今や論文を読み漁るようにまでなってしまった。

興味がある人は、試しに宇宙についてまとめてる入門本のようなものを購入してみるといい。趣味への入り口は、そういった手に取りやすいところにあったりする。

他にも趣味は多々あるので、また次回にも別の趣味を紹介しようと思う。

前田裕太(まえだ ゆうた)
1992年8月25日生まれ、神奈川県出身。愛媛県の名門、済美高校野球部の同期である高岸宏行とのお笑いコンビ「ティモンディ」のツッコミ担当。趣味はサッカー観戦、読書。テレビ番組で披露した絵の実力も話題になるなどマルチな活動で注目を浴びている。コンビの野球経験をいかしたYouTubeチャンネル『ティモンディチャンネル』は登録者数25万人超え。

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