ティモンディ前田裕太の“おとな”入門

【ティモンディ前田裕太の“おとな”入門】第10回 「趣味」編(4)失敗を楽しむ大人の趣味、ゴルフ

仕事も人生も、ゴルフと同じ きっと、生き方もそうなのだろう。 仕事で上手くいかないことも多いけれど、その失敗も楽しめれば、きっと人生というゴルフは楽しく過ごせるのかも知れない。 ロケ現場で失敗をした時は、大声で「ファー!…

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お笑いコンビ「ティモンディ」前田裕太さんの、「目指せ、理想の大人」をメインテーマに掲げた連載コラム。30代を目前にした前田さんが「大人」を目指して過ごす日々を、食・趣味・仕事など様々な視点で綴ってくださいます。連載は、第1・3木曜日に更新です。「(理想の)大人ってなんだろう?」を一緒に考えながら、前田さんの成長を見守りましょう!
今回は、「趣味」編の第4回。趣味に限らず、食べ物や音楽でも、昔は興味がなかったのに、実際に試してみたらハマってしまうことってありますよね。前田さんにとって、まさにそんなスポーツだったゴルフ。どんなところに魅力を感じているのでしょうか。

まさかゴルフにハマるとは

ずっとおじさんのスポーツだと思っていたゴルフにハマった。

齢29歳になる私は、もう既におじさんと言って十分な年齢なのでおじさんのスポーツだと思っていたものにハマるのは、まあ年相応なのかもしれないけれど。

肌感はまだ24歳くらいなのになあ。肉体だけ随分と老いてしまったものだ。

この精神と肉体の乖離がどんどん開いていってしまうと考えると未来にゾッとする。わんぱく小僧のまま50代にならないよう、内面も肉体に合わせて熟成させていきたいものだ。

にしても、まさかゴルフに浸かってしまうとは思ってもみなかった。

テレビで深夜やってるゴルフの大会なんて興味もなかったし、幼少期、父親がテレビでゴルフ中継を観戦している姿を見て、一体何が楽しくてこんな変わり映えしないものを見ているのだろうと思っていた。

いつ見ても選手がゴルフクラブを振り回しているだけで、同じようなことを繰り返してばかりで、正直言って見てる分には退屈でしかなかった。

ゴルフをやるようになったきっかけは、仕事でゴルフをやることになったからなのだけれど、いざやってみると、まさかこんなに奥が深いスポーツだったとは思いもよらなかった。

失敗を楽しむ大人の趣味、「ゴルフ」の奥深さ

ゴルフというスポーツは、プロのゴルファーでもミスをする。ミスをするのが当然と言っても過言ではないスポーツである。

素人の私達なんて、そりゃ当たり前のようにミスをしてしまう。

これが、本当に良いのだ。

こう言っていると、私のことをミスを喜ぶとんでもない変態に思うかもしれないけれど、まあ最後まで聞いてほしい。

私は自慢ではないけれど、自分の身体を比較的、思った通りに動かせる。なので、上手い人の動きを見れば、それに倣って真似をするだけで、大体のスポーツは上手くいく。

自分では真似が上手いだけだと思うのだけれど、世間では、これを運動神経が良いと言うのかも知れない。

どんなスポーツでもある程度卒なくこなせる自負があるのだけれど、ただ、そんな私からしても、ゴルフは本当に難しい。

例えば、ゴルフのスイングをする時に、身体の軸を意識したら体重移動がおろそかになって変な方向に飛んだり、フォームを意識しすぎて全然遠くへ飛ばなかったり、修正点を意識すると別の問題点が生まれたりするので、ゴルフをしていて、満足のいく打球というのは、なかなか飛んでいかない。

たまに思った通りに球が飛んだとしても、それを連続でポンポンと打つことが難しい。

大体みんなそんな感じでゴルフをやっている。

もはや、ゴルフを趣味でやってる人は、ミスをしにゴルフ場へ行っているのではないだろうか。

ただ、これは、人生だなあ、と思う。

自分で100点と言える打球を打てたとしても、また良い打球を打ちたい!と欲を出せば、ヘロヘロの打球を打ってしまうことになる。

欲しがりすぎて、その精神がアウトプットされると結果はついてこなくなってしまう。

いいツッコミをしてウケたから、調子に乗って言葉を色々と付け加えたら、完全に余計な一言だったようなスタジオの現場にも似ている。

色々考えすぎない方が上手くいくこともある。ゴルフを心から楽しむには、上手くいかないことをも楽しめるようにならないといけない。

失敗を楽しむなんて、これはまごうことなき、大人の趣味だ。

仕事も人生も、ゴルフと同じ

きっと、生き方もそうなのだろう。

仕事で上手くいかないことも多いけれど、その失敗も楽しめれば、きっと人生というゴルフは楽しく過ごせるのかも知れない。

ロケ現場で失敗をした時は、大声で「ファー!」と叫びたくなるけれど、次にまたボールを打つ番が来た時には、ウジウジしないでフラットな気持ちで挑んだ時の方が、きっと上手くいく。
(ゴルフはとんでもない方向に打ってしまった時は「ファー」と叫ぶ。私は毎回のようにゴルフ場で叫ぶハメになる単語である。)

私は性格上、上手くいった点よりも、ミスをしたことを悔いて引きずって、結局仕事が終わった後は後ろ向きな気分で1日を終えることが多い。

今日も反省点があったなあ、とか、準備をする方向性を間違えたなあ、とか、深みにハマってしまって寝られなくなった夜が幾度あることか。

これを、ゴルフを楽しむようにできればなあ、と思う。

仕事だから色々と責任感を持って向き合っているのだけれど、今後も何十年と付き合っていく関係性を仕事と築いていくのであれば、なんとか、ゴルフくらいミスも楽しめる余地がなければやっていけないなあとも思う。

まずはミスをも楽しむ大人の趣味であるゴルフを、大人らしくきちんと楽しめるようになってから、この今の芸能界での仕事も、ゴルフのように楽しんでいけたら良いなあ、と思う。

前田裕太(まえだ ゆうた)
1992年8月25日生まれ、神奈川県出身。愛媛県の名門、済美高校野球部の同期である高岸宏行とのお笑いコンビ「ティモンディ」のツッコミ担当。趣味はサッカー観戦、読書。テレビ番組で披露した絵の実力も話題になるなどマルチな活動で注目を浴びている。コンビの野球経験をいかしたYouTubeチャンネル『ティモンディチャンネル』は登録者数25万人超え。

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