まとめ買い&時短に大活躍! いま話題の冷凍できる食材と意外なNG食材

旬の食材はリーズナブルなだけではなく、美味しく、栄養価も高くなっています。そのため、ど~んとまとめ買いをしたいところです。でも、生の食材は冷蔵保存では鮮度が保てるのはせいぜい2~3日。そこで活用したのが冷凍庫。しかし、冷…

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旬の食材はリーズナブルなだけではなく、美味しく、栄養価も高くなっています。そのため、ど~んとまとめ買いをしたいところです。でも、生の食材は冷蔵保存では鮮度が保てるのはせいぜい2~3日。そこで活用したのが冷凍庫。しかし、冷凍保存も万能というわけではありません。冷凍保存に適した食材と適さない食材を見極めないと、食材を台なしにしてしまうことも……。では、どのような食材なら冷凍にしても変わらぬ美味しさを維持できるのかを考えていきましょう。

文/田村順子(フードライター)、写真/写真AC

生食する野菜は冷凍NG

基本的に、ほとんどの野菜はそのまま冷凍することができます。ただし、水分の多い野菜は冷凍するとシャキシャキの食感が失われてしまいます。そのため、生で食べることを前提とする野菜の冷凍は不可と考えましょう。特に、レタス、きゅうり、トマトは冷凍には不向きです。

レタスのようにパリパリ食感を楽しみたい野菜は冷凍してはダメ。冷凍は野菜の水分を奪ってしまうので、しんなりしてしまう

解凍後に調理をするのであれば、白菜やピーマン、もやし、キャベツ、小松菜などの葉もの野菜などの水分の多い野菜も冷凍しても問題ありません。ただし、解凍後はクタっとした食感になってしまうので、野菜炒めのようなサッと加熱してシャキシャキとした野菜の食感を楽しむような料理に使用するのはお薦めできません。

小松菜やほうれん草などの葉もの野菜も冷凍は可能だが、解凍後はクタッとしてしまうので、生の野菜の食感は失われる

冷凍したほうが調理時間を節約できることもあります。たとえば、野菜の中の細胞が壊れたことで柔らかくなったり味が入りやすくなるため、味が染みにくい大根、にんじん、れんこんなどの根菜類、いも類などは、一度冷凍したもの使ったほうが短時間で美味しく仕上げることができます。

トマトも生食ではなく、ラタトゥイユのような煮込み料理に使用するなら冷凍したもののほうが調理時間を短縮できます。 きのこは洗って冷凍すると風味が落ちてしまうので、洗わずに冷凍しましょう。汚れが気になるなら、水で湿らせたキッチンペーパーで汚れを拭き取りましょう。

トマトは煮込み料理やトマトソースなどに使用するなら冷凍してもOK
きのこは洗って冷凍すると旨味や香りが失われてしまう。しめじなら石づきを落として小房に分けるなど、下処理をしてから冷凍しよう

水分の少ない加工食品ならOK

加工食品ですが、パンは冷凍しても美味しくいただけます。ただし、乾燥をしないように個別にラップで包んでから保存袋に入れて、保存袋からしっかり空気を抜いて冷凍保存しましょう。ただし、保存期間が長すぎると乾燥してパサついてしまうので、長くても1カ月以内には食べきりましょう。

いっぽう、こんにゃく、豆腐は冷凍には不向きです。これらは冷凍することで水分が抜けてしまい、硬くなってしまいます。ただし、豆腐の場合は冷凍すると凍み豆腐のようになって味染みが良くなるため、煮ものなどに使用すれば美味しくいただくことができます。

チーズは冷凍すると若干、ボソボソした食感になってしまいますが、プロセスチーズやピザ用チーズは冷凍保存が可能です。ただし、水分が多いモッツァレラチーズなどのフレッシュチーズは食感が落ちるので冷凍は避けましょう。

こんにゃくは冷凍すると水分が抜けて硬く、ゴムのようになってしまう

肉はパックから出してドリップを除去

肉はまとめ買いして冷凍することが多い食材だと思います。ほとんどの肉は冷凍ができますが、鶏の胸肉、ささみなどのように脂質が少ない肉はパサついてしまうためお薦めできません。また、解凍肉と表示されたものは再冷凍になってしまうため避けましょう。

注意したいのは、パックのまま冷凍しないことです。肉の内部から出てくる血のような液体(ドリップ)とともに冷凍してしまうと臭みの原因になってしまいます。

ひき肉でも切り落としでも、肉を冷凍する時はパックから出して保存袋に入れて冷凍しましょう。

パックのまま冷凍すると臭みが強くなることがある。また、解凍品と表示されているものは冷凍してはダメ

魚介類は塩味が強いものや干物ならOK

魚介類は肉と異なり冷凍によって組織が破壊されやすいため鮮度や味が落ちやすい食材です。業務用に急速冷凍されたものは問題ありませんが、家庭用の冷凍庫で冷凍するのはお薦めできません。

冷凍が可能なのは、水分が少ない干物や塩味の強い塩鮭など。魚が安かったので多めに買ってしまい、2~3日くらい冷凍しておきたいというのであれば問題はありませんが、肉と同様に解凍と記載されたものの再冷凍は避けましょう。

魚の脂は肉の脂と比較して非常に酸化しやすいため、冷凍したとしても他の食材よりも早めに食べきるようにしましょう。酸化油は体にさまざまな害を及ぼす活性酸素を発生させてしまうため、注意が必要です。

塩漬けにされた塩鮭のような魚は冷凍OKだが、早めに食べきるように

野菜の食感が残せる下茹で冷凍

野菜は少し面倒ですが、下茹でをするというひと手間をかけるだけで食感を残し、旨味を落とすことなく冷凍することができます。変色を防げたり、調理時間を短縮できるというメリットもあります。

特に、ブロッコリーやアスパラガス、オクラなどの温野菜で食べることが多い野菜や、いも類は下茹でして冷凍すると食感があまり変わらず美味しくいただくことができます。ただし、下茹でをする時は、硬めに茹でないと、解凍した後の食感が悪くなってしまいます。茹で上がったら水気をキッチンペーパーなどで拭き取り、粗熱がとれたら保存袋へ入れて冷凍庫へ。

保存袋に入れたらできるだけ平らにして、空気を抜いて真空に近い状態にして冷凍すると美味しさが長続きします。

ほうれん草、小松菜などの葉もの野菜も下茹でしてから保存すると、解凍後にそのままおひたしなどに使用できて便利です。

ブロッコリーは生のまま冷凍してもOKだが、下茹ですると変色も防げる。ただし、茹ですぎると解凍した時に花蕾の部分がボロボロになってしまう
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