THE SECONDの初代チャンピオンに輝いたお笑いコンビ「ギャロップ」。そのボケ担当・林 健(たけし)さんは専門のYouTubeチャンネルをもつほどのチャーハン好き。そんな林さんのチャーハン愛あふれる連載がスタート。初回はチャーハンにハマるきっかけとなった大阪・天下茶屋のお店を紹介します。
画像ギャラリーYouTubeチャンネルの原点は地元大阪・天下茶屋にあった
「お先ハゲさせてもらってます。チャーハン林です」
この挨拶からはじまる「チャーハン林」のYouTube動画。スタートしたのは2019年12月。初回は林さんとゲストに後輩のお笑いコンビ、和牛の川西賢志郎さんを迎えて、チャーハンのおいしい店を巡りました。
実は林さん、10年前にこの川西さんとふたりでチャーハンの食べ歩きをしていたのです。その後、かまいたちの濱家さんをはじめ、数人のメンバーでチャーハンサークルを作って活動していました。それが「チャーハン林」へとつながるわけです。
そこからさらに遡ること約30年、林さんがチャーハンを好きになった原点を聞いてみました。それが今回紹介するお店です。
「大阪市西成区にある『満風麺(まんぷうめん)』です。中学3年生の時、塾の帰りに友達に誘われて行ったのが最初です。ここではじめてチャーハンにハマりました」
地下鉄四ツ橋線花園町駅からすぐ近く、1974年に創業したラーメン屋さんです。「チャーハン林」でも第2回に訪れています。
そのとき一緒に連れていたのが、サークルメンバーの川西さん。「川西くん、行ったかな?」と聞くと、実は常連だったことが発覚し、動揺する林さん。しかし、当時林さんが川西さんにオススメしていたことを告白されると、思わず笑みを浮かべる林さんでした。
その後も動画内で、思い出話に花を咲かせていたふたりですが、このとき、のちの「チャーハン林」に大きな影響を与えることになる、ある“取り決まり”ができたのです。
「チャーハン林」という名のチャンネルだから、ラーメンを食べてはいけないだろうという話になり、動画内ではチャーハンしか食べてはいけないことが決定しました。
ラーメンを超えるチャーハンのおいしさに衝撃!
話を『満風麺』に戻しましょう。ラーメン屋さんでラーメンがおいしいのは当たり前ですが、それよりもチャーハンがおいしいことに「どうなってんの?」と当時衝撃を受けた林少年。それから20数年通い続けています。
林さんが訪れている20数年間変わらず厨房に立ち続けるのが店主・佐野良次さん。店主ひとりが調理の一手を担っているのです。その理由を林さんはこう推測します。「チャーハンは誰かに教えるというものではない。それくらい難しい料理。めちゃくちゃ難しいことをいとも簡単にやるのがかっこいいんです」。
厨房からカンカンカンカンと小気味よく音を立て、手際よくチャーハンを作る佐野さん。その姿が望めるカウンター席は特等席。2階もあるが、せっかくならここでその所作から楽しみたいものです。
できあがった「チャーハン」は、しっとりかつふっくら仕上げ。少し加えるラーメンスープによる賜物です。そして長年継ぎ足した香ばしい醤油ダレと卵の甘みや焼豚の旨みが合わさって、咀嚼するごとにふくよか味わいが広がっていきます。
久々に食べるチャーハンに感動する川西さんの姿をうれしそうに眺めた林さん。満を持して、レンゲからすくってパクっといただくと、口に米粒をつけながら「ほら旨い」。その後も食べるたびに「旨い、旨いなぁ」とレンゲを持つ手が止まりません。その姿は幸せそのもの。
昔も今も、林さんの胃袋を掴んで離さない『満風麺』さんのチャーハンなのでした。
■『満風麺(まんぷうめん)』
[住所]大阪府大阪市西成区花園南1-6-16
[電話番号]06-6661-3349
[営業時間]18時~翌1時(24時半LO)
[休み]日
[交通]地下鉄四つ橋線花園町駅から徒歩2分
林 健(はやし・たけし)/1978年5月17日、大阪府生まれ。お笑いコンビ・ギャロップのボケ担当。「THE SECOND~漫才トーナメント~」初代王者。テレビや舞台で活躍中。はじめての全国漫才ツアー「ギャロップ初漫才ツアー漫才やろな!漫才やりましょ!in京都」を、9月16日に京都・よしもと祇園花月(19時開演、20時半終演 前売3000円、当日3500円/出演:ギャロップ、ゲスト:囲碁将棋)、11月24日には大阪・なんばグランド花月で開催される。チャーハン専門チャンネル「チャーハン林」を更新中。https://youtube.com/@user-by9ey8mk4i