『中華蕎麦 一心』 @高円寺 ’23年7月OPEN 天草大王のピュアなコクと貝ダシの旨みがきれいに重なり合う まずはスープをズズッと堪能することから始めたい。黄金色に輝くそれには鶏のきれいな旨みとコクがガツン。そして貝の…
画像ギャラリーコロナ禍を経て、ますます増えているラーメン店。群雄割拠といえる中、東京を中心に約1年間で開店したお店を調査。「今食べるべき」塩ラーメンのある店5軒をご紹介。地鶏に魚介、貝、煮干しなど、各店が素材を重ねて旨みを生み出す上質のスープは、ほれぼれするおいしさ。変化球の一杯も含めて、「塩」の今をお届けします。
『Japanese Ramen 五感』 @池袋 ’23年4月OPEN
地鶏と貝のダシが織り成す圧倒的な旨み
コンセプトは、純国産の食材でどこまでおいしいラーメンを作れるか。比内地鶏やみやざき地頭鶏(じどっこ)などの地鶏と、天然物のハマグリやアサリ、シジミ、ホタテ貝柱といった貝類を組み合わせ、格別な旨みで魅せる。
メニューは、貝ダシを立たせた海のような「塩らぁめん」と、芳醇な地鶏のダシを貝の旨みが下支えする「醤油らぁめん」の二本柱。
特上塩らぁめん 1700円
週末は朝の7時頃から行列が伸びる人気店だけあって、この特別な機会を堪能しようと、ほぼすべての人が「特上」をオーダーするそう。特上は、味玉や黒豚のワンタンのほか、低温調理の豚ロースと鶏ムネ、炭火で焼いた鴨ロースと鶏モモのチャーシューがのる絢爛な内容。
特に、柚子胡椒を効かせたジューシーな鶏モモに心を奪われた。「これで一杯飲めたら」と思っていたらお酒もあるではないか。しかもクラフトビールやウイスキーも純国産。酒好きが喜ぶ希少な銘柄に出合えるかも。あとは行ってのお楽しみ。
[住所]東京都豊島区東池袋2-57-2 コスモ東池袋101
[電話]非公開
[営業時間]11時半〜15時 ※記帳制(10時〜、土・日・祝9時半~記帳開始)
[休日]月・火
[交通]JR山手線ほか池袋駅東口から徒歩9分
『塩そば 時空』 @高井戸 ’23年8月OPEN
分厚い旨みに感服 ダシだけで魅せる至極の塩そば
行列の先にあるのは美しき佇まいのラーメン。看板の「塩そば」には動物素材を使っておらず、乾物だけで凛とした味わいに仕立てている。
「ダシだけ?物足りないのでは?」という心配は杞憂。煮干しとサバ節を軸に昆布やシイタケ、貝柱と異なる旨みを重ね、驚くほど重層的な味わいを体現しているからだ。温度の変化と共にさまざまなダシの風味が顔をのぞかせるので、飽きることもない。
特製塩そば 1200円
対する「裏醤油そば」は動物オンリーのスープで魚介を封印。「塩そば」との対比で魅せる。面白いのは、どちらも最初の上品な味わいからガラリと印象が変わること。食べる度に複雑に味が混ざり合い、濃く、力強くなっていくのである。既視感のある一杯が多い中、唯一無二の味で満足を届けてくれる。
[住所]東京都杉並区高井戸東4-14-7
[電話]なし
[営業時間]11時半〜15時、18時〜21時、木・日11時半〜売り切れ次第終了
[休日]月
[交通]京王井の頭線高井戸駅北側出口から徒歩12分
『しおらーめん 進化2nd』 @鶴川 ’22年10月OPEN
強めのスープと手揉み麺で魅せるパワフルな塩清湯
さすがは、塩の名手『しおらーめん進化』による新ブランド。本店が素材にこだわった塩ラーメンを展開するのに対し、“ガツガツ食べられる力強い塩ラーメン”をテーマに掲げ、新たな塩ラーメンの魅力を発信している。
今回の主役は、超多加水の自家製手揉み麺。口の中でふわりと広がる小麦の香りともちもちぷるっとした食感が魅力で、我を忘れて啜ってしまう。
しお味玉らーめん 1100円
麺のおいしさを見事に引き立てているのが、キリッとした味わいの塩スープ。地鶏と豚でとったパワフルなスープを背脂で武装し、存在感のある麺と互角に渡り合える力強さを持たせた。
スープに溶け出た吊るし焼きチャーシューの燻香も食欲をかき立てる魔法のひとつ。香ばしい香りが麺に絡まり、箸の進みを加速させる。
[住所]東京都町田市大蔵町337-1 第二工藤ビル1階
[電話]042-860-5122
[営業時間]11時半〜15時、18時〜22時
[休日]月(祝の場合は翌休)
[交通]小田急小田原線鶴川駅北口より徒歩20分
『中華蕎麦 一心』 @高円寺 ’23年7月OPEN
天草大王のピュアなコクと貝ダシの旨みがきれいに重なり合う
まずはスープをズズッと堪能することから始めたい。黄金色に輝くそれには鶏のきれいな旨みとコクがガツン。そして貝の旨みもしっかり感じる。
素材の中心は熊本の地鶏「天草大王」だ。ガラをていねいに掃除し、温度帯を調整しながら濁らないように弱火で炊く。臭みもなく、ダシに厚みの出る天草大王を活かすためだ。
塩ダレには鯛とアサリのダシも合わせてあり、きれいに味わいが重なり合う。
味玉焼豚塩蕎麦 1350円
麺は細めのストレート。低加水でパツンとした食感が、繊細な味と好相性だ。そしてさり気なくのるトリュフペースト。途中で少しずつ混ぜていくと、トリュフの香りときのこの味わいも加味されてこれまた旨し。旨みのグラデーション。食べ進むにつれていろんな表情が現れる魅力的な一杯だ。
[住所]東京都杉並区高円寺北2-40-16 坂商ビル1階
[電話]非公開
[営業時間]11時〜15時半 ※土・日・祝は〜16時 ※スープなくなり次第終了
[休日]月、不定休
[交通]JR中央線高円寺駅北口から徒歩6分
『拉麺 はま家』 @小伝馬町 ’23年6月OPEN
圧巻のハマグリダシとしそオイルの香りは新鮮な驚き!
三重県桑名産のハマグリを贅沢に使い、国産丸鶏のダシと合わせたスープは圧倒的なまでに貝の旨みにあふれている。「ラーメン屋で修業してないし、料理として発想しました。どんな味か?ワクワクしてほしいんです」とは店主の伏見俊治さん。
驚きはそこに止まらない。「しそ塩そば」では、そこにオリーブオイルがベースの鮮やかなしそオイルが加わる。
特製しそ塩そば 1350円
製麺時に沖縄の塩を使用する歯切れのいい細麺。さしずめ和風版ボンゴレ・ビアンコのイメージだ。ひと口目にハマグリダシを味わってズズズとやったら、次はしそオイルを混ぜて。旨みと清涼感ある香りが交わる印象が新鮮。
トリュフの効いたメンマ=湯葉たけのこ、焼豚代わりのローストポーク、殻付きのハマグリと脇役も抜かりない。
[住所]東京都中央区日本橋小伝馬町8-5
[電話]非公開
[営業時間]11時半〜15時(14時半LO)、17時〜21時(20時半LO)
[休日]日
[交通]地下鉄日比谷線小伝馬町駅4番出口から徒歩2分
撮影/西崎進也(五感、進化)、小島昇(時空、一心、はま家)、取材/松井さおり(五感、時空、進化)、池田一郎(一心、はま家)
※2024年2月号発売時点の情報です。
※いずれのお店も味玉は撮影用にカットいただいております。
※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。