「目指せ、理想の大人」をメインテーマに掲げて始まった、「ティモンディ前田裕太の“おとな”入門」。自身の経験や見聞きしたエピソードから思考を広げてきた「コラム形式」から、次のステップへと進みます!その内容は、「お悩み相談」…
画像ギャラリー「目指せ、理想の大人」をメインテーマに掲げて始まった、「ティモンディ前田裕太の“おとな”入門」。自身の経験や見聞きしたエピソードから思考を広げてきた「コラム形式」から、次のステップへと進みます!
その内容は、「お悩み相談」です。これまで約1年半のコラム連載を通して、食・あそび・勉強・旅…と、様々なテーマで「(理想の)大人とは?」について考え、目指してきた (そしてこれからも目指していく)前田さん。その経験を生かした視点で、皆さんから寄せられたお悩み相談に答えていきますよ◎第19回の今回は、「同窓会」について。卒業後、まったく連絡を取っていなかったグループとの同窓会、行くべき?
[今回のお悩み]
「卒業して数十年、まったく連絡を取っていなかった友人たちとの同窓会。行くべきでしょうか?」
ある日、実家に中学時代の友人が訪ねてきたと母から連絡がありました。どうやら部活の同窓会をやるとの事。卒業して数十年、全く連絡を取っていませんでした。
電話番号を置いていかれたのでショートメッセージで返信をし、今後はメールでご連絡くださいと書き添えました。すると、『グループLINEに招待したから入ってね』との返信。何を話していいかもわかりません。
グループに入るべきでしょうか?同窓会自体に行くかどうかも悩んでいます。前田さんならどう対応しますか?
(東京都・女性・会社員)
同窓会なんて、行ったところで何の意味もない
私はこの手の類いは可能な限り参加するようにしています。
でもね、同窓会に行ったところで何の意味もないですよ。
きっと皆で昔話に花を咲かせて、共有できる思い出じゃない話題の時は相槌の作り笑いで場の雰囲気だけ壊さないようにすることでしょう。
行って良かった、だなんて実感のある瞬間はゼロですよ。あの場なんて大体過去を掘り返す時間に終始しますから何の生産性もない。ああ、これだったら家でネットフリックスでも見た方が良かったわ、と思う時間もあるでしょう。
お酒が好きな人であれば、酔っ払って楽しいのかもしれませんが、私の場合はお酒も嗜みませんから、余計にね。
無駄な時間ですよ。
それを踏まえた上で、私は同窓会には可能な限り顔を出すようにしています。
そもそも有意義な会なんて同窓会に限らず、世の中ほとんどないんですよ。
人生に影響を与えてくれるような助言をもらえたり、出会いがあることなんて、まあない。
でもね、人生って無意味な時間の連続な訳です。
人生80年生きたとして、そのほとんどが思い出すこともない無駄な時間。
だからこそ、そんな無駄や無意味から、如何に自分で意味を見つけたり、楽しみを発見したりするかが、人生を豊かにする力だと思うんです。
前田流「同窓会の楽しみ方」
私の場合であれば、同じ年代の人間はどういう感性で生きているのか、市場調査的な側面で話を聞いたりすることが多いかなあ。
人は何を幸せに感じて、何を不幸に思うのか、みんなは何を考えて生きているのか、自分がより豊かに生きるために話を聞くわけです。
少し前に同窓会に行った時も、結構色々な発見がありました。
・家庭を持つと、仕事のモチベーションが家庭のためになる人が多い
・その割に、家族とは関係ない家庭の外で息抜きをしている人が多い
・世の中をもう知った気になっている人が多い
・偏見と決めつけで周囲を認識している人が多い
他にも色々と感じたことはありますが、まあ自分にはない感覚を知ることができる良い機会だと思えるんです。
例えば、中学や高校の同級生と会って話をしたけれど、当時、よくクラスでいじられていた人に対して、今も当時と同じ関係で接している陽気な人を見かけた。
この人の世界は中学の時点で止まっているのだなあと実感したし、“俺の知っている彼はこういう人間だ”という認識は、数年経っても変わることがないという決めつけで接している姿を見ることができた。
もちろん人によって違う価値観を持っていて当然なのだけれど、こういう人間も世の中に割といるのだと知るに至った。
人は余程のことがない限り認識を改めない生き物なのだなと、勉強になる。
ただ、明日は我が身ですから。そういう話を聞いて(ああ、私はいつまでも柔軟な人間でありたいなあ)と思うきっかけにもなります。
それから、31歳にもなると、人間性が固まってしまっている人が多いですね。
情報元も定かじゃないネットニュースで自分の知識を固めて、世の中はこういうものだと世界を構築してしまっている人もいました。
まあ悪いことではないですけどね。
ただ、違う情報だったり、違う意見に対して、自分の意見の正しさを語ることに重きを置いて、違う事実があるかもしれない可能性を投擲して話をしているのは良くないなあと思う。
鎌倉幕府だって成立したのは1192年だと教えられたのに、今や1185年に成立した説が有力になってきている訳で、一度知った内容が実は事実と異なる可能性があるというのは常に頭の中に入れておかないといけません。
世の中は知らないことばかりで、一度耳にしたから、目にしたからといって、知った気になったらいけないなあ、と、同窓会の場で反面教師と会える訳です。
「無駄を楽しむ力」こそが生活を豊かにする
楽しみ方としては社会勉強的な面で同窓会に参加した私ですが、この何でも楽しめる力を培えれば、嫌な仕事でも乗り越えることができる力がつくかもしれないでしょう。
1秒も無駄にするな、タイムパフォーマンスを意識しろ、という世の中の風潮がありますが、私はそれって仕事だけで十分だと思うんです。
プライベートくらいは寄り道して無意味を有意義にして楽しめるようになると良いですね。
ただ、結局、いくら楽しむ努力をしても楽しくなかったなあ、と思うことだっていくらでもある。その無駄な時間を楽しめる気がしないのであれば、行かないことをお勧めしますね。
同窓会に行かない人は、意外と多い!~担当編集者からのひとこと~
私は、小学校から大学まで、毎日非常に楽しく学校に通っていたのですが、同窓会に行ったことはありません。成人式後の中学校の同窓会も、成人式で慣れない振袖を着て、疲れて家で爆睡していたら終わっていました。
「会いたい人とは個別に連絡を取っているから」というのが、同窓会に行かない最大の理由です。今は、メールにLINEにSNSに、つながれる手段は山ほどあるのに、それでもつながりが切れてしまっている人は、まあお互いにその程度の存在なのだろう、という感じですね。
でも確かに、前田さんくらい吹っ切って、「旧友との再会」を目的にしないで参加するのはアリかも、と思い、世の中の皆さんはどれほど同窓会というものに参加しているのか、少し調べてみました。
Webメディア『kufura』が2023年11月に結果を公開した、20~60代の男女437人へのアンケート調査によると、「同窓会に行ったことがない」と回答した人は、全体の42.8%。意外と多い(※1)!
また、年間500件以上の同窓会をお手伝いしている同窓会の幹事代行サービス『同窓会本舗』によると、「成人式後の同窓会などの特別な場合を除けば、基本的には3割前後、4割以上集まれば成功と言える」そうです(※2)。思ったよりも参加率が低い!
同窓会に行かないのは、別に特別なことではないようです。安心。
(出典)
※1:https://kufura.jp/family/human-relations-family/428208
Webメディアkuhura『同窓会「行かなければ良かった」と感じる4つのパターン!あなたは行く派?行かない派?』(2023年11月28日公開)より
※2:https://www.d-hompo.com/blog_sankaritsu.html
同窓会の幹事代行サービス『同窓会本舗』HPスタッフブログ『同窓会の参加率ってどれくらい?』より
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前田裕太(まえだ ゆうた)
1992年8月25日生まれ、神奈川県出身。愛媛県の名門、済美高校野球部の同期である高岸宏行とのお笑いコンビ「ティモンディ」のツッコミ担当。趣味はサッカー観戦、読書。テレビ番組で画力を披露したり、複数メディアでコラムを執筆するなど、マルチな活動で注目を浴びている。
ティモンディ
高岸宏行・前田裕太によるお笑いコンビ。コンビ結成は2015年、グレープカンパニー所属。高岸のポジティブなキャラクターや、二人の野球経験と身体能力などがバラエティ番組で引っ張りだこに。コンビの野球経験をいかしたYouTubeチャンネル『ティモンディチャンネル』の登録者数は約28万人。