【丼なら】『味処 叶(かのう)』 @栄 味噌カツ丼発祥の店がココ! 1949年に割烹料理店として創業。昼限定のメニューとして出していたのが、味噌ダレで軽く煮込んだとんかつと半熟玉子がのる「元祖味噌カツ丼」(1600円)だ…
画像ギャラリーとんかつで異彩を放つのが、名古屋名物の「味噌カツ」。甘めの味噌をたっぷりかけて食すソレは、一度ハマると抜け出せない魅惑の味です。そこで、現地在住の『おとなの週末』ライター・永谷が「名古屋で食べるなら!」という厳選4軒をレコメンド。本場の味を体感せよ!
【定食なら】『とんかつ とん八』 @鶴舞
とんかつを覆い隠す味噌ダレ
今はなき名古屋の味噌カツの名店『とんき』で修業したマスターの長谷川民夫さんが1983年に開店させた。今では開店前から行列ができるほどの人気ぶり。
客の目当ては、とんかつを覆い隠すほどの味噌ダレがたっぷりとかかった名物の「味噌とんかつ定食」(1700円)だ。
味噌とんかつ定食 1700円
味の要となる味噌ダレは、八丁味噌と豆味噌をブレンド。ザラメを加えてじっくりと煮込み、アクや渋みが抜けてまろやかな口当たりに仕上げている。甘さと辛さのバランスが絶妙で、途中で食べ飽きることはない。むしろ豚肉の旨みを引き立てて、箸を持つ手が止まらなくなる。
[住所]愛知県名古屋市中区千代田3-17-15
[電話]052-331-0546
[営業時間]11時〜14時(13時45分LO)、17時〜20時半(20時20分LO)※火、木、祝は昼営業のみ
[休日]日
[交通]地下鉄鶴舞線鶴舞駅6番出口から徒歩5分
【定食なら】『名代とんかつ 八千代 味清』 @中村公園
カツオダシが効いた味噌ダレが旨い
かつて錦三丁目にあった名店『ステーキハウス 八千代本店』で修業した先代が1962年に開店。名物の「名代ヒレかつ定食」(1900円)をはじめ、「カニクリームコロッケ定食」(1730円)など洋食の定番メニューが豊富に揃う。料理はもちろん、マヨネーズやドレッシングに至るまですべて八千代本店のレシピを基に作られている。
「味噌カツは八千代本店になかったので、2000年くらいにやっとメニューに加えました」と、3代目シェフの高杉旬さん。
名代ヒレかつ定食 1900円
味噌ダレは地元メーカーの「七宝味噌」の豆味噌がベース。ザラメとたっぷりのカツオダシを加えて風味豊かに仕上げている。定食につく熱々のご飯と具だくさんの味噌汁がよく合う。
[住所]愛知県名古屋市中村区稲葉地本通2-9-1
[電話]052-412-0568
[営業時間]11時〜14時(13時半LO)、17時半〜20時(19時半LO)※土・日・祝は17時〜、木は昼営業のみ
[休日]金
[交通]地下鉄東山線中村公園駅3番出口から徒歩10分
【丼なら】『味処 叶(かのう)』 @栄
味噌カツ丼発祥の店がココ!
1949年に割烹料理店として創業。昼限定のメニューとして出していたのが、味噌ダレで軽く煮込んだとんかつと半熟玉子がのる「元祖味噌カツ丼」(1600円)だ。甘さ控えめの味噌ダレと玉子の相性はすこぶる良く、ご飯をかき込みたくなる。
元祖味噌カツ丼 1600円
2012年に先代で創業者の杉本利資さんが引退してからは、息子の杉本徳雄さんが2代目として厨房に立つ。レシピを見直して、味噌ダレの濃度や甘さ、ダシの量、豚肉の厚みなどを細かく調整したという。
「これで自分の味が完成したとは思っていません」と、杉本さん。先代を超えんとする2代目の挑戦は続く。
[住所]愛知県名古屋市中区栄3-4-110
[電話]052-241-3471
[営業時間]11時〜14時、17時〜20時 ※夜営業は土・日のみ
[休日]月・火(祝の場合は翌日休)
[交通]地下鉄栄駅サカエチカ8番出口から徒歩2分
【洋食なら】『カツレツマツムラ』 @名駅
フレンチテイストのカツレツ
フレンチのシェフとして長年に渡って活躍してきた松村憲一さんが目指したカツレツは、別次元の柔らかさ。真空調理をせず、低温の油でじっくりと揚げることで柔らかさだけではなく、豚肉の旨みもしっかりと感じさせる。
「あえて分厚くしているのは噛み切ってほしいからなんです。その柔らかさに誰もが驚きます」と、松村さん。
MATSUMURAの厳選豚肉低温味噌カツレツ(厳選豚フィレ肉150g) 3245円
八丁味噌にデミグラスソースや赤ワイン、香味野菜を加えたフレンチテイストの味噌ダレも香りが高く、土鍋で炊き上げるご飯によく合う。熱々の味噌汁やキャベツのドレッシングに至るまで非の打ち所がない完璧な仕上がりだ。
[住所]愛知県名古屋市中村区名駅3-28-12 大名古屋ビルヂング3階
[電話]052-433-1915
[営業時間]11時〜15時(14時LO)、17時〜22時(20時半LO)
[休日]不定休 ※大名古屋ビルヂングに準ずる
[交通]JR東海道線ほか名古屋駅桜通口から徒歩2分
個性豊かな味噌カツ名店はココだ!
味噌カツの発祥は戦後まだ間もない頃。牛すじを豆味噌で煮込んだどて煮に串カツを浸して食べたのがはじまりだ。その後、とんかつも味噌ダレでいただくようになり、定食や丼が誕生した。
『とん八』は他のメニューもあるものの、ほぼ味噌カツ専門店といってもよい。
名物の「味噌とんかつ定食」は、とんかつが見えなくなるほどたっぷりの味噌ダレをかけているのが特徴だ。見た目よりもしつこくはなく、味噌のコクと辛さ、甘さのバランスが秀逸。味噌の上にのる刻みネギもアクセントになり、ご飯が進む。
とんかつや昔懐かしい洋食が揃う『八千代 味清』。「名代ヒレかつ定食」は、味噌ダレが別皿で提供されるため、衣のサクサクとした食感が楽しめる。
また、味噌ダレにはたっぷりのカツオダシが合わせてあり、豚肉の旨みを引き立てる。ご飯は白米か雑穀米のいずれかが選べる他、大盛りも無料だ。
『味処 叶』は、味噌カツ丼発祥の店。天丼をヒントに、「醤油でできるなら味噌でもできるはず」と、タレに名古屋で好まれる八丁味噌を用いたのがはじまりとか。
先代の杉本利資さんは東京・浅草の出身。甘さを抑えた江戸前の味付けに慣れ親しんでいたため、味噌ダレも甘さ控えめにしたと推測できる。
名古屋駅前の大名古屋ビルヂング内にある『カツレツマツムラ』は、厳選した豚肉を低温で揚げたヒレカツがメイン。驚くほど柔らかく、肉の味もしっかり。
味噌ダレはコクを前面に出した味付けにフレンチのエスプリを感じる。ご飯や味噌汁と合わせるのもよいが、夜はワインやシャンパンとのマリアージュを楽しむ客も。
今回紹介した4軒は名古屋で生まれ育った筆者が自信を持って勧められる店ばかり。ぜひ訪れてみてください!
撮影・取材/永谷正樹
※2024年3月号発売時点の情報です。
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