商店街の個性に合わせて購入に出かけるべし! とんかつを買うならば商店街に限る。商店街をブラブラ歩いていると、どこからともなく漂ってくるのは、香ばしい揚げ油の匂い。そんな鼻腔をくすぐる甘い罠に誘われて、ついつい覗いてしまっ…
画像ギャラリー家でとんかつを食べる。自作もいいし、専門店でのテイクアウトも捨てがたい。しかしコスパと旨さ、後片付けのラクさを考えると、商店街の惣菜屋&精肉店のとんかつの、なんと魅惑的なことよ!東京三大銀座商店街のとんかつを覆面調査し、食べ比べてみた。
【砂町銀座】都内屈指のトンカツ密集商店街
約111mに1軒のとんかつ購入可能店がある密集ぶりは伊達じゃない。密集における競争原理が働いているからか、どの店のとんかつもまぁ~お安い!お得にとんかつを買うなら、この商店街。それどころか、お得な消費者生活を送るならこの商店街に住むがいい。
『ザックザク田無 肉の宝屋 砂町店』ロースかつ
2枚ワンセットの誘惑
スーパー的なレジ会計の大きなお肉屋さんが提供するとんかつは、ワンパックに2枚入り。立ったパン粉のダイナミックな揚げ具合が食欲そそる
ロースかつ
・2枚486円(1枚243円)
・厚さ:16mm
・重さ:137g
[住所]江東区北砂4-7-18
[営業時間]10時~18時50分
[休日]無休
『手作りの店さかい』豚カツ
店名の『手作り』にもう泣く
とんかつなどの揚げ物はもちろん、もつ煮やシューマイなど、商店街の通りから見える厨房で、店名通り手作り。肉の厚さは砂町ナンバーワン!
豚カツ
・330円
・厚さ:19mm
・重さ:141g
[住所]江東区北砂5-1-33
[営業時間]10時半~19時
[休日]不定休
『みどりのおかず』ロースとんかつ
トングつかんでセルフで選ぶ!
商店街に張り出した陳列台に並ぶ惣菜を、トングを使って購入するシステムも魅力だが、店の奥ではイートイン&缶のお酒も呑める魅力満載の店
ロースとんかつ
・248円
・厚さ:16mm
・重さ:117g
[住所]江東区北砂5-1-32
[営業時間]9時~20時半
[休日]不定休(雨天時など)
『肉工房アンデス(アンデスハム砂町店)』アンデス手造りとんかつ
グラム当たり御得度ナンバー1!!
昭和14年に元々は浅草吾妻橋で開業したという肉の老舗。老舗と聞くとお高そうなイメージあるが、とんかつのグラムあたり単価は砂町で一番安い!
アンデス手造りとんかつ
・270円
・厚さ:17mm
・重さ:175g
[住所]江東区北砂4-25-6
[営業時間]9時半~17時半
[休日]日曜、年末年始、お盆など
『お惣菜の揚一』ロースとんかつ
揚げ物の全てがここにある!
砂町銀座商店街の西側の入り口に店を構える、その名もすばり『揚一』。商店街に入った途端、揚げ物の数々が目に映り、途端に腹がグ~と鳴る
ロースとんかつ
・350円
・厚さ:16mm
・重さ:117g
[住所]江東区北砂3-1-1
[営業時間]11時~19時
[休日]不定休
【戸越銀座】最長商店街で最上とんかつを!
お肉屋さんで売っているとんかつといえば、ロースのとんかつがポピュラーだが、店舗数が多いこの戸越銀座では、ロース以外のバラエティ溢れる、個性的なとんかつも最上の形で勢ぞろい。『かつ』という料理の奥深さと伸びしろを歩きながら実感するがいい!
『鶏&デリ』旨辛台湾とんかつ
肉に肉をトッピングする贅沢
購入した『旨辛台湾とんかつ』は、『ロースとんかつ』(480円)に、台湾風に香辛料の効いた肉味噌をトッピングした肉×肉!かぶりつけ!
旨辛台湾とんかつ
・580円
・厚さ:19mm(肉味噌トッピング抜き)
・重さ:222g(肉味噌トッピング込み)
[住所]品川区戸越1-16-8
[営業時間]11時~20時
[休日]不定休
『とんかつまるや 戸越銀座店』ロースかつ
話題のチェーン。戸越に見参!
食堂として都内に20数店舗展開するお店。それにしてはありがたい廉価で店頭でとんかつをテイクアウト販売中。すぐ近くにかつサンドの自販機も
ロースかつ
・550円
・厚さ:19mm
・重さ:144g
[住所]品川区平塚1-8-3
[営業時間]平日10時~21時 土曜・日曜・祝日10時~20時
[休日]夏期休業・年末年始
『中村忠商店』とんかつ
これそ正当派お肉屋とんかつ
懐かしさ感じる、これぞ街のお肉屋さんといった風情の店内奥で揚げられたとんかつは、ロース肉の形そのもののザ・とんかつ。美しき姿に感動
とんかつ
・330円
・厚さ:17mm
・重さ:136g
[住所]品川区豊町1-5-2
[営業時間]10時半~19時
[休日]日曜
『MEAT&DELI355』赤身一口カツ
洒落た店内、かつもセレブ風
高級和牛を扱う精肉店のかつ。『ロースカツ』(972円)が売り切れのため、赤身のカツを購入。さすが、肉の旨みほとばしるちょっとハイソなかつ
赤身一口カツ
・280.8円
・厚さ:22mm
・重さ:64g
[住所]品川区戸越2-6-8
[営業時間]10時半~19時半
[休日]水曜(月1不定休)
『かたばみ精肉店』豚レバー串揚げ
庶民の味方としてのとんかつ
280円という戸越銀座一安い『豚かつ』が売り切れ。だが『豚レバー串揚げ』も滋養豊富な旨さ。戸越銀座名物『とごしコロッケ』もあり
豚レバー串揚げ
・120円
・厚さ:12mm
・重さ:71g(串抜)
[住所]品川区豊町1-7-1
[営業時間]10時~19時
[休日]火曜・水曜
『肉弁当 戸越銀座本店』焼豚カツ
焼豚揚げりゃ、そりゃ美味か!
豚肉に牛肉。肉にこだわる弁当店。いわゆるとんかつのテイクアウトはないが、なんと焼豚をかつに!初体験の味わいは予想の上をいく
焼豚カツ
・250円
・厚さ:12mm
・重さ:47g
[住所]品川区戸越3-2-3
[営業時間]11時~20時
[休日]不定休
【十条銀座】豚<鶏 それがこの商店街
豚のとんかつを売っている店が悲しいことに、なぜだか少ない。だが、同じくなぜだか多くの店で大人気販売中なのがチキンカツ。これが安いわ、デカイわ、旨いわと三拍子揃うのがさすが十条!まさかとんかつ特集でチキンカツの良さも知ることになるとは…
『あい菜家』特上チキンカツ
安さ爆発!愛ある惣菜
とにかくデカいにも程があるじゃないか、総重量300gにも及ぶ『特上チキンカツ』!平均的カツの2枚分でお値段310円。十条の物価にただ脱帽
特上チキンカツ
・310円
・厚さ:20~30mm(モモ肉で凸凹多し)
・重さ:278g
[住所]北区十条仲原1-27-4
[営業時間]11時~なくなり次第閉店
[休日]不定休
『鳥大』チキンカツ
行列のできる鶏肉専門店
なにしろ購入するには行列せねばならぬ十条の超人気鶏肉専門店のチキンカツ。看板に『いきいきチキン』とあったが、まさにいきいきチキンカツ
チキンカツ
・220円
・厚さ :16mm
・重さ :133g
[住所]北区十条仲原1-4-11
[営業時間]10時~20時
[休日]日曜
『鳥富士』チキンかつ
串に揚げ物、鳥惣菜尽くし
焼鳥や唐揚げなど鳥惣菜が揃う惣菜店。チキンかつはサクッとした衣の中にジューシーで厚みある肉そしてこの価格。取材班的ナンバーワンかつ!
チキンかつ
・159円
・厚さ:23mm
・重さ:141g
[住所]北区十条仲原2-2-5
[営業時間]11時~16時
[休日]日曜、月曜
『とんかつ新宿さぼてん 十条銀座商店街店』熟成三元麦豚上ロースかつ
大手チェーンの矜持を見たり
日本中どころか海外展開もする大手チェーンはさすがの安定感。22mmの厚さは三大銀座のとんかつ中最厚。実は砂町と戸越にも店舗あり。恐るべし
熟成三元麦豚上ロースかつ
・640円
・厚さ:22mm
・重さ:165g
[住所]北区十条仲原1-28-10
[営業時間]10時~21時
[休日]無休
『ミート・デリカ塩家』豚ロースカツ
十条ならではのとんかつならココ
十条駅から商店街に入ってすぐ。十条の皆様の胃袋を守ってきたお肉系惣菜店のとんかつ。柔らかいロース肉は、老若男女誰もが好むテイスト
豚ロースカツ
・350円
・厚さ:15mm
・重さ:157g
[住所]北区上十条2-30-5
[営業時間]9時~20時
[休日]火曜
『双鳳』双鳳大鶏排
台湾の屋台の味が十条で
富士見銀座の中華小料理店でテイクアウトできる『大鶏拝』は、台湾の屋台で人気のフライドチキン。叩いた鶏にほのかに五香粉。食べ歩きに◎
双鳳大鶏排
・550円
・厚さ:11mm
・重さ:168g
[住所]北区十条仲原2-3-5
[営業時間]11時~20時
[休日]水曜
商店街の個性に合わせて購入に出かけるべし!
とんかつを買うならば商店街に限る。商店街をブラブラ歩いていると、どこからともなく漂ってくるのは、香ばしい揚げ油の匂い。そんな鼻腔をくすぐる甘い罠に誘われて、ついつい覗いてしまったお肉屋さん。そこで目を奪われるのは、ガラスケースの中に並ぶ揚げ物たちの輝くような魅惑の黄金色!嗚呼、コロッケもいい、鶏の唐揚げも捨てがたい。
でもやっぱり商店街の揚げ物の王者といえばやっばり“とんかつ”なのだ。だって、そのお店の揚げ物の中では一番高いのに、それでもお手頃価格じゃないですか!「あ、今ちょうど揚げたてよ」そんなこと言われたらますます最高!!それがデパ地下でもない、スーパーの惣菜コーナーでもない、商店街の路面店で買うとんかつの魅力なのだ。そんなこと考えるだけで、すでに口中にヨダレが溜まりだす商店街のとんかつを求め、東京を代表する商店街……通称『東京三大銀座商店街』でとんかつを大調査!
まずは江東区の『砂町銀座商店街』。揚げ物だけに限らず、煮物、焼き物等々、手作りの惣菜を扱う個人商店があちらこちらに点在する約665メートルの惣菜ワンダーロード!とんかつを売っているお店の数は、今回、商品を買わなかった大手チェーン系とんかつ店を含めて6軒。計算すると約111メートルに1軒。これは東京三大銀座商店街でも最強のとんかつ購入可能店密集商店街!
続いての商店街は、全長約1300mという関東一の長さを誇る品川区の『戸越銀座商店街』。戸越銀座商栄会商店街振興組合、戸越銀座商店街振興組合、戸越銀座銀六商店街振興組合という3つの商店組合で構成された、端から端まで歩くだけで(ウインドーショッピングなどしないでだ)、15分はかかるというこの巨大商店街で、とんかつ購入可能店は、休業日などで商品購入できなかった店も含めると全9軒。三大銀座の中でも最もとんかつ購入可能店が多い商店街なのだ。
さてどんじりに控えしは、北区の『十条銀座商店街』と、そこに直結する『富士見銀座商店街』のダブル商店街。実はこの商店街、なぜかとんかつ……いわゆる『豚かつ』が買える店はちょっと少なめ。ところがチキンカツの充実度がとんでもなかった。まさに庶民派チキンカツ商店街。それが十条銀座だった。さぁ~東京三大銀座で、買ってけ、とんかつ&チキンカツ!
撮影/谷内啓樹、取材/カーツさとう
※重さ、厚みは商品によって差があります。数字はすべて取材班が購入したものの値になります。
※2024年3月号発売時点の情報です。
※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。