ザクッとジューシー、かつ超ボリューミーなバーガーを引っ提げて、韓国で人気のファストフード店『MOM’S TOUCH(マムズタッチ)』の日本1号店が2024年4月16日、東京・渋谷にオープンした。海外初の直営店だ。開店に先…
画像ギャラリーザクッとジューシー、かつ超ボリューミーなバーガーを引っ提げて、韓国で人気のファストフード店『MOM’S TOUCH(マムズタッチ)』の日本1号店が2024年4月16日、東京・渋谷にオープンした。海外初の直営店だ。開店に先駆け予約サイトが立ち上がっているが、なんと最初の3日で5600席が売り切れたのだそう。大注目のバーガーを実食した!
4月16日オープン、ロッテリアを抜いた韓国のファストフードが日本へ!
マムズタッチは1997年に韓国・ソウルで1号店をオープン。2021年には1333店舗となり、韓国国内のファストフード界で絶対的王者だったロッテリアを抜いて、店舗数1位に躍り出た「マムズタッチ」。24年4月現在、1421店舗を展開しているが、韓国バーガーフランチャイズで1400店舗を超えたのは、業界史上初めて。
看板メニューである「サイバーガー」は05年の販売開始以来、累積売り上げで2023年には5億個を超え、横に並べた時の長さはなんと地球4周以上にもなるのだとか。
99%が「また来たい」
そんな『マムズタッチ』はグローバル展開を目指し、21年にアメリカ、22年にタイ、23年にはモンゴルにフランチャイズ出店。今回の『渋谷マムズタッチ』は海外で初めての直営店となる。
場所は、大勢の人が行き交う渋谷駅前のスクランブル交差点からほど近い。代々木公園に向かう公園通りに面しており、かつて『マクドナルド 渋谷店』があった場所だ。
23年10月には、ポップアップストア(期間限定店)を同じく渋谷に出店している。その際には、最大2時間待ちの大行列ができ、21日間で約3万3000人を集客した。
客の国籍別割合は日本76.5%、韓国15.1%、その他8.4%。客のアンケート(サンプル数3065名)では、99%が「正式オープン時にまた来たい」と回答し、96.9%が「メニューに非常に満足または満足」と答えたのだとか。
おぉ、これは期待が高まる。ということで、いざ実食!
看板メニューは「サイバーガー」
看板メニューの「サイバーガー」(単品520円)は持つとズッシリ。1枚丸ごと揚げた鶏もも肉(=サイ)と、たっぷりのレタスなどを挟んでいて、“あご外れバーガー”の異名通り、ボリュームたっぷり。
チキンは気持ちいいほどのザクザク食感があり、お肉からは肉汁が流れる。味の要はスパイシーなオリジナルのケイジャンスパイスで、ちょっぴり甘めのバンズと相性抜群だ。中にはスライスオニオンのサッパリ感に加え、仕込まれたマヨネーズとピクルスの酸味が程よく効いていて、大きさに驚いた割に食べ飽きもなくペロリといただいてしまった。
ホクホクとサクサクの間の食感がうれしい「ケイジャンフライドポテト」とドリンクのセットだと850円。
渋谷店限定の「本格プルコギバーガー」
渋谷店限定の「本格プルコギバーガー」(単品550円)もあと引く味だった。
粗挽きの合い挽き肉を使用したパティは高温のグリルでプレスして香ばしく焼き上げており、甘辛のプルコギソースが絡む。このソースは甘辛の焼肉のタレと照り焼きソースを合わせたような味で、多くの日本人は好きなのでは。トマトの甘酸っぱさとチェダーチーズのコクも相まって記憶に刻まれるような味わいだ。
どちらのバーガーもシャキシャキのレタスがサンドされていて、罪悪感少なめなのがうれしいところ。
韓国で人気のメニューが揃う
このほかに、鶏もも肉を2枚分使った日本上陸限定商品の「メガサイバーガー」(セット1000円・1日100個限定、4月まで)やこれはホントにあごを外さないと食べられない「贅沢サイバーガー」(単品840円)など、本国で人気のメニューが揃う。
人気といえば、チキンのザクザク食感とジューシーさがより楽しめる「骨なしフライドチキン」も外せない。
ケイジャンスパイスの美味しさがダイレクトに味わえる「骨なしフライドチキン」(2P450円)、特性甘辛ソースがたっぷり絡む「骨なしヤンニョムチキン」(2P490円)、ニンニクの芳醇さと蜂蜜と醤油を使ったソースがクセになる「骨なしニンニク醤油チキン」(2P490円)の3種がラインナップ。
各種とも2個または4個入りでの販売だが、そもそも1つひとつのボリュームがあるし、いろいろ食べたい派なので、1個ずつ違う味も選べるようにしてもらえませんか?とお願いしてきた(笑)。
結局、全部、好き!
どれもビールやレモンサワーを欲する美味しさだが、私が気に入ったのは「醤油ニンニクチキン」。誤解を恐れずに言えば、ソースはニンニク&みたらし&スパイスといった印象。かわいい色みからは想像できないほど、ニンニクの風味と辛みがしっかりと効いている。
もちろん、韓国の味・ヤンニョムも美味しかったし、『マムズタッチ』のチキンの魅力がしっかりとわかるフライドチキンも捨てがたい。
結局、全部好きなんかーい!
「神コスパ」の秘密をCEOに聞いた
韓国で『マムズタッチ』の人気が高いのは、上記の通りの美味しさがあるのだが、もう一つ「神コスパ」ということも支持されている大きな要因だ。
日本法人CEOの李京●(LEE KYUNG MIN、●は「王」編に「文」)さんに「マムズタッチ」について伺った。
「『マムズタッチ』という名前はお母さんの温かい手を意味しています。お母さんが作ってくれた料理のように、私たちもフレッシュな良い材料を使い、お店で一つひとつ衣付けから揚げる工程はすべて一からハンドクラフトで丹精込めて行っています」
「このこだわっている部分が美食大国である日本の方々に伝わってほしいですし、味を冷静に判断・評価していただきたいという思いから、今回日本に出店しました。そうした部分にお客様が付加価値を感じ、高い満足度につながっているのだと思います」
「私たちは、プロモーションにはあまりお金をかけずに、その分開発研究に投資しています。それが品質に比べて低価格を実現できており、『神コスパ』と感じていただけているのでしょう」
日本産のトマトの味に驚く
今回、メニューを日本に持ってくる際にどんな苦労があったのだろうか。
「基本的なレシピは韓国と同じですが、バンズや野菜などフレッシュな素材を使っていることもあり、日本産のものを使用しています。本国での味を日本産の食材で再現しようと思った時に驚いたことの一つがトマトの味です。日本産のものはとても甘味が強いのです。そのため、全体のバランスで味わいを調整しました」
「本格プルコギバーガー」は、『渋谷マムズタッチ』限定となっているがなぜこのメニューになったのか。
「私たちはグローバルブランドを目指していますが、韓国ブランドなので、スパイシーなチキンやキムチといった韓国の味も大切にしています。その中で、韓国のプルゴギと日本で食べられているプルゴギの味が違っていると感じたため、日本人が期待するプルゴギの味を研究し、作ることを決意しました。本国でも『プルコギバーガー』はありますが、新商品としての意識で臨みました」
だから、照り焼きっぽいような、馴染みのある味に感じたのか。
マムズタッチ旋風が起きるか
最後に、李さんに日本の消費者に向けてメッセージをいただいた。
「日本という市場においてローカライズする(地域性にあわせる)ために、味や価格面、運営方法は消費者の方のご意見をいただきながら、謙虚に受け入れて反映させていきたいと思っています。まず私たちの味を愛していただき、ご意見などあればぜひとも教えてください。よろしくお願いします!」
韓国では老若男女に愛されている『マムズタッチ』。日本はこれからどんな旋風を巻き起こしてくれるのか目が離せない。
『渋谷マムズタッチ』
住所:東京都渋谷区神南1-23-13
交通:渋谷駅ハチ公口から徒歩3分
営業時間:10時〜22時
文・写真/市村幸妙