東京のうなぎの新店4選 注目店から話題のリーズナブルな店まで

夜空にきらめく花火、緑のうず巻き、日本の夏の風物詩は数あれど、その照り、香り、味わいで心ときめかせてくれるとなれば、やっぱりうなぎ。調査の結果、うな重を安価で出す店や関西風の地焼きで供する店が目立ちました。そんな中、腕利きの新展開から実力派のリーズナブル店まで、今食べるべき店を発見。あなたの“ザ・ベスト”を更新するかもしれません。

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夜空にきらめく花火、緑のうず巻き、日本の夏の風物詩は数あれど、その照り、香り、味わいで心ときめかせてくれるとなれば、やっぱりうなぎ。調査の結果、うな重を安価で出す店や関西風の地焼きで供する店が目立ちました。そんな中、腕利きの新展開から実力派のリーズナブル店まで、今食べるべき店を発見。あなたの“ザ・ベスト”を更新するかもしれません。

『うなぎや 神楽(かぐら)』 @神楽坂

新たな名店が誕生 極め付きの素材と匠の技が融合する

東京にまたひとつ名店が誕生した。7月4日にオープンしたばかりのピカピカの新店で、切り盛りするのが問屋から修業を始め、この道50年以上になる父・正彦さんと、金沢の老舗料亭で腕を磨いた息子の瞭太さん。

夜はうなぎ職人と会席の技が融合した見事な料理をコースで出す(3万3000円)。とはいえお目当ては昼のアラカルト。使用するのは今まで途方も無い数をさばいてきた父が惚れ込んだ「四万十鰻」を中心に、自身の目で池を確かめて仕入れるブランドうなぎだ。

うな重(上) 7700円

『うなぎや 神楽(かぐら)』うな重(上) 7700円 身はふっくら盛り上がり均一で美しい飴色をまとった見た目からも職人の腕前が伝わってくる。「四万十鰻」のほか「かぐや」などのブランドうなぎを使用する。半身を使用する「並」は4400円

羽毛布団のようなフカフカのそれを口へと運ぶと、とろりと崩れてご飯と混じり合い、柔らかな炭の燻香が鼻を抜けていった。たまのご褒美ならばこのうな重を選んで悔いはない。

『うなぎや 神楽(かぐら)』

[住所]東京都新宿区神楽坂4-3
[電話]03-6780-3267
[営業時間]11時半〜14時(13時半LO)、17時半〜21時(19時最終入店)
[休日]日の夜、月
[交通]地下鉄有楽町線ほか飯田橋駅B3出口から徒歩4分

『うなぎ亭 智』 @武蔵小山

豪快に盛られたうなぎパワーで暑さも吹き飛ばす!

その姿を見るや思わず椅子からズリ落ちそうになった。うなぎ2尾分を重ねちゃうとは大胆不敵。とにかくお値打ちでお腹いっぱい食べたい人におすすめ、その名も「マウンテン」だ。

うな重マウンテン 4950円

『うなぎ亭 智』うな重マウンテン 4950円 うなぎがお重からはみ出るほど。愛知の問屋から仕入れるうなぎを直火の高温で焼き、皮目パリッと仕上げる。これ目当てに来店する人もいるとか

さあさあ肩を回して挑めば、身はパリッと、中はふっくら弾力のある関西風。毎日届くうなぎを注文を受けてから地焼き、甘さ控えめのタレを付けてキャラメリゼするように仕上げている。確かにボリュームはあるが、適度な脂で軽い食感なので見た目よりサクッとイケるから不思議。もちろん半身や1尾サイズもあるのでご安心を。

他にも薬味やダシ茶漬けで味変できる「ひつまぶし」も老若男女に人気とか。卓上の梅干しと漬物が無料というのも最後まで飽きずに楽しめてありがたい!

『うなぎ亭 智』

[住所]東京都品川区小山3-26-3 ハイツ武蔵小山1階
[電話]03-6426-7602
[営業時間]11時〜15時(14時半LO)、17時~21時(20時半LO)、土・日・祝11時~21時(20時半LO)※いずれもうなぎが無くなり次第終了
[休日]不定休
[交通]東急目黒線ほか武蔵小山駅東口などから徒歩1分

『神楽坂 鰻蕚(うなぎはなぶさ)』 @神楽坂

劇場型カウンターで唯一無二のうなぎ料理を体験

神楽坂のビルの地下。夜は高級うなぎ会席……と聞けば一瞬ひるむが、臆せず入ってみてほしい。というのも昼は価格を抑えた御膳があり、新感覚の食体験が待っているから。

主役は主に三河産の大うなぎを使った関西風地焼き。なのだが!これがもう脳に音が鳴り響くほどパリッパリ。けれど中はふわっと絶妙な緩急。独自の仕上がりになるよう備長炭でじわりと焼き、うなぎから出る脂と炭に落ちて上がる煙をまとわせ、揚げ焼きのように火入れする。

鰻蕚特選鉄釜で炊き上げたご飯と長焼御膳(鰻1尾) 6000円(昼)

『神楽坂 鰻蕚(うなぎはなぶさ)』鰻蕚特選鉄釜で炊き上げたご飯と長焼御膳(鰻1尾) 6000円(昼) ※鰻は白焼き・醤油焼き・たれ焼きから2種を選択(写真は醤油焼きと白焼き) 驚くほどパリッとした食感。ワインを加えたタレの「たれ焼き」を使ったう巻きも付く

タレや白焼きもあるが、おすすめは醤油焼き。生醤油で素材の旨みを際立たせた粋な味だ。岐阜の希少米「龍の瞳」を南部鉄器で炊いたご飯も格別。旬の果物を使った「うざく」など、うなぎ料理も特別感にあふれている。

『神楽坂 鰻蕚(うなぎはなぶさ)』

[住所]東京都新宿区神楽坂5-34-1 DEAR LIFE神楽坂地下1階
[電話]03-6280-8728
[営業時間]11時半〜14時LO、夜は17時半~と20時~の2部制休日
[交通]都営地下鉄大江戸線牛込神楽坂駅A3出口から徒歩3分、地下鉄南北線ほか飯田橋駅B3出口から徒歩5分

『うなぎと地酒 まんまる 本店』 @池袋

炭火で焼かれたうなぎの串焼きで一杯がたまらん!

『まんまる』と言えば池袋で25年になるうなぎ屋。創業126年の川魚問屋直営で、うなぎを知り尽くし、積み上げたきた繋がりも活かして、リーズナブルに旨いうなぎが食べられ、呑める人気店だ。

うなぎの6種盛り合わせ(くりから、たんざく、バラ、肝焼き、かぶと、ヒレ)1950円

『うなぎと地酒 まんまる 本店』うなぎの6種盛り合わせ(左から、くりから、たんざく、バラ、肝焼き、かぶと、ヒレ)1950円 タレがよく絡み、部位ごとのおいしさがそれぞれ感じられる。くりからは柚子胡椒味。酒造店とコラボしたうなぎに合う純米大吟醸も

その店がこの3月、新たに“本店”と名付けて開店したのがこちら。もちろん食事もいいのだが“うなぎと地酒”と謳っているのは伊達じゃない。うなぎ呑みするのに最高だ。

中でも見逃せないのは、鮮度の良い状態で炭火でカリリと焼かれ、タレがいい塩梅に入っているうなぎ串の盛り合わせだ。肝焼きに、ヒレ、バラ、かぶと……と、一尾から取れる量が少ない部位が揃い、しかもお値打ちなのはやはり問屋直営ならでは。〆にはふんわり旨い「うな丼」もぜひお忘れなく。

『うなぎと地酒 まんまる 本店』

[住所]東京都豊島区西池袋3-22-10 ルミエール1階
[電話]03-5810-3555
[営業時間]11時〜15時(14時半LO)、17時〜22時半(22時LO)
[休日]日・祝
[交通]地下鉄副都心線ほか池袋駅1b出口から徒歩2分

撮影/小島昇(神楽、神楽坂 鰻蕚、まんまる)、鵜澤昭彦(うなぎ亭 智)、取材/菜々山いく子(神楽)、肥田木奈々(うなぎ亭 智、神楽坂 鰻蕚)、池田一郎(まんまる)

2024年8月号

※2024年8月号発売時点の情報です。

※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。

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