餃子にあうのは《ラーメン》か《チャーハン》か…?「町中華」5軒で”絶品”を覆面調査した

餃子にあうのはラーメンか、チャーハンか?

「チャーハン」×「餃子」の絶品 下北沢「下北グレイヴィ餃子」 品書きを見て頭を抱える。餃子は日替りを含めると7〜8種類。焼餃子に水餃子、パクチー餃子やチリマヨ餃子なんて変化球も。チャーハンはなんと10種類。……選べない!…

画像ギャラリー

単体で、ビールや紹興酒などと、白米も捨て難い。餃子はかように様々なものと相性が良い。しかし、同じ庶民派中華のチャーハンやラーメンとの相性は格別だ。街中華を中心に、その格別さを堪能させてくれる店を徹底調査した。

「ラーメン」×「餃子」の絶品

江戸川橋「新雅」

江戸川橋「新雅」

食べる前から「あ、ここは当たりだな」と思う指標のひとつが、手入れの行き届いた店
内。こちらの『新雅』は昼も夜もひっきりなしに客が訪れる。それなのに、醤油差しまでいつもきれい。まったく商売人の鏡である。気配り目配りは味に表れるもの。沸騰させずに丁寧にダシをとったスープは、雑味がなく清々しい。

名物は「ニラそば」。シャキシャキの肉野菜炒めと、野菜から出るエキスが溶け合ったスープが絶品で、本気で箸が止まらなくなる。熱々の餃子を頬張ると、透き通った肉汁が口中にあふれ出た。豚挽き肉、キャベツ、ニラといったシンプルな具材の餡が、弾力のある皮の中にみっちり。素材の旨さがそのままに伝わる、何と素直な餃子だろうか。

厨房を担うお父さんと息子さん、接客担当のお母さんと奥様。家族の温かい人柄も、行列をつくる所以だ。

荻窪「手もみラーメン 十八番」

もみラーメン 十八番」

「営業は夜だけ。昼はお客さんがあまり来ないんです(笑)」と店主の馬塩さん。それもそのハズ。こちらの餃子と一番人気の特製ラーメンは、ニンニクのパンチがも~う半端ない。名物の餃子は毎日皮から手作り。キャベツ、玉ネギ、ニラなど野菜が主役の餡なので、大ぶりサイズでも重たくない。がっつり利いたニンニクが、食欲中枢をビンビン刺激してくれる。そして一番人気の特製ラーメンにのる長ネギと豚バラ肉炒めには、これまたすりおろしニンニクをたっぷりと。「荻窪ラーメンといえばあっさり醤油」のイメージだったアナタは、確実に“めんくらう”旨さだ。

「チャーハン」×「餃子」の絶品

下北沢「下北グレイヴィ餃子」

下北沢「下北グレイヴィ餃子」

品書きを見て頭を抱える。餃子は日替りを含めると7〜8種類。焼餃子に水餃子、パクチー餃子やチリマヨ餃子なんて変化球も。チャーハンはなんと10種類。……選べない!店主の岡さんは大手中華料理グループのエースとして15年働いた後、2016年に独立。

「僕自身が餃子が大好きなので。やるなら餃子が主役の店と決めていました」。まずはコレを、とおすすめされた「肉汁焼餃子」。

もっちり厚めの特注生地で包むのは、鶏豚ガラスープを含ませたジューシーな餡。頬張るとまるで、小籠包のごとく肉汁がジュワッ! チャーハンは悩みぬいた上で「豚ホウレンソウ」を選ぶ。運ばれてきたのは「大盛り注文してないんですが?」といいたくなる量だが、これが普通盛だ。箸で餃子にかぶりつき、もう片方の手のレンゲでチャーハンをハフハフ。二刀流で心ゆくまでがっつきたい。

千駄木「一寸亭」

千駄木「一寸亭」

昭和の頃は、水餃子といえばスープにとぷんと餃子が浮いていた。同店の水餃子はまさに懐かしいそのスタイル。野菜たっぷりのスープに、大ぶりの餃子がドカンと入る。これがしっかりした味付けのチャーハンと鉄板の相性なのだ。まずは、刻んだチャーシューがいいアクセントを放つチャーハンをひと口、そして水餃子のスープを飲み、餃子を齧ってまたチャーハンへ。この無限ループが止まらなくなる。地元で愛される『一寸亭』は創業45年。厨房には初代と2代目が揃って立ち、黙々と鍋を振っている。たいてい満席で、一杯飲む常連客から親子で夕食を食べるほほえましい姿もある。看板メニューはモヤシソバだが、焼き餃子を筆頭に隠れた人気メニューも数多い。「お客さんが喜んでくれるから」とオムライスまであり、そんな多彩なメニュー構成が昭和の親父心をまたときめかせる。

板橋「龍王」

板橋「龍王」

個性的な名店が集まる食の迷宮・板橋。中国北部出身の楊さん家族が営む『龍王』も、豪快なチャーハンをはじめ、庶民派プライスの逸品が目白押しである。溶岩のように真っ赤なキムチを大胆に盛り付けた「キムチチャーハン」は、量も美味しさもインパクト絶大。新作の「ナスバター炒飯」も、意外な相性にハマる人続出中だ。相方の「鉄板焼餃子」は皮の両端を空けて包む、本場伝統のスタイル。カリッと焼かれた薄皮からあふれる、まろやかな餡が舌に優しい。好吃!ビールやサワーもメッチャ安くて言うことなしです。

店舗情報

■江戸川橋「新雅」
東京都文京区水道2-11-2
TEL:03-3946-2077
交:地下鉄有楽町線江戸川橋駅3番出口から徒歩2分

■荻窪「手もみラーメン 十八番」
東京都杉並区上荻1-4-10
TEL:03-3393-3545
営18時~翌1時半、日・祝18時~翌1時15分
交:JR中央線ほか荻窪駅北口から徒歩2分

■下北沢「下北グレイヴィ餃子」
東京都世田谷区北沢3-30-2
TEL:03-3466-1422
交:京王井の頭線ほか下北沢駅北口から徒歩4分

■千駄木「一寸亭」
東京都台東区谷中3-11-
TEL:03-3823-7990
交:地下鉄千代田線千駄木駅2番出口から徒歩4分

■板橋「龍王」
東京都板橋区板橋1-49-3
TEL:03-6780-0329
交:JR埼京線板橋駅西口から徒歩2分

…つづく「東京駅、じつは『朝ラーメンの天国』だった…! 朝からペロリの絶品ラーメン 《ベスト5店》 を覆面調査隊がレポート」では、早朝から開店の絶品のラーメン店を調査しました。

『おとなの週末』2018年10月号より(本内容は発売時のものです)

画像ギャラリー

関連キーワード

この記事のライター

関連記事

町中華を超えた宮廷料理レベルのチャーラーを近鉄大和八木駅で発見!日本最安レベルの半チャーハンにも衝撃

西川口「ガチ中華」に覆面調査隊が潜入…本当においしい《最強の餃子》ベスト3店を発表する

初代が40年守り続けた老舗を引き継いだ『東京築地やよい麺』名物「やよい麺」は唯一無二の味

あの伝説の料理番組から生まれた『華都飯店』の「アボカドスープ」 ランチコースで味わう贅沢

おすすめ記事

『秘密のケンミンSHOW極』で「石巻焼きそば」特集 『おとなの週末』おススメ「ご当地焼きそば」情報“美味2選”をご紹介!

コーヒー好き女優が秘密にしていた名店は竹林に囲まれた京都の癒しカフェ

まさに「無敵のカレーパン」 錦糸町『ごちそうパンベーカリー花火』はカレーパンと焼きそばパンが2枚看板

東京、駅直結の「うまい寿司」ベスト3…高コスパ、絶品の《本マグロ》ソロ活ランチ使いの店を「覆面調査隊」が発見

大人気は「自家製サクサクカレーパン」 老舗『トーホーベーカリー』は三鷹・武蔵野で愛されて70年以上「ここに来れば間違いない」

この食材の名前は? ウロコじゃありません

最新刊

「おとなの週末」2024年10月号は9月13日発売!大特集は「ちょうどいい和の店」

全店実食調査でお届けするグルメ情報誌「おとなの週末」。9月13日発売の10月号は「ちょうどいい和の店…