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■誰かの「見えない家事」に携わる時間を少しだけ減らすこと

 その定期的な質問は、私の仕事がさらに不規則になったために、いまは行っていない。また復活させたいとは思っているけど、あの時たしかに「見えない家事をシェアできた」実感があった。だれかの決断を共有することで、頭の中に見えない家事が居座る時間を時短できた、ともいえるかもしれない。あの時の私は、家電に近づけたのだ。

 私は別に専門的な見識を持ち合わせているわけではないけど、おそらくこれからの家電やAIは、そういった「頭の中にある見えない家事を軽減する」方向にがんばるのではないか、と考えている。現にホットクックは、わりとその地点に到達している。ホットクックのスイッチを押せば訪れる、頭の中に料理のことを念頭に置かなくていい時間が思った以上に爽快であることは、ここで声を大にして言っておきたい。

 たとえひと時でも、頭の中から見えない家事を排除する家電は、これからますます重宝されるだろう。ただし頭の中に空いた隙間は、ただちに別のよしなしごとで埋められることもまた、スマホを手にした私たちは知っている。見えないしんどさが家事だけでないのが、私たちがいそがしくて、悲しいところなのかもしれない。

文・山本隆博(シャープ公式Twitter(X)運用者)
テレビCMなどのマス広告を担当後、流れ流れてSNSへ。ときにゆるいと称されるツイートで、企業コミュニケーションと広告の新しいあり方を模索している。2018年東京コピーライターズクラブ新人賞、2021ACCブロンズ。2019年には『フォーブスジャパン』によるトップインフルエンサー50人に選ばれたことも。近著『スマホ片手に、しんどい夜に。』(講談社ビーシー)

まんが・松井雪子
漫画家、小説家。『スピカにおまかせ』(角川書店)、『家庭科のじかん』(祥伝社)、『犬と遊ぼ!』(講談社)、『イエロー』(講談社)、『肉と衣のあいだに神は宿る』(文藝春秋)、『ベストカー』(講談社ビーシー)にて「松井くるまりこ」名義で4コママンガ連載中

■シャープさんの「家電としあわせ」シリーズ

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山本隆博
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