ネットミームとなって久しい「出来らあっ!」のセリフ。これは料理マンガ『スーパーくいしん坊』(作:牛次郎/画:ビッグ錠)が由来だ。その名台詞を彷彿とさせる『デキらぁめん』(税込702円)をご紹介しよう。鉄道会社なのに食品事業部がある銚子電鉄の製品だ。
画像ギャラリーネットミームとなって久しい「出来らあっ!」のセリフ。これは料理マンガ『スーパーくいしん坊』(作:牛次郎/画:ビッグ錠)が由来だ。その名台詞を彷彿とさせる『デキらぁめん』(税込702円)をご紹介しよう。鉄道会社なのに食品事業部がある銚子電鉄の製品だ。
『デキらぁめん』は銚子電鉄と都一株式会社のコラボ商品!
『デキらぁめん』(税込702円)は3食入のパッケージ。乾麺は1食ずつ密封されているので、3食をまとめて食べずともよい。とんこつスープがセットになっているので、よくあるインスタントラーメンと同じように扱える。
まず、600mlの水を沸騰させ、めんを2つに開いて割って入れる。乾麺はものすごくしっかりした感触で、割る際にこぼれた麺の破片を口にしてみると、一般的なインスタントラーメンとはまったく違う硬さに驚かされた。これは単なるダジャレ商品ではないぞ、と直感させられる硬さだ。
『デキらぁめん』は、『銚電ブラックカレー』でも知られる『銚子電鉄』と、『都一株式会社』のコラボ商品。都一株式会社は創業が1930年(昭和5年)、中華そばの発売は1953年(昭和28年)という、千葉県千葉市の老舗の製麺会社で、『屈曲麺』をはじめとする複数の中華そばの特許を保持している。
老舗ののれんに偽りはなさそうだ、と期待を抱き、菜箸で麺を踊らせながら煮込む。ノンフライ麺(という言葉もなかった頃から製造されている)なので、茹でる時間は6分と長めだ。
ダジャレ商品のはずなのに、本格的で美味!
とんこつスープを溶き、素のままでは殺風景すぎるので刻んで冷凍しておいた青ネギを散らす。ドンブリに移すと『デキらぁめん』の出来上がりだ。とんこつの匂いは感じられず、クセのない第一印象。見た目は一般的なインスタントラーメンのようだ。
だが、その印象は一口すすって覆された。これは美味い。麺のコシが違う。噛みしめると重層的な食感が感じられる。安物のインスタントラーメンとはポテンシャルが段違いだ。
これはインスタント麺ではない。乾麺だ。その意味がはっきりと感じられるほど美味い。調理のやりかたによっては、もっと麺の魅力が引き出せるのではないか。そう確信させられる美味さだ。
スープも頑張っていて、袋入りの濃縮スープとしては悪くない。成分表をみると植物性油脂のはずだが、汁の表面に薄く膜ができるほど入れられても、不快な舌触りにはなっていない。
なるほど、これなら『製造元』ではなく『コラボ商品』とするのも納得の出来栄え。正直侮っていました。脱帽です。
『デキらぁめん』の由来の半分は『デキ3形』電気機関車?
『デキらぁめん』という商品名で皆さんが思い出すのは、SNS上で見かける、「出来らあっ!」と叫ぶ画像だろう。デキらぁめんのパッケージにも鍋島香介がばっちり描かれているのだから、決して間違いではない。このパッケージ絵はビッグ錠による描き下ろしだ。
鍋島香介は1982年(昭和57年)から月刊少年マガジンに連載された『スーパーくいしん坊』(作:牛次郎/画:ビッグ錠)の主人公であり、「(同じ値段で)出来らあっ!」「え!! 同じ値段でステーキを!?」のセリフの主だ。隣り合わせのページで態度が豹変する香介の姿は「お前がさっき言ったんだろ!」とツッコミを入れずにはいられず、すっかりネットミームとして定着した観がある。
しかし、これだけでは『デキらぁめん』の半分しか説明したことにならない。半分は『デキ3形』という、銚子電鉄保有の車両に由来している。ちなみに『3形』は誤字ではない。
デキ3形は1922年(大正11年)にドイツのアルゲマイネ社(AEG社。現在も存続する電機メーカー)によって製造された電気機関車。全長4.4mというミニサイズで、その愛嬌ある外観とあいまって、銚子電鉄のマスコット的存在になっている。
デキ3形は仲ノ町駅車庫に保管されており、土日祝日には150円の入場券で見学可能となっている。詳細は銚子電鉄のホームページで確認してほしい。
しかし銚子電鉄、この勢いだと、そのうち仮面ライダーストロンガーを起用するのでは。『銚電稲妻キック(※)』が見たくないと言ったら嘘になります。
※仮面ライダーストロンガーの必殺技は「超電稲妻キック」ですw
【デキらぁめん とんこつ風味・三人前】
内容量:378g(めん80g×3)/賞味期限:製造日より180日
製造者:都一株式会社/販売者:銚子電気鉄道株式会社
セット内容:即席中華麺×3個、液体スープ×3個
文・写真/深澤紳一(ふかさわ しんいち):PCゲーム雑誌から文芸誌、サブカルチャー誌まで幅広い寄稿歴をもつライター。レーシングスクールインストラクターなども務めつつ、飼犬のために日々働く愛犬家。