ニッポン“チャーラー”の旅

愛知では珍しい“のせ系” 東海エリア初出店の肉あんかけチャーハン専門店『炒王』でチャーラーチャレンジ

愛知では珍しい“のせ系” 東海エリア初出店の肉あんかけチャーハン専門店『炒王』でチャーラーチャレンジ

愛知では珍しい“のせ系” 東海エリア初出店の肉あんかけチャーハン専門店『炒王』でチャーラーチャレンジ

チャーハンとラーメンのセット、略して“チャーラー”。愛知で親しまれるこのセットメニューを愛してやまない現地在住のライター・永谷正樹が、地元はもちろん、全国各地で出合ったチャーラーをご紹介する「ニッポン“チャーラー”の旅」。第41回の今回は、東海エリア初出店のあんかけチャーハン専門店『炒王』でチャーラーを食べてきました。

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チャーハンとラーメンのセット、略して“チャーラー”。愛知で親しまれるこのセットメニューを愛してやまない現地在住のライター・永谷正樹が、地元はもちろん、全国各地で出合ったチャーラーをご紹介する「ニッポン“チャーラー”の旅」。第41回の今回は、東海エリア初出店のあんかけチャーハン専門店『炒王』でチャーラーを食べてきました。

肉あんかけチャーハンか? 広東チャーハンか?

チャーラーの写真ばかり撮っているせいか、筆者のインスタのアカウントにはチャーハンやラーメンの画像や動画が頻繁に流れてくる。興味を惹かれるのは、東京の店。人も店も数が多いからだろうが、東海や関西よりも趣向を凝らしているように思える。

とくに具材をのせた“のせ系”のチャーハンのバリエーションが多い。筆者が暮らす愛知県ではあまり見かけないので、とても羨ましい。

2024年6月、東京と埼玉で店舗展開してきた肉あんかけチャーハン専門店『炒王(チャオ)』が名古屋市守山区にオープンした。ネットで詳細をチェックすると、サイドメニューに醤油味の「半ラーメン」もあるようだ。と、いうことはチャーラーの旅が楽しめるではないか!

『炒王 新守山店』外観。店は国道19号線沿い。駐車場も完備している

店へ行ったのは、オープンして3週間後くらい。さすがに空いているだろうと思いきや、店内は超満員。席が空くのを10人以上が待っていた。筆者も順番待ちの名簿に名前を書いて待つことに。その間、注文するメニューを考えていた。

ここの名物は「肉あんかけチャーハン」(830円)だが、“のせ系”のチャーハンは上にのる具材に味を左右される。となると、チャーハンそのもののクオリティを判断するにはあんかけがかかっていない「広東チャーハン」(880円)を選ぶべきなのか。う~ん、悩ましい。

卓上のタブレット端末から注文する

30分ほど待って、ようやく名前が呼ばれた。席に着くと、タブレット端末があり、そこから注文するようだ。まだこの時点でも迷っていて、周りの席を見渡すと、大半の客が「肉あんかけチャーハン」を注文していた。やはり、ここはまず名物から食べてみようと思い、「肉あんかけチャーハン+半ラーメン」(1080円)を選んだ。

厨房に目をやると、忙しそうに中華鍋を振るスタッフがいた。チャーハンは作り置きではなく注文ごとに調理していることがわかった。チャーハンはそうでなくちゃ。

「半ラーメン」は1杯250円の激安価格

で、まず目に前に運ばれたのは「半ラーメン」。具材は揚げ玉とモヤシ、ネギ。単品でも250円と激安ゆえに、チャーシューやメンマを入れることができないのだろう。

「半ラーメン」。サイドメニューは「から揚げ」(2個300円)や「餃子」(3個200円)もある

では、スープをひと口。揚げ玉でややオイリーになっているため熱々なのがイイ。味は……ショッピングモールのフードコートにあるラーメンのような感じ。これと言って特徴はないものの、おそらくこの味が嫌いな人はいないと思う。

麺はストレートの中太麺で、茹で加減はややかため。これは筆者の好み。まぁ、ここのメインはあくまでもチャーハンであって、ラーメンはサイドメニューにすぎないのだから、これもアリだよね。

「肉あんかけチャーハン」。「温玉」(100円)や「野菜炒め」(200円)、「生ニンニク」(70円)などのトッピングも用意している

「半ラーメン」を少し食べたところで「肉あんかけチャーハン」の登場。並盛でも大盛でも値段は同じということで大盛にした。うん、なかなかの、というかかなりのボリューム。「半ラーメン」とのセットでは量が多すぎるのではないかと少し後悔した。まぁ、何はともあれ、いただきます!

チャーハンそのものの味は……

おっと、こちらは見た目よりも味は濃くはない。肉も挽き肉を想像していたけど、大きくてしっかりと存在感がある。薄味に仕上げているのは、チャーハンとのバランスを考えてのことだろうが、やはり肉あんかけの味が勝ってしまい、チャーハンそのものの味がよくわからない。

卓上にある紅ショウガやラー油、酢などで味変も楽しめる

半分ほど食べたところでベースとなるチャーハンチェックをしてみた。具材は玉子のみ。お米の一粒ひと粒に油がコーティングされていて、炒め加減はベストだ。チャーハンだけを食べてみると、ほとんど味がしなかった。これも肉あんかけがかかるためだろう。しかし、そうなると白ご飯の上に肉あんかけをかけても同じような味になるのではないか。

やはり、“のせ系”のチャーハンを評価するのは難しい。筆者としては、上にのせる具はチャーハンをよりおいしくさせるためのものであり、ベースとなるチャーハンがおいしくなければ成り立たないと思うのだが。

今回はやや辛口になってしまったが、「半ラーメン」との相性はよかった。次回は肉あんかけがかかっていない「広東チャーハン」を食べてみようと思う。

取材・撮影/永谷正樹

1969年愛知県生まれ。株式会社つむぐ代表。カメラマン兼ライターとして東海地方の食の情報を雑誌やwebメディアなどで発信。「チャーラー祭り」など食による地域活性化プロジェクトも手掛けている。

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