江戸の粋を残す街、東京・神楽坂。かつては芸者が活躍するエリアとして栄え、遊びの場を提供する料亭や割烹も多くあった。そんな花街の面影を残す裏通りから、新店が軒を連ねるメインストリートまで、昼飲みにおすすめしたい、とっておきの3軒を厳選。落ち着きもありながら、リーズナブルで懐にもやさしい、大人の酒場をご紹介!
低温で揚げたサクっとジューシーなとんかつと本格蕎麦で乾杯
『神楽坂 山せみ』
『神楽坂 山せみ』は、2021年のリニューアルオ―プン以来、「蕎麦」と「とんかつ」という2つの看板メニューを主役に店を展開してきた。ここでは毎日11時半から蕎麦飲みが可能だ。
昼飲みにおすすめしたいのは、国産石臼挽のそば粉の香りが際立つ蕎麦とサクふわの天ぷらをお供に、ついつい酒が進む「天せいろ」(1900円)だ。蕎麦屋の定番のつまみといえる「板わさ」(650円)や、ふわふわの食感がクセになる「蕎麦屋の出汁巻き玉子」(850円)、爽やかな帆紫蘇がアクセントになった「つぶ貝山葵和え」(700円)など、蕎麦前に最適な一品料理も豊富である。
そして何をさしおいても食べておきたいのが、外はサクサク、中はしっとりとした「ヒレとんかつ」(1ケ500円)と、長ネギの甘みがヒレ肉と調和した「ヒレ串カツ」(1本650円)である。
とんかつは『洋食・ワイン フリッツ』(東京・小石川)や『ポンチ軒』(東京・神田小川町)など、ミシュランガイド・ビブグルマンにも掲載される有名店を生み出してきた斉藤元志郎シェフが監修。145度の低温でじっくり揚げ、油からあげた後ゆっくり寝かせることで、ヒレ肉のしっとりとした食感を実現しているそうだ。サクッとした衣とジューシーでやわらかな肉の食感がたまらず、思わず「ん~うまい!」と唸りたくなる一品である。
ドリンクは、北は岩手から西は佐賀県まで、常時約15種の日本酒をラインナップしているところに注目。なかなか手に入らない銘柄も揃えている。昔ながらの料亭を思わせるカウンター席からゆったりできる半個室まで豊富な席が揃うので、おひとり様でも仲間とでも立ち寄りやすいのがうれしい。
[住所]東京都新宿区神楽坂5-31 1階
[営業時間]月~金曜日11時半~14時半、17時半~22時
土・日・祝日11時半~15時、17時半~22時
[休日]なし
[交通]都営地下鉄大江戸線「牛込神楽坂駅」A3出口から徒歩2分、地下鉄東西線「神楽坂駅」から徒歩6分、地下鉄各線「飯田橋駅」B3出口から徒歩7分