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気の利いたつまみできゅっと一杯、はあ、たまらんですな~。昼飲みや夕暮れ飲みにぴったりなのがゆるりと飲んで、つるりと〆る蕎麦前。吟味して仕上げられた逸品で飲む酒は、大人だけに許された愉しみというもの。料理と酒にこだわる良店でそんなひと時を。

『umebachee!(ウメバチ)』 @渋谷

つまみから蕎麦へ トータルに練られた引き算の美学

わわわっ、香りと旨みが爆発する。肉厚を通り越してお饅頭のような椎茸を食べて驚いた。オイル煮だけどぜんぜん油っぽくない。香りを封じ込めるように低温の油で煮て、後からオーブンで余分な油を切っているからだ。

料理人の外牧さんは、目指す味へのアプローチに手間を惜しまぬ職人気質。

かますの酢〆 800円、原木椎茸のオイル煮 900円、オオカミ 800円

『umebachee!(ウメバチ)』(左手前)かますの酢〆 800円、(右奥)原木椎茸のオイル煮 900円、(右手前)オオカミ 800円 秋田三種町の驚くほど肉厚な椎茸は、凍るほどの寒さに耐えることで旨みが凝縮する。旬の魚の酢〆は定番。合わせたのは飲むほどに味わい深い日本酒、久米桜酒造『オオカミ』

〆の蕎麦はつゆまで飲んで欲しいから「その塩分を見越して料理の塩を控えます」と食べ手を思いやり、繊細なつまみに仕上げていく。クラフト感ある酒を揃えているが、「香りの強いものは置かない」のも蕎麦の風味を大切にするため。

最後まで蕎麦を気持ちよく楽しむ。その一点へ集約していく引き算の美学ゆえか、飲んだ後も体が軽い。

『umebachee!(ウメバチ)』

[住所]東京都渋谷区渋谷3-22-11 サンクスプライムビル3A
[電話]なし
[営業時間]12時~15時(14時半LO)、18時~22時
[休日]土・日
[交通]JR山手線ほか渋谷駅C2出口から徒歩3分

『手打ちそば やっ古』 @学芸大学

たおやかな料理と蕎麦に癒されて今宵も上機嫌

「毎週いらっしゃるお客様のために、つまみは少しずつ入れ替えています」とおっとり笑う店主の西田さん。この笑顔に会いたくて通ってしまうのだろうか。

つまみは季節の野菜を使ったものがいっぱい。いろんな野菜を食べてほしいという気持ちの表れだ。そこに加えたひとひねりがやっ古流。

例えば、酢〆した魚にシャクシャクの食感が小気味よいわけぎの酢みそ和えをのっけたり、あるときは野菜違いの3種のきんぴらを盛り合わせたり。

豆腐田楽三種 680円、イワシの酢じめとあさつきの酢みそあえ 800円、日本酒 700円~(150ml)

『手打ちそば やっ古』(手前)豆腐田楽三種 680円、(奥)イワシの酢じめとあさつきの酢みそあえ 800円、(右)日本酒 700円~(150ml) 上の酢みそ和えだけ、下の酢〆だけ、両方一緒に食べる、と3回楽しめる。茹でて〆た豆腐の田楽。左から山椒醤油麹、柚子味噌、ふき味噌。少しずつ違う味がうれしい

おひとり様でも食べられるようにとポーションは控えめ。味付けも尖ったところがなく丸くて優しい。凛とした風情の蕎麦もまた澄んだ味わいで、飲んで食べた後は晴れ晴れとした気分になる。

『手打ちそば やっ古』

[住所]東京都目黒区鷹番3-4-13
[電話]03-4291-1012
[営業時間]17時~21時半(20時半LO)
[休日]日・月 ※不定休あり。蕎麦がなくなったら閉店
[交通]東急東横線学芸大学駅から徒歩5分

『黒猫庵』 @蔵前

自由なつまみも隠し玉も楽しい 新しき蕎麦酒場

蕎麦と牡蠣というのが『黒猫庵』のテーマ。ピンポイントではあるが、好きな人にはたまらない。

生ガキを並べて、さあ食べようとすると「実はスコッチウイスキーもあるんです」と店主の長谷川さん。生ガキに少し垂らすのがおすすめ、とにっこり。なんと~、日本酒とナチュラルワインの店だと思っていたので意表をつかれた。実はお客さんから言われて置くようになったのだとか。

鳥羽 桃こまち 650円、陸前高田 米崎 880円、厚岸 L 980円、タリスカー10年 670円(シングル)

『黒猫庵』(手前から奥に)鳥羽 桃こまち 650円、陸前高田 米崎 880円、厚岸 L 980円、(右)タリスカー10年 670円(シングル) 牡蠣の銘柄は日替わり。牡蠣に特化した仲買人から仕入れている。食べ方は、レモン、モルトビネガー、タバスコから選べる

意表を突くのは洋食の経験もある長谷川さんのつまみも同様。干しダラを使ったブランダードのマグロ版のような『じゃがいもとマグロ酒盗焼き』にはこの手があったか、とにんまり。どんなつまみが飛び出すかを楽しみに、通ってしまいそうだ。

『黒猫庵』

[住所]東京都台東区蔵前3-6-8
[電話]03-5809-2326
[営業時間]18時~23時(22時LO)、日:15時~21時(20時LO)
[休日]月、第1・3日
[交通]都営浅草線ほか蔵前駅A0出口から徒歩1分

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『手打ち蕎麦 吉』 @新井薬師前...
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おとなの週末Web編集部
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