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銘柄豚を使ったり、コースで食べさせる店が増えるなど、高級化しつつあるとんかつ。こだわりをもって作ることで旨さは最上級に。価格に見合う、否、それ以上の価値を届けてくれる贅を極めた逸品をご賞味あれ。

『とんかつ 憲進(けんしん)』 @飯田橋

淡雪の如き衣と肉の旨さが際立つ高い技術に感動

見るからにふかふかの白い衣は歯を入れた瞬間の繊細な音や食感まで想像できそうだ。ひと切れ持ち上げれば箸の感覚から伝わる肉質の柔らかさ。

甘くやさしい脂は店主、畑田さんが「舌鼓を打ちまくる豚肉!」と惚れ込んだ茨城県産「常陸の輝き」の極上リブロースならではの魅力だろう。

食べ手のテンションまでスカッと揚げ、いや上げてくれるこちらは今最も注目の新店のひとつ、昨年3月に開店した『憲進』だ。

効率よく均一の火入れになるよう銅鍋のサイズにもこだわり、低温で揚げても衣がべたつかない仕上がりが理想だそう。

糖度低めのパン粉を羽毛布団のようにやさしくまとわせ、内臓を包む腸間膜油で蒸し揚げのように調理することで素材のポテンシャルを最大限に引き出している。

「常陸の輝き~ひたちのかがやき~」リブロースかつ定食(約200g) 4500円

『とんかつ 憲進(けんしん)』「常陸の輝き~ひたちのかがやき~」リブロースかつ定食(約200g) 4500円 「常陸の輝き」は旨みと香りのバランスがいい肉質。数多くの豚肉を試食してきた畑田さんも大絶賛。残った衣をキャベツに混ぜて塩で食べるのが常連客の裏技

旨さの追求はかつのみにあらず。ふわっとエアリーなキャベツのおいしさも驚くほどで、故郷の広島愛を感じるサイドメニューやソース類も魅力。さあ後はあなたの舌で、ハイレベルの実力をお楽しみください。

『とんかつ 憲進(けんしん)』昨年3月に開店

[住所]東京都新宿区神楽坂3-1-23 Ami神楽坂2階
[電話]03-6826-9862
[営業時間]11時~14時LO、17時~20時LO
[休日]月・木
[交通]地下鉄有楽町線ほか飯田橋駅B4b出口などから徒歩5分

『紀尾井町 とんかつ・洋食 ひとみ』 @永田町

至宝の豚肉×名人技が唯一無二の味を完成させる

これが日向マジックか。いやあ、悔しいほど完璧。それもそのはず、とんかつを部位ごとに楽しませるコース形式を考案するなど業界に新風を吹き込み、数々の人気店を育ててきたレジェンド、日向准一さんが自ら腕を振るっているのだから。

ここはとんかつ&洋食の2本柱という自身の集大成的な店で、看板食材に選んだのが梅山豚などを掛け合わせた四元豚、茨城県岩瀬牧場の「長右衛門豚」だ。

長右衛門豚ロースかつ 4980円

『紀尾井町 とんかつ・洋食 ひとみ』長右衛門豚ロースかつ 4980円 肉汁を隅々まで感じる旨さ。8ヵ月ほど掛けて肥育した「長右衛門豚」は個体が小さいため肉塊を斜めにカットして大きさを出すよう工夫。トリュフバターなど味わいも多彩

自家飼料で長期肥育したそれは香りが極めて良く、味は濃厚。出荷数が少ないため、ほぼこの店でしか味わえない稀有な豚だとか。そんな至宝の肉と名人技が交われば……ご覧ください、黄金の衣、甘美な脂、ロゼの断面に麗しの肉汁がうっすら滲む。揚げている時の重さの変化で火入れを見極め、余熱で蒸らしながら仕上げた旨さはまさにマジック。驚きます。

『紀尾井町 とんかつ・洋食 ひとみ』

[住所]東京都千代田区紀尾井町1-3 東京ガーデンテラス紀尾井町3階
[電話]03-6272-6685
[営業時間]11時半~15時(14時半LO)、17時~22時(21時LO)
[休日]無休(年末年始は休み)
[交通]地下鉄半蔵門線ほか永田町駅9a出口からすぐ

『とんかつ いわい』 @大門

真摯な姿勢で独自の旨さを追求し続ける!

限定の厚切りロースはほんのり桃色の火入れに惚れ惚れ。噛めばふっくら柔らかく、鹿児島県産六白黒豚の上質な脂の甘みが口中にあふれてくる。そう、これが旧店名『のもと家』から完全独立した店主、岩井さんが追求する味の“現在地”。

昨日より今日、今日より明日。「よりおいしく。毎日そればかり考えてます(笑)」。ひたむきな姿勢で磨きをかけた技の結晶なのである。

特選厚切りロースかつ定食(240g) 3000円

『とんかつ いわい』特選厚切りロースかつ定食(240g) 3000円(夜はポテトサラダ付きで3050円)※昼夜各限定8食 赤身と脂のバランスを見て一番おいしく味わえる厚みを計算し、個性違いの2種をブレンドしたラードで揚げる。肉は弾力がありつつ柔らかく、茎山葵と鹿児島の醤油で味わうとさっぱり。品書きには240gと書いているが実際は300gあることも

数年前より進化したのはその揚げ方だろう。サクッとなるようパン粉をイチから変え、最初は低温のラードで、終盤は高温で。配膳までの数分数秒、何ならお客が料理写真を撮るだろう時間まで逆算し、最適な状態で提供するよう心掛けているそう。

茎山葵+鹿児島の甘口醤油で……と味わい方ひとつ取ってもすべては肉の味を引き立てるため。岩井流とんかつ、現在も絶賛進化中だ。

『とんかつ いわい』

[住所]東京都港区芝公園2-3-7 ソリューション玉川ビル2階
[電話]03-6809-1529(営業中は対応不可)
[営業時間]11時半~14時半(13時45分LO)、17時半~21時(20時LO)※食材が売り切れ次第終了、土は昼のみ
[休日]日・祝
[交通]都営浅草線ほか大門駅A6出口から徒歩3分、JR山手線浜松町駅北口から徒歩7分

『Fry家(ふらいや)』 @高田馬場

少量多種のフライをコース仕立てで楽しむ幸せ

ロースもヒレも他の揚げ物も食べたい。でも量的にどれかを選択せざるを得ず地団駄を踏んだことありません?安心してください、天ぷらのように少量多種を味わえるフライの店を発見。

昼は種類を選べる定食、夜は揚げたてを1品ずつ提供するコース仕立てで、基本の構成に好きな単品を追加して自分好みに楽しめる。ありがたい!

メニューB(夜)2500円の一部

『Fry家(ふらいや)』メニューB(夜)2500円の一部 肉(写真はヒレとシキンボを選択) 手前のシキンボはモモの希少部位。適度なサシもあって深い旨み

フライを監修したのは洋食の巨匠とされる斎藤元志郎さんで、調理は和食歴約40年になる西山料理長がその腕を発揮する。

2週間熟成させた国産銘柄を使うとんかつはシキンボなど希少部位もあり、他にも名物の鶏ささみや海鮮、野菜と揃うのもうれしい限りだ。

衣や油の配合も肉と魚で変え、揚げた後にパン粉を敷き詰めた台で休ませることで余分な油を吸わせて軽やかに。いろいろ食べたい食いしん坊も大満足!

『Fry家(ふらいや)』

[住所]東京都新宿区高田馬場1-32-11 小澤ビル地下1階
[電話]03-3200-0565
[営業時間]11時~15時(14時LO)、17時半~22時(21時最終入店、21時半LO)
[休日]不定休
[交通]JR山手線ほか高田馬場駅北口から徒歩3分

『とんかつ じゅうろく』 @田原町

蕎麦屋の人気つまみが専門店に!味変も楽しい

店名の『じゅうろく』と聞いて蕎麦屋を連想した人もいるのでは?実は蕎麦の名店『浅草じゅうろく』のオーナーがとんかつ好きで、つまみに出していた「ヒレカツ」が好評だったことからそれに特化した店を……と始めたのがこの店。看板メニューは当然「ヒレカツ定食」だ。

名物じゅうろくのヒレカツ定食(2個) 2600円

『とんかつ じゅうろく』名物じゅうろくのヒレカツ定食(2個) 2600円 取材時は「茨城ポーク」。スッと歯が入る柔らかさ。柚子胡椒と辛子、自家製とんかつソースなど飽きずに楽しめる

関東近郊の良質な豚を使い、和食出身の中村店主が肉にストレスを与えないよう時間をかけて二度揚げする。ガリッとクリスピーな衣は香ばしく、ミディアムレアに火入れした肉はジューシー、その対比のバランスはお見事

シンプルに塩で味わうのが定石だが、自家製ソース類もぜひ試して。ややスパイシーなトマトベースのとんかつソース、大根おろしとレモンの酸味でさっぱりの和風ダレなど味変も楽しくてうれしさ倍増。羽釜でこまめに炊く艶々のご飯も食欲を加速する!

『とんかつ じゅうろく』

[住所]東京都台東区雷門1-5-11
[電話]03-6762-2527
[営業時間]11時半~14時半LO、18時~22時(21時半LO)
[休日]月・他不定休
[交通]地下鉄銀座線田原町駅3番出口から徒歩4分

『和心とんかつ あんず はなれ』 @銀座

銀座の人気店が昨年9月に『はなれ』を出店

まあこだわりがハンパない。精肉の卸販売も手掛ける会社が経営する人気店の新業態だけに、扱う肉をはじめ福岡の自社農場で栽培する米など数々の情熱がこの店に凝縮されている。

社長が全国から探し求めた高級豚肉「上州豚とことん」は梅エキスが入った特別配合飼料で育てるためクセがなくきめ細やか。中でもヒレの一番柔らかい中心部位“シャトーブリアン”を使うヒレかつはここ『はなれ』だけのメニューだ

群馬県産とことん豚 豚ヒレのシャトーブリアンかつ膳 5280円

『和心とんかつ あんず はなれ』群馬県産とことん豚 豚ヒレのシャトーブリアンかつ膳 5280円 舌に吸い付くようなしっとりした柔らかさ。ミネラル豊富な塩のほか、粒マスタードやすりたての胡麻ソースなどで味わう

注文が入ってから棒状の塊肉を整え、職人が銅鍋で調理してくれる。ヘルシーな食物油で揚げるから胃もたれは皆無、衣のサクサク感からの気品高き柔らかさに垂涎

加えて特製の有田焼土鍋でひとりずつ提供する炊きたてご飯のこれまた贅沢なこと。素材に手法に器に、細部まで“とことん”こだわる矜持をしっかりと味わいたい。

『和心とんかつ あんず はなれ』

[住所]東京都中央区銀座6-3-5 小池ビル1階
[電話]03-6826-2862
[営業時間]11時~22時(21時LO)
[休日]年末年始
[交通]地下鉄丸ノ内線ほか銀座駅C3出口などから徒歩3分

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ホテルで発見!絶品とんかつが食べられる店...
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おとなの週末Web編集部
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