茗荷谷「豊栄」 カシューナッツ、ネギ、ゴマ、ザーサイ。黒酢の深みのある酸味や旨みも加わるわけで、混ぜ混ぜして食せば、食感も味もなんというか重なり合って迫ってくる。で、その複雑だけどスキッとした重なり具合にまた唸ってしまう…
画像ギャラリー醤油、塩、味噌、豚骨に加え、もはやラーメンの定番と化した担々麺。たっぷりの胡麻を使ったコクと味わいのあるスープはこれから寒い冬を乗り切るのにぴったりな一杯です。そんな担々麺の絶品を求めて覆面調査隊が池袋、茗荷谷、新宿などを練り歩きました。
高円寺「中華銘菜 圳陽」
聞けば、「辛過ぎたり、まろやか過ぎず、皆に『あ、美味しいね』と食べてもらえるのが理想」ということで、納得である。ポイントは4度挽きされたゴマで自家製される芝麻醤の香りのよさ。
それをやはり自家製のラー油の香りと辛さが引き締める。肉味噌のほどよい甘さも◎。メニューは、店主が修業した広東地方を中心に、四川の料理も並ぶ。そのどれもが、丁寧に作られ、ほっとする美味しさだ。
茗荷谷「豊栄」
カシューナッツ、ネギ、ゴマ、ザーサイ。黒酢の深みのある酸味や旨みも加わるわけで、混ぜ混ぜして食せば、食感も味もなんというか重なり合って迫ってくる。で、その複雑だけどスキッとした重なり具合にまた唸ってしまうのだ。さらに言えば、旨さの秘密は「醤」にある。店主の進藤さんは、30種類以上の自家製の醤やオイルを仕込み、その組み合わせから新しい味を追求。新鮮な驚きがあるその味わい、ぜひ体感されたし。
池袋「中国家庭料理 楊 別館」
まだ日本で汁なし担々麺を食べられる店がなかった22年前、十条に開店した1号店で常連客に出したのが発端。2016年、その2号店別館が池袋にオープンした。 ソウルフードとして地元四川の家庭料理のスタイルにこだわった味は、辛さ、痺れ、ゴマの香り、どれもがむせ返るほどに濃厚だ。やや太めのもちもちした麺がまた独特。汁や具と混ぜ混ぜするとコシが増す。強烈に痺れるが、食べ進めるとやさしいゴマの風味とも合う。気がつくと、また食べたくなる味!
九段下「純中国伝統料理四川料理 芊品香」
そのこだわりは本物で、使用する香辛料は30種類以上、すべて四川から取り寄せ、金華ハムや赤鶏、野菜などからダシが取られたスープも余韻が深い。 注目の担々刀削麺は、そんなスープの旨みを背景に、濃厚なゴマの香り、さらには酸味や辛さと痺れが伴ってとても旨辛い。伝統の技で削られた刀削麺がみごとな食感でそこに絡む。いろんな味わいが詰まった、本格にしてオリジナルな一杯だ。
新宿「Okudo東京」
かつてあった「Tongking」の人気の担々麺を縁あって引き継ぎ、復活させた味わいでもある。花椒の香りはもとより、オリジナルという四川風のラー油と醤油ダレが利いたスパイシーなスープがよい。
中太のストレート麺がよく絡み、少し甘めの肉味噌を崩していくと、ニラ、ネギ、ゴマとも一体化して、口の中はなんともシアワセな旨々に。食べ進むにつれて、辛いだけじゃない旨みと奥行きが感じられるのである。食後はスパイシーな爽やかさ、それもまたよし。
…つづく「東京の本当うまい「町中華のラーメン」ベスト6店…なんと一杯《600円》、スープ絶品《浅草・大森・人形町・大井町・千歳烏山・清澄白河》で覆面調査隊が発見」では、あまたひしめく町中華のなかから、ラーメンのおいしい名店を紹介します。