ご当地グルメ“旅”歩き

福島県民の“イチ推しラーメン”がいわきにあった! 昭和を彩った「名曲の聖地」3選 美空ひばり、ちあきなおみ、八代亜紀 ご当地グルメもご紹介!

美空ひばりさんの遺影碑

年末特別企画「歌姫聖地とご当地グルメ」、前回はユーミン(松任谷由実)とドリカム吉田美和さんゆかりの地と名物グルメをご紹介しました。お二人のようなポップス系の歌ももちろん素敵ですが、懐かしの昭和歌謡もこの季節に聞くと心に染み入ります。今回は歌謡界における大御所中の大御所、美空ひばりさん、ちあきなおみさん、八代亜紀さんの名曲をご紹介しながら聖地を巡礼したいと思います。偉大な歌の数々を口ずさみながらお楽しみください。

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年末特別企画「歌姫聖地とご当地グルメ」、前回はユーミン(松任谷由実)とドリカム吉田美和さんゆかりの地と名物グルメをご紹介しました。お二人のようなポップス系の歌ももちろん素敵ですが、懐かしの昭和歌謡もこの季節に聞くと心に染み入ります。今回は歌謡界における大御所中の大御所、美空ひばりさん、ちあきなおみさん、八代亜紀さんの名曲をご紹介しながら聖地を巡礼したいと思います。偉大な歌の数々を口ずさみながらお楽しみください。

「みだれ髪」に涙を誘われる「塩屋埼灯台」

まずは美空ひばりさんです。ひばりさんは1987(昭和62)年に大病を患った後、復帰第一作として「みだれ髪」(作詞・星野哲郎、作曲・船村徹)を発表しました。1989(平成元)年に、ひばりさんは52歳の若さでこの世を去ります。

歌詞に「憎や恋しや塩屋の岬」とあるように、舞台となったのは福島県いわき市にある「塩屋埼灯台(しおやさきとうだい)」です。灯台のふもとにある広場「雲雀乃苑(ひばりのその)」には「みだれ髪」が流れ、訪問客の涙を誘います。

「みだれ髪」歌碑

その広場に2024年10月、「永遠のひばり像」が仲間入りしました。京都にあった『美空ひばり館』の閉館にともない、「雲雀乃苑」に移設されたとか。歌碑や遺影碑に囲まれた「永遠のひばり像」。生前、いわき市に来ることが叶わなかったひばりさんに代わって、今も当地を訪れる人々を見守っています。

いわき市の名店『チーナン食堂』のラーメンを実食!

さて、いわき市と言えば知る人ぞ知る食堂の名店があります。その名も『チーナン食堂』。

『チーナン食堂』

数年前、メディアでたまたま発見し、その強烈な名前が頭から離れなかったお店です。いつか行きたい!と熱望していた矢先に永遠のひばり像の移設を聞きつけ、いてもたってもいられず常磐線に飛び乗りました(笑)。

同店の名物は何と言ってもラーメン。福島県と言えば喜多方ラーメン、白河ラーメンなど全国に名がとどろくご当地ラーメンがありますが、県民にとって両者に並んで「食べたい!」お店が『チーナン食堂』のラーメンなんだそうな。

『チーナン食堂』ラーメン小とカレー小

筆者は小ラーメンと小カレーセットをいただきましたが、ラーメンはほんのり甘いスープで背油もあり、東京・吉祥寺の人気店『ホープ軒本舗』の「優しい味」を思い出します。チャーシュー、メンマともに満点。カレーも満点。いうことない食堂なのでした。

ぜひ皆さまも昭和をつくった美空ひばりさんの聖地と昭和感満載の食堂へお運びください。

デビュー55周年、人前から消えた歌姫

続いては歌唱力と表現力で定評のあるちあきなおみさんゆかりの地へ。

彼女の最大のヒット曲にして、昭和歌謡の名曲中の名曲「喝采」(作詞・吉田旺、作曲・中村泰士)は1972(昭和47)年にリリースされました。当時筆者は9歳。荘厳なメロディと「届いた報せは黒いふちどりがありました」「動き始めた汽車にひとり飛びのった」などの歌詞にドキドキしながら大人の世界を垣間見たものです。

45歳になる1992(平成4)年、ご主人が亡くなった影響か、人前から消えた昭和の歌姫。デビュー55周年の2024年は複数のテレビ局で彼女の特集が組まれ、若いファンも増えているらしいです。

アルバム撮影の聖地で昭和を偲ぶ

さて、ちあきさんゆかりの地は東京・新宿ゴールデン街にあります。彼女自身新宿の中学校に通った時期もあるらしく、そのドラマティックな人生と表現力は新宿、それもゴールデン街が似合います。

店名は『夜間飛行』。ちあきさんを敬愛する歌手の方が営むお店で、彼女の1973(昭和48)年のヒット曲がそのまま店名になっています。いぜん『桂(けい)』という店名で違う方がやってらしたようで、そこではちあきさんのアルバムの撮影が行われたとか。

『夜間飛行』

『夜間飛行』には今でもちあきさんの写真が飾られ、当時を偲ばせます。同店はスナックにつき、豪華な食事はありませんが、チャージで出された「冷や奴」がとても美味しかったです。

八代亜紀さんが15歳から歌っていたキャバレー

最後にご紹介するのは、2023(令和5)年12月30日に73歳でお亡くなりになった大演歌歌手、八代亜紀(やしろあき)さんです。

八代さんはその名の通り熊本県八代市(やつしろし)の出身で、繁華街にある『キャバレーニュー白馬』というお店で15歳から歌っていたそうです。筆者は八代さんの聖地『キャバレーニュー白馬』に10年前に行ったことがあります。

当地にある焼酎工場『八代不知火蔵(やつしろしらぬいぐら)』に友人が勤めており、会いにいったものです。夜は彼と繁華街に繰り出し、まずは熊本名物馬刺しが有名な居酒屋『やまどり』に訪問(ちなみに筆者は競馬好きなので馬刺しは食べません)、その後うかがったのが『キャバレーニュー白馬』でした。

『キャバレーニュー白馬』

外観も内装も驚くほど贅沢なお店で、ライザ・ミネリ主演の米映画『キャバレー』(1972年)に出てきそうなそれはそれは立派な劇場でした。八代さんの名曲「舟歌」(作詞・阿久悠、作曲・浜圭介)にある「あぶったイカ」は食べ損ねましたが、焼酎を飲みながら思い出深い夜を過ごしました。

『キャバレーニュー白馬』の贅沢な内装

八代さんは画家としても活躍されており、友人がつくった焼酎のラベルをデザインしたこともあるとか。八代の焼酎を深く愛していた八代さん。いつかまた当地に訪れ、前回果たせなかった「肴はあぶったイカでいい」を実現したいと思います。

今日は歌謡界の大御所お三方の聖地巡礼とご当地グルメでした。いよいよ2024年もあと数日。年末恒例のNHK紅白歌合戦もせまってきました。昭和と演歌が似合う紅白歌合戦。ひばりさん、ちあきさん、八代さんの歌を思い出しながら大みそかの夜を過ごしたいと思います。皆さまにとって素敵な2025年になりますように。よいお年をお迎えください。

文・写真/十朱伸吾 
おとなの週末Web専属ライター。旅と食とビールと競馬をこよなく愛する。ツーリングとゴルフも趣味。ツーリングの成果でダイエットにも成功。

……つづく『歌姫の聖地で出会ったグルメ2選! ユーミン縁の五島列島で味わう「五島うどん」、ドリカム吉田美和さんが愛した北海道「味噌ラーメン」』では、時代を彩る歌姫たちの聖地を巡礼!その中で出会った歌姫縁のグルメを実食レポートします。

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