都内屈指の古刹「深大寺」。奈良時代に水神「深沙大王」を祀り創建。起源の由来から縁結びの寺として信仰を集める。釈迦堂には東日本最古の国宝仏「銅造釈迦如来像(白鳳仏)」を安置という。
その「深大寺そば」は周辺の土地が蕎麦栽培に適していたことから農家が寺にそれを納め、寺が来山者に蕎麦切りを振る舞ったのが始まりだそう(諸説あり)。今は界隈に20軒以上の蕎麦屋が集まっている。 そう、肥田木も歩けば蕎麦屋に当たる。それぞれ個性豊かな旨さを競っていて食べ比べも楽しいのだ。
行列必至の『湧水』は蕎麦前も酒も豊富。香り高き蕎麦は旨過ぎるから、4軒をめぐり酒さえ傍らにあればペロリと平らげてしまった。
『深大寺そば 一休庵』
目を見開いたのが『一休庵』。石臼挽き自家製粉の蕎麦は風味格別。以前は数軒の店舗を展開していたが、今はここ1店に力を注ぎ納得の蕎麦を出すようにしているそう。
店先の打ち場で職人さんがせっせっと蕎麦打ち。旨い予感しかない。これが大大大、もひとつおまけに大正解。農家直送の国産玄蕎麦を石臼挽きで自家製粉した蕎麦は「一休」に掛けて1:9の蕎麦粉九割、十割、八割があり、食感や風味の違いを出すため挽き方を変えている。
八割は粗挽き主体、九割は更科に近い上品さ、一方、粗挽きと細挽きを程よく配合した十割はうっとりするほど香り高くたおやか。いやあ、惚れた。