『おとなの週末Web』は、手料理の魅力も紹介しています。中でもお酒好きなら、お供になる肴にもこだわりたいところ。自宅で作った様々な料理で「おとなの週末」を楽しんでいる年金生活の元男性編集者が、二十四節気に合わせ、自慢の酒肴を紹介します。「大雪」編をお楽しみください。
年末年始の必需品「乾きもののつまみ」を手作りする
古くからの生活暦、二十四節気は、読んで字のごとく1年を24の季節で示したもの。「冬至」から始まったこのシリーズも、「大雪」(たいせつ。12月7日頃からの2週間ほど)を迎え一巡となります。雪国では、すでに降雪の便りも聞かれ、北国では吹雪始める本格的な冬を迎えました。
冬場にはうまいものがたくさんあります。海の幸では、寒ブリ、タラ、カニをはじめ、鍋の主役を務めるスター級がいっぱいです。野の恵みでは、大根、白菜、かぶ、小松菜といった冬野菜がおいしい季節。オイラの好物では、ふろふき大根もうまい時期。でも、みずからは作りません。この季節になると、ありがたいことにわが妻が普通に作ってくれるからです。感謝するばかりです。
つまり、70歳のジジイの手作り酒肴は、だいたいが妻が作ってくれないものとなります。たとえば、2月にご紹介した「えのきたけのなめたけ瓶詰めふう」や、6月の「ちりめん山椒」などはその最たるもの。ようするに、オイラの目指すものは、市販の珍味や、季節のうまいものをオイラ流に手作りすることなのです。
そんなオイラが冬場に楽しんでいるものに、いわゆる「乾きもの」があります。普段、コンビニなどで、缶ビールとともに手にとる袋入りの「つまみ」です。この袋入りのつまみですが、案外侮れません。あとをひくのです。とくに年末年始の酒席では出番も多く、ある意味、「つまみの王道」なのです。
なかでも「イカ天」に代表されるスルメイカの珍味系つまみは、オイラも大好物。それゆえ、「いつの日か、手作りしてやる!」という野望を持っていたのです。はい、われながら、しょうもない野望です。
スルメの酒びたしを活用すれば味付け不要
乾きもののイカ天は、衣の中の干しスルメイカがカリカリしたものと、ソフトなものに大別されますが、オイラの好みは断然ソフト系です。ジジイですから、年々やわらかいもの(かたくないもの)への志向が増してきております。
しかしながら、干しスルメイカはもともとかなりかたいものです。炙って割いても、歯が痛くなるほど噛み応えがあります。
「なんとかやわらかくする方法はないのかな?」と、行きついたのが、酒にひたすやりかたです。スルメイカを日本酒のなかで泳がすこと、2日間。あのかたかったスルメイカが、どこでもかみ切れるくらいのソフトさになっていたのでした。要するに、「スルメイカの酒びたし」です。
スルメイカの酒びたしは、そのまま食べてもおいしいのですが、簡単に「乾きものふう」になります。食べやすく切り、衣をつけて天ぷらにするだけです。袋入りのイカ天が、揚げたてで味わえるということです。












