沖縄の「街ナカ」ホテルで“ご当地部屋”に遭遇! 「やちむんルーム」で至福のひとときを過ごす

1年の多くを日本のどこかで過ごしているトラベルライター間庭典子。街を歩き、街を学ぶ『街ナカ旅』に目覚め、出張のついでに数日延泊するように。「テンションあがる『街ナカ』ホテル」はそんなときの名サポーター。100%フル活用するためのトリセツをレクチャーする。

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1年の多くを日本のどこかで過ごしているトラベルライター間庭典子。街を歩き、街を学ぶ『街ナカ旅』に目覚め、出張のついでに数日延泊するように。「テンションあがる『街ナカ』ホテル」はそんなときの名サポーター。100%フル活用するためのトリセツをレクチャーする。

客室もご当地デザイン!街を味わうユニークな仕掛けが満載

トラベルライターとしてさまざまな宿を試泊し、住宅取材などで日本各地の都市を回る機会が多いが、出張先にOMOがあれば、仕事目的でも館内観光ができる!と小躍りして宿泊する。というのも限られた滞在でも、施設内でその街を楽しめる仕掛けが満載だからだ。

街ナカ旅に便利なロケーションで、ご近所マップやカフェ&バルなどがある旅の拠点、OMOベースがあるのが特徴

OMOベースのカフェ&バルや、グルメ情報満載のご近所マップ、その地の名産やコラボアイテムが並ぶショップも楽しいが、客室そのものがその街を感じられるエンタメ性のあるご当地デザイン。

コンパクトな空間に機能をぎゅっとつめ、大きなトランクを納めるスペースがベッドの下にあったり、タオルやドライヤーなどの備品がわかりやすく壁にかかっていたりコスパ=コストパフォーマンスならぬ、スぺパ=スペースパフォーマンスが秀逸なのだ。広くなくとも、閉塞感はなく、快適だ。

むしろすべてが手に届く範囲にあるようで、私は安心する。この施設の特徴として、靴を脱いで過ごせる床座の部屋がメインなので、ごろりとリラックスできるのも気が楽だ。

街ナカホテルならではの機能的でコンパクトなゲストルームが多いのがOMOブランド
壁面にも棚があったり、タオルやドライヤーなどをかける収納になっていたり空間を有効活用している

OMOならではのレイアウトが東京大塚や熊本などにあるやぐらルームだろう。

これは和の趣がある2段ベッドスタイルのやぐら寝台が特徴で、1階がリビングルームとして使えるソファ、収納棚を兼ねた階段から上るロフトが寝室となる。

1階も寝室として使えるので、友人と同室で宿泊したときには、寝る直前まで語りあいながらも、上下別れて就寝し、プライバシーが守られたのがよかった。大人の女子旅にはいいかも。

2段ベッドの下がソファとなってリビングに、上が寝室となっているやぐらルームは人気(写真はOMO5東京大塚)

器好きには天国な「やちむんルーム」に滞在、100とおりのやちむんが使いたい放題!

そんなやぐらルームが、ほかにはないコンセプトのご当地部屋に進化したと聞き、「OMO5沖縄那覇 by 星野リゾート」に行ってきた!

2024年11月1日よりスタートした「やちむんルーム」のコンセプトは「100のやちむんと100のつくり手に出会える部屋」。なんと部屋に100種類の器が並び、自由に手に取り、使うことができるというのだ。これはうれしい。

限定のご当地部屋「やちむんルーム」は100種類のやちむん(焼き物)が並ぶギャラリーのような空間
棚には沖縄各地で製作している作家の器がひとつずつ並び、自由に手に取り、使ってみることができる
飾り棚は寝室となる2階へ続く階段にもあり、じっくり鑑賞、選ぶことができる。贅沢!

やぐらルームの壁面収納の特徴を生かして、リビングのテレビ周りがぐるりと飾り棚に。まるでプライベートなやちむんギャラリーを客室内におさめた状況。

工房が多い壺屋やちむん通りや読谷の器はもちろん、竹富島や石垣島を拠点にする作家の焼きものも並ぶ。これは壮観。まるでプライベートギャラリーだ。

100つの器をディスプレイした棚は、酒器、コーヒーカップ、伝統的な柄、自由な発想のデザインなど、カテゴライズされている。

OMO5沖縄那覇から徒歩圏内の、壺屋やちむん通りをテーマにした棚もあり、そこにあるカードを持ってショップに行くとおみやげがもらえるという特典もあり。

宿泊すると100すべての器の情報が乗ったカタログである「やちむんガイド」が1部屋に1冊つき、器探しのいいナビゲーターになってくれる。

滞在中は眺めるだけでなく、お茶を入れたり、コーヒーを注いでみたりと、実際に使って、その手触り、飲み口のよさを体感できる。これは「やちむんルーム」だからこその特典。

冷蔵庫に入っているさんぴん茶やオリオンビール、泡盛のミニボトルなども料金に含まれている。これで1部屋18000円~というのは、もう「事件」だ!

泡盛を注ぎ、料理を盛り、自分のものにすることで本当にフィットするとっておきの器に出会える

あまりに楽しくて、夜はおでんやテビチーなどのつまみをよそって、泡盛で晩酌したり、部屋でゆるりと過ごし、やちむんと向き合う夜を満喫した。こんなとき、ごろりと寝っ転がれるリビングのソファがちょうどいい。

妙に手になじみ、お酒でもお茶でもヘビロテしてしまうやちむんを発見したり、コーディネイトしてみると、食卓が格上げされたように映える盃に出会えたり、実際にさわり、使ってみてわかることも多かった。

いい器に盛りつけるとコンビニのお惣菜だってごちそうに! 棚に並ぶやちむんを選ぶのも楽しい
夜はゆるりとリビングで過ごす。泡盛やオリオンビールも部屋にあるのでつまみを調達して部屋呑み
小腹がすいたらOMOカフェ&バルの沖縄そばを。ハーフサイズで夜食にちょうどいい

OMO5沖縄那覇では、ピザトーストやフレンチトーストなどの朝食をテイクアウトできるのだが、今回はサラダトーストを部屋に持ち帰り、器に盛りつけてみた。これは贅沢。

晩酌のときとはちがった表情が見え、これは自分のライフスタイルにあっているぞ、これはパンの朝ごはんにも合わせやすい、ギフトにいいかも、とアイデアがんどんわいてくる。

このやちむんルームの醍醐味は、体感して、このつくり手に会ってみたい、アトリエを訪ねてみたいと、次の行動へと広げること。

ミニブック「やちむんガイド」にはショップ情報もあり、実際に部屋で試して、気に入った作家の選ぶのも楽しい。

私は独断と偏見によるやちむん神セブンをセレクトして、並べて遊んでいた。

朝食もお部屋で。テイクアウトしてサラダやスープにあいそうな器をコーディネイトするのも心躍る
焼き物の工房やショップが並ぶ壺屋やちむんルーム。やちむんガイドを手に理想の器探しを楽しみたい
こちらが私のやちむん神セブン。手に取った時のフィット感や重さ、並べたときの映えなどは使ってみないとわからない
那覇の台所「那覇市第一牧志公営市場」を巡る「市場まーさんぽ」で美味しいものをチェック

この「やちむんガイド」は元「手紙社」の編集者であり、イベントの企画・運営などを通して沖縄の“ものづくり”の魅力を伝える「島の装い。プロジェクト」の共同代表セソコマサユキ氏が執筆している。地元の目利きによるセレクトなのも頼もしい。

夢のようなやぐらルームを拠点として器探しの冒険にでかけてみるのもよし!

たとえ仕事で忙しく、街で観光する時間が少なかったり、天候に恵まれなくとも(意外と沖縄は雨の日が多い。ときには台風が来ることも…!)お部屋で楽しく過ごせたら、それは豊かな旅となる。「やちむんガイド」片手に旅の作戦会議をじっくり練ろう。

今回は、一人での滞在だったが、次回は酒好きで器好きの友人とわさわさ女子旅をするのがいいな、と今からワクワク。

部屋の中だけでも楽しめるし、じっくりと100とおりのやちむんを試してみた後、ショップやアトリエを目指して、器探しの旅を企画してみるのもおすすめだ。

県内にも一度に100もの工房・作家の作品を一気に見比べられるギャラリーや店舗はないだろう。ガチな器リサーチとしても、有効だ。

OMOには近隣エリアの壁面マップが描かれ、中央に大きなテーブルのあるいどばたスイート(OMO7大阪)や高知の宴会文化「おきゃく」をテーマにしたうたげスイート(OMO7高知)など、お部屋内での時間を充実させるコンセプトルームを展開。

なかにはキッチン付きのお茶の間ツイン(OMO5京都祇園)なども。旭山動物園とのアクセスも良いOMO7旭川にはペンギンルーム、しろくまルームのようなキュートなゲストルームも人気だ。

キッチンがあり、最大6人で宿泊できるOMO7大阪のいどばたスイート
土佐スタイルの宴会、おきゃくを部屋でも楽しめるOMO7高知のうたげスイート

OMO5京都祇園のよーじやべっぴんルームや、OMO5大塚の都電ルームのような企業や行政とコラボした、期間限定のコンセプトルームもある。一度は泊まってみたいゲストルームばかりだ。

この部屋で過ごしたいから、その街を旅する、という選択肢も、これからはありかもしれない。

国際通りや市場へも徒歩圏内で、繁華街、松山にあり街ナカ観光には最適なロケーションのOMO5沖縄那覇

文/間庭典子
まにわ・のりこ。東京都杉並区出身。婦人画報社(現ハースト婦人画報社)退社後、米ニューヨークを拠点に活動。帰国後はフリーライターとして情報を発信。全国各地の宿、インテリア誌では200軒以上の住宅を取材するなど、旅芸人なみのフットワークを誇る。仕事柄、ラグジュアリー系リゾート体験も豊富だが、「青春18きっぷ」を使って旅する“18きっぱー”でもあり、JRのほぼ全路線制覇。地の酒、肴を味わえる居酒屋や市場めし、ひなびた湯治場を巡るのも大好き。

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