『京華樓 本館』
・冷やし四川担々刀削麺(1100円)
小麦粉の塊を包丁で削りながら鍋に落として茹でる刀削麺の食感がなんとも心地よい。
その粉の旨みと、青菜の漬物”ヤーツァイ”をアクセントにした肉味噌の甘辛さのバランスが抜群
辛みと旨みを重ねた魅惑の肉味噌をむっちり刀削麺で食す
四川省出身のシェフが、現地の豆板醤や山椒、中国唐辛子などを使い分けて作る料理は逸品揃い。
四川特有の奥行きのある辛さを楽しむなら、「冷やし四川担々刀削麺」を。
豚挽肉とヤーツァイを炒めた肉味噌を、芝麻醤のコクと香酢の酸味を利かせたタレと混ぜて食すのだが、これが実に旨辛い。伝統伎で削られた刀削麺がむっちりとした食感でそこに絡み、ハマってしまう。
また、辛さと同じくらい”しびれ”を利かせるのも四川流。「青山椒ダレの爽やか冷麺」は、細麺をすすると青山椒の軽快な香りが口中に充満。ピリリと心地よいしびれで暑気を払ってくれる。
・青花山椒ダレの爽やか冷麺(1320円)
細麺に干し豆腐、エビ、トマト、キュウリなどが乗る。辛さはなく、しびれ感がクセに
・白身魚の青花山椒ソース掛け(1760円)
ナマズ×青山椒は、四川の夏の定番。プルンと軽やかな食感と爽やかな風味があとを引く
[電話]045-211-2866
[営業時間]11時半(土日祝11時~)~21時半LO
[休日]無休
[交通]みなとみらい線元町・中華街駅2、3番出口から徒歩4分
『獅門酒楼』
・海鮮冷麺(1450円)
白醤油ダレが全体を爽やかに引き締め、すっきりとした味
たっぷりの海鮮に白醤油ダレが香り高い涼やかなひと皿
中山路に店を構え、約40年。活アワビにエビ、ホタテなど海の幸を巧みに使った広東料理が自慢の一軒。
夏メニューの中でも、ひときわ人気を集めるのが、この「海鮮冷麺」だ。
プリッとはじける有頭エビにクラゲ、肉厚のホタテやイカがたっぷり。貝柱の旨みを凝縮したスープに白醤油を合わせたすっきり爽やかなタレが、素材の魅力を一層引き立てている。
ツルリとのど越しのよい中細麺と小気味よく響きあう様は格別で、食後感も清々しい。野菜ダシの滋味あふれるスープで楽しむ「海老と野菜の冷やし麺」も7月中旬から登場。こちらも涼味あふれる旨さで外せない。
・海老と野菜の冷やし麺(980円)
冬瓜とトマト、三つ葉や紅芯大根が乗る。旨さの秘密は野菜からダシをとった冷製スープ。
余韻が深く、最後の一滴まで飲み干せる美味しさだ
・海老とマンゴーのサクサク変わり揚げ(1本500円)
エビとマンゴー、大葉の組み合わせが絶妙。細麺状の小麦粉生地で巻き、香ばしくサクサクに揚げている。
ピリ辛のマンゴーチリソースをつけてどうぞ
[電話]045-662-7675
[営業時間]11時半~22時(21時半LO)
[休日]月一回不定休
[交通]みなとみらい線元町・中華街駅2、3番出口から徒歩5分
『青葉 新館』
・よだれ鶏冷麺(1210円)
複雑な香辛料の刺激を、しっとり柔らかな鶏肉とレタス、小麦か豊かに香る太めの麺が受け止める
賄いから生まれたピリッと旨辛な一杯はお酒の〆にも最適
食材の持ち味を大切にした、台湾料理と薬膳料理が楽しめる店。
「よだれ鳥冷麺」は、スタッフがメニューにあったよだれ鳥を麺に乗せて食べていたのがもともとの始まりだという。
賄い飯を経て、客の熱烈な要望で冷たい麺として味に磨きをかけ、夏季限定メニューとなった。
上湯スープでゆっくり炊かれた鶏ムネ肉は、驚くほどしっとり柔らか。黒酢や豆板醤など多種類の香辛料を使ったタレとそれを受け止めるやや中太の麺が相まって、ピリッと来る辛さがたまらない旨さとなる。
7月からは20年来の夏の定番「薬膳冷麺」もメニューにお目見え。人気を二分しそうだ。
・脱水豆腐と台湾産切り干し大根の炒めもの(1650円)
八角の香りや大根の甘みが交錯した酒を呼ぶ味
・台湾産緑タケノコの水煮(1540円)
夏場に旬を迎える緑タケノコを台湾から取り寄せ。アクがなく、シャキッと柔らかな歯応えが心地いい。8月末までの限定メニュー
[電話]045-663-3770
[営業時間]11時半~22時(21時40分LO)
[休日]月(祝日の場合は翌火)
[交通]みなとみらい線元町・中華街駅2、3番出口から徒歩2分
『萬来亭』
・涼坢麺(700円)(平日ランチのみ)
やや甘めでやさしい味わいの肉味噌が美味。麺にもよく絡む。好みで旨辛の自家製ラー油を入れても◎
肉味噌と絡み合う自家製麺の旨み!やみつき必死
今も昔も製麺所を営み、麺類の美味しさは中華街でも指折り。
当然”冷やし”でもその旨さを堪能できる。供されるのは、昼と夜で具材が異なるパンメンという冷たい和え麺だ。平日昼は肉味噌&ネギ、夜ならチャーシュー&白ネギと、具はいたってシンプル。
しかし、毎日その日の分だけ作られる細麺に小麦の香りがしっかりとあり、やや甘めの肉味噌やチャーシューを崩していくと、食べ進むほどに味が重なり奥行きが生まれてくる。中華醤油を少し加えた胡麻ダレもしつこくなく、それもまたいい。
向かいの製麺所では自家製麺(細麺・平打麺・縮れ麺)を購入できる。
・叉焼、葱入り冷やし和え麺(946円)
シャキシャキのネギとじっくり焼いたチャーシューの旨みが、麺の味わいを際立たせる
・上海風ゆで鶏の老酒漬け(1507円)
紹興酒と山椒、塩だけで漬け込み仕上げた。
老鶏ならではの引き締まった肉質は噛むほどに味わい深い
[電話]045-664-0767
[営業時間]11時半~14時半(14時LO)、17時~21時(20時半LO)、土日祝は11時半~21時(20時半LO)
[休日]木(祝日の場合は営業)
[交通]みなとみらい線元町・中華街駅2、3番出口から徒歩5分
『東北人家 新館』
・冷麺(880円)
そば粉を練りこんだ、ツルリとした麺に牛スネ肉の醤油煮込み、キムチ、パクチーなどが味、香り、彩りを添える。
9月末までの限定メニュー
”酸っぱ辛さ”が絶妙!スキッとした牛骨スープで味わう
中華街では珍しい中国東北地方の料理を打ち出しているのがこちら。
ラム肉や火鍋など本場の味を再現した郷土料理に加え、朝鮮半島と隣接した土地柄ゆえ冷麺にも出会える。朝鮮半島ではそば粉を主体にした麺を使うことが多いというが、ここの灰色がかった麺は、小麦粉を主にそば粉を練り込んだもの。これがツルリと快い。
スープは牛骨をベースにリンゴとキュウリからダシを取り、酸味の強い韓国の酢で引き締める。やや酸味のあるスキッとした仕上がりだ。
醤油で煮込んだ牛スネ肉を頬張り、キムチの辛みを加えつつ、変幻自在の甘・辛・酸のハーモニーを楽しみたい。
・特製ラム肉背骨の醤油煮込み(880円)
ラム肉には複雑な旨みがじわり。クセになる味。
12種の漢方と中国醤油を使って開店以来継ぎ足しているタレが決め手
[電話]045-664-0888
[営業時間]11時~15時LO、17時~22時(21時45分LO)、土日祝11時~22時(21時45分LO)
[休日]無休
[交通]みなとみらい線元町・中華街駅2、3番出口から徒歩5分
ぬるい和え麺に海鮮麺 店の個性が際立つ旨さ!
中国では基本的に身体を冷やす料理はNG。冷たい麺を出す店はあまりないのでは?と正直思っていた。しかし、中華街をリサーチしてびっくり。あるわ、あるわ!
<冷やし中華始めました>の張り紙まで見かけたが、やはり”ならでは”の味を求めたい。
中国には冷たい麺ならぬ「涼バンメン」というぬるい和え麺がある。そんな本場らしい麺を食べられるのが『萬来亭』。
麺をすすると、キュッと引き締まったボディ!とは程遠く、ボソっと感は否めない。でも不思議、この自家製麺の粉の旨みたるや。
痛風持ちの『おとなの週末』編集・武内氏が「某カップラーメンの謎肉みたい。オモシロい!」と沸いた肉味噌がのり、見た目は素朴なのに、そのヤミツキ度ったらない。うむむ、侮れぬ。
担々麺やよだれ鶏など、日本でも馴染みのある料理を”冷やし”にアレンジした麺も逸品揃いだった。
『京華樓 本館』の冷やし坦々刀削麺は、麺が太くて不揃いなのがいい。しっかりした弾力の麺と肉味噌がお互いを何倍も美味しくさせている。で、旨辛ダレが絡めば四川の風が吹き、パクチーで一転エスニックムードにも。
『青葉 新館』のよだれ鶏冷麺もまた辛いが旨い、旨いが辛い……の妙に唸る。しっとり柔らかな鶏肉には上湯スープの旨みも見え隠れ。
中華のウマさの秘訣はやはり店の命ともいうべきスープにあり。コレが美味しければほかの料理も間違いない。
『獅門酒楼』の海鮮冷麺では、まさにそれを実感。貝柱の旨みを感じるスープに白醤油ダレが重なり、上品なお味。ああ、今すぐにでも食べたい。
『東北人家 新館』の冷麺もまた牛骨スープが美味。ちなみに、ここの冷麺には氷も入っていて、キンキンに冷えているでしょう部門堂々一位だ。
今回の冷たい麺探訪で感じたのは、さすがのバラエティ感。これぞ中華街の奥深さ!
※店のデータは、2020年8月号発売時点の情報です。
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