恐るべし、飲食店とYouTubeの二足のわらじ
YouTuberとして稼ぐには、勤勉さとマメさが不可欠だなあと思う。ファンを逃さないために、毎日動画を編集しアップしたり、YouTubeに誘導するためのSNSに力を入れていたり、それ以前に、企画だって日々考えなきゃならない。
一見、遊んでいるかのように見えるYouTuberは、とんでもなく働き者なのだ。と、永遠にベッドでゴロ寝しながらスマホを眺めつつ感心している。
働き者と言えば、『おとなの週末』(紙の方)の取材でいつもお世話になっている、飲食店のみなさんもそうだ。より美味しいものをお客に提供しようと思えば、早朝から市場に仕入れに行って、店に帰ってからは息つく間もなく仕込みの連続。やっと営業をスタートして、終わったと思えば、片付けと清掃。終電がなくなって店で寝泊まりなんてこともザラだそうだ。
YouTuberと飲食店、どちらも働き者でなくてはできない職業なのだ。
前置きが長くなったが、そんな超ハードスケジュールな両者をこなしてしまう、すごい方々もいる。
飲食店がYouTubeのチャンネルを運営している例だ。料理人が家庭でも作りやすいレシピを提案してくれたり、ちょっとした技と工夫で、いつもの料理をランクアップさせるプロの秘訣を教えてくれたりと、何かと役に立つことも多い。
そんな中、今回紹介したいチャンネルが、その名も「中華一筋」。とある中国料理店の厨房で繰り広げられている仕込みや、まかない料理、はたまた実際の営業中の風景を動画に収めている。
豪快な中華料理店の調理動画にただただ感嘆
まずはこちらの動画を。ネギを切る、ただそれだけの映像が約11分も続く。でも、シャキシャキという音と共にネギの細切りがどんどん錬成されていく様子は不思議なほどクセになる。
そして最後は、爆量ネギをのせたとっても美味しそうな、まかないラーメンの完成だ! ああ、ここでバイトしたい!
続いては中華包丁のテクニックを感じられる動画。搾菜を瞬時にスライスしていく。言葉はいらない、まさにプロフェショナルな技に感動する。
また、仕込み中の様子を撮影した動画も見どころ満載だ。
例えば、ラーメン店や中華料理で使われる定番の鶏油。大量の鶏皮から徐々に脂が抽出されている過程を4倍速で見ることができる。最後は、副産物として生まれた脂を出し切ってカリカリになった鶏皮と、臭み消しに途中で入れたネギと生姜を刻んで、まかないチャーハンが出来上がり。動画のいちばん最後に作ったご本人も「まじで! うまいです」とおっしゃっている。
そうそう、チャーハン作りの動画はいくつもアップされていて、どれもが見応え抜群! YouTube界で実はチャーハン動画は“荒れる”と言われる鬼門のジャンル。作り方にそれぞれが強いこだわりを持っているから、アンチなコメントも多いとか。
でも、見てよ、この美しくも豪快な鍋振り。誰しもを納得させるだけの実力が映像から現れているではないか。そうして、シャウエッセンとレタスのチャーハンの出来上がり。シャウエッセンの存在感がすごい。
豪快、と言えば大量のまかないを作る動画もそう。こちらは14人分の茄子の四川辛味炒めを一気に作る動画だ。
サムネ画像の油通しした茄子のツヤツヤ感にも食欲をそそられる。家庭にはない数々の中華調味料を重ね合わせて出来上がったそれを見るだけでヨダレがあふれてくるじゃないですか。ああ、ここでバイトしたい!(2回目)。
そう、中華一筋の動画は映像の美しさも飛び抜けていて、どの動画も「うまそう〜」であふれているのだ!! 調理中の音を耳で楽しみ、そのプロのテクニックを目で味わう。見ているだけで美味しいとはこのことだ。
加えて、各動画の概要欄についている文章も面白くて読み応え抜群ですぞ!
文/菜々山いく子
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