やっと出合えたホントに美味しいカレーラーメン
ニッポンの国民食であるカレーとラーメン。このふたつの料理を融合させたら……。
その発想は間違ってはいない。しかし、私の記憶が確かならば、これまでカレーラーメンで全国に名を馳せた店が登場したことはない。それだけカレーとラーメンの合体は難しいのである。
唯一、成功したのが、日清「カップヌードル」のカレー味かもしれない。ラーメン屋は星の数ほどあるのに、このままカップ麺に敗北を喫したままでよいのか!? 半ば諦めかけていたとき、本当に美味しいカレーラーメンの店を見つけた。
それが、2021年9月、名古屋市中村区名駅南1丁目にオープンした『カレーヌードルファクトリー』である。
店名からもわかるように、ここはカレーヌードルの専門店。今年3月中旬から8月下旬まで名古屋駅太閤通口近くの居酒屋で間借り営業していて、このほど実店舗を構えることになったのだ。
「東南アジアで食べたカレー味の麺料理からインスピレーションを得て、より食べやすく、日本人の味覚に合うようにアレンジしました」と、店主の松井賢真さん。
松井さんこだわりのカレーヌードルは、「極上カレーヌードル」の汁ありと汁なし、タイのグリーンカレーがベースの「グリーンカレーヌードル」の3種類を用意。
これが、ベーシックな「極上カレーヌードル」。
具材は、鶏チャーシューと味付け玉子、揚げ麺、オニオンスライス、ネギ。鶏チャーシューや皮付きのフライドポテト、パクチーをトッピングしたメニューもある。
美味しさの秘密はスープの温度にあり!
筆者がいただいたのは、骨付きチキンをのせた「骨付きチキン極上カレー」。
まずは、スープをひと口……。うん、旨い! 香辛料特有のクセもなく、とても食べやすい。気になったのは、スープの温度。温かくはないものの、熱々でもない。その中間くらい。実はこれには意味があるという。
「スープは、鶏ガラを低温で4時間、じっくりと煮込んだものがベースになります。それに自家ブレンドした16種類のスパイスとココナツミルク、炒めてペースト状にした香味野菜を合わせています。スープがあまりにも熱々だと、鶏や野菜のコクが伝わりにくくなってしまうんです。いろいろと試した結果、80℃〜85℃がいちばん美味しいことがわかりました」(松井さん)
たっぷりの具材をかき分けて箸で持ち上げてみると、平打ちの縮れ麺を使っていることがわかった。東南アジアの麺料理は幅広のライスヌードルを用いることが多い。スープとの相性や、さまざまな中華麺を試した結果、この麺に辿り着いたという。
実際、緩やかな縮れがスープによく絡む上に、スープの旨みを存分に吸うので、ベストな選択だと思った。トッピングとして用いられている揚げ麺のサクサクとした食感もよい。特筆すべきは、骨付きチキンの柔らかさ。箸を入れるとホロホロと崩れるほど。これもスープとよく合う。
「カレーヌードルが定番化したら、スパイスカレーや日本のカレーを使ったヌードルも作っていきたいと思います」と、松井さん。
カレーヌードルという新ジャンルを切り拓いた『カレーヌードルファクトリー』、今後も目が離せない。
[住所]愛知県名古屋市中村区名駅南1-14-20 2・3階
[電話番号]070-1265-2937
[営業時間]11時半〜14時半、17時〜22時
※新型コロナウイルス感染拡大防止により、時短営業の場合あり
[休み]日
取材・撮影/永谷正樹
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